44話 ホテル散策
ホテルに到着して、一番に揉めたのは部屋割りだった。これは主に、赤一点のマリーが、僕と同じ部屋がいいって駄々をこねたのが原因だけど。……僕って、そんなに男っぽく無いの?
結局、先生が作ったあみだくじの結果、マリーは一人部屋で僕らは四人部屋だった。僕と同じ部屋になったのは、ノブ様にヒデ様、家康だ。
「よし、それでは、荷物を部屋に置いたら自由時間であるぞ!」
「夕食時にはホテルのレストランに来るのじゃ〜」
先生方の号令もそこそこに、みんな動きだす。さて、何をしようかな?
「三成! 散策行くぞ!」
「え!? ノブ様!? ちょ、荷物がぁ〜!」
「……楽しんで……来い……荷物は……任せろ……」
少し考え込んでいると、ノブ様に腕を引かれる。荷物を部屋に運ばなきゃ、と言おうとすると、治部様が僕の荷物を持って部屋に向かう。……はぁ。それじゃあ、治部様に甘えて散策しようかな。
この時僕は、ヒデ様が拗ねた様な表情で僕らを見ていた事に気がつかなかった。
――
ノブ様に手を引かれながらホテル内を歩く。売店、レストラン、フードコート、ゲームセンターもあった。露天風呂もあるらしいけど、それはまたご飯の後のお楽しみ。
そして、一緒に散策をして気づいたのは、ノブ様は、かなり細やかな所まで気がつくということ。
歩いている途中でも、困っている子供やお年寄りの手助けをしていた。
でもなぁ……。
「ノブ様ぁ……家康達、置いてきちゃってよかったの……?」
「……余は……いるぞ……」
「ぅひぁっ!?」
「アッハッハ! 気づいてなかったのか! 面白い声だな!」
「笑わないでよノブ様! 僕、本気で心配したんだから!」
僕らだけ先に行っちゃった事を心配したのに、ちゃっかりと付いてきていた! この家康は!! 僕の心配を返せ!! ……というか、ヒデ様は?
「……もうすぐ……ご飯……」
「え!? あっ、本当だ!」
それに、もう集合時間は目の前まで迫っている。それでも、やっぱりヒデ様を探しに戻った方がいいんじゃないかな? もしかしたら、部屋で寝ている可能性もある。
「急がなきゃ! あ、でも、ヒデ様は……?」
「アイツなら遅れることはないし、大丈夫だろ」
「そうかなぁ……?」
「……大丈夫……」
うーん、二人が言うから大丈夫、なのかな? でも、やっぱり心配だなぁ……ヒデ様、寝坊することも結構あるし。確か、マリーと初めて会った時もヒデ様はノブ様と一緒にねぼうしてたっけ。
それでも、16歳の男子高校生だし、大丈夫だよね!




