番外 初詣
今日は一月一日、元旦だ。
例年なら家族で初詣に行くところを、今年はESSの幹部メンバーで初詣に行く事になった。家康が僕達と行きたいと押しきったからだ。
僕達の住んでいる所から一番近い神社は、近隣で最も大きな日元神社だ。近隣イチの大きさとあって賑わいも段違いで、様々な出店がある。中には魚屋の出店もあった。……何が売ってあるのか、少し気になるな。
途中、中学校時代の親友と再会したり、といった事も起こりつつ、信長様の転生能力で火事が起きないように気をつけながら本殿に向かう。
本殿でもう一人の親友に似た人とすれ違った気がした以外には何事もなく参拝をすまして、今度は出店に買い食いをしに行く事になった。
「おはよう、長宗我部殿。明けましておめでとう」
「よっ、今年もよろしくな!」
「……よろしく……」
「あけおめ、ことよろ。だねぇ」
「おお、アンタらか! 明けましておめでとう。そして、今年も長宗我部鮮魚店をご贔屓に!」
出店を出す風変わりな魚屋はどこかと思ったけれど、同じ転生者の長宗我部殿の店だった。何か困っていた様子だったから話を聞けば、見知らぬ海外の人にいきなり商売で世界を目指さないかと勧誘されたらしい。長宗我部殿、けっこう破天荒だから辞めとけばいいのに……。
ある程度出店をブラブラしていると時間は既にお昼過ぎ。そろそろ解散する事になった。大通りの交差点で別れるとき、三人が僕の方を向いた。
「そんじゃまぁ、今日はこの辺で。今年もよろしくな!」
「……うん……今年も……よろしく……」
「今年も頑張ろうねぇ」
「はい! 今年もよろしくお願いします!」
今年はなんだか、去年よりも素敵な一年になる。そんな気がした。




