表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日ノ本高校のミツナリ君  作者: GOAT
体育祭編
24/69

幕間 石田三成

 逃げる。


 逃げる、逃げる、逃げる。


 もう、どれだけ走ったかも分からない。


 家で寝ていた筈なのに、気が付けば周りには何もない暗闇に立っていた。着ている物も、パジャマではなく前世で愛用していた着物だ。


 後ろから、左右から、何かの声に追われる。所々聞き取れないが、何かに対する怨嗟の声だ。


「殺せ」


「殺せ……殺せ」


「石……成……」「……い……みだ」


「……ぶ様が、お怒りだ」


「じ……様が……いて……る」


「……を取れ」


 もしかして、前世で僕が殺した人達の声かもしれない。だって、あれだけ殺して、あんなにも大きな戦を起こして、恨んでいる人は多い筈だ。それなのに、僕は、平和な現代で、のうのうと生きている。


 これは、きっと過去からの僕に対する断罪だ。


「っ、うわぁっ!?」


 着物に足を取られて転んでしまう。

 後ろから追ってきた存在と対面して、僕は目を見開いた。


 だって、彼は、薙刀を構える、感情の無い顔は、前世の、僕で。


「……見つけた……石田三成……を……殺す……」


 僕を殺すのは、僕なのか。


 迫り来る薙刀に目を閉じて、そこで、僕の意識が途絶えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ