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「……少し前まで、あんなに楽しそうだったのに……あの、一緒に暮らし始めた恋人さんと何かあったのですか……?」
千珠ちゃんには、様々な相談をする仲で……、私は年上にも関わらず、彼女に何かと相談するという情けなさ……そのような間柄なので、私の事情も彼女はよく知っていた。
その千珠ちゃんから、耳を疑う言葉を聞き、私は、一瞬で固まった。
(……えっ、私、無意識にエビがワンルームで幻覚で……話したのかしら)
混乱し過ぎて、若干、頭の中もぐちゃぐちゃな文脈のまま。
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……そうして、思い出したのだが、……彼女には、……あまりにも恥ずかしい話の為、言えずにいたのだが、……私がワンルームに独り暮らしを始めたのは、上京してすぐに転がり込んだ恋人の家から飛び出したからで……それを彼女に伝えていなかったことをかろうじて思い出した。(エビの一件が意味わからな過ぎて、恋人のことなど本当にスッカリ……ええ、スッカリ忘れていまして)