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……まぁ、彼女を私のワンルームに招待しようが、エビは幻覚な為、彼女にエビは見えない。最終的に私はそのように諦めて、彼女を部屋に招待した。
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「おじゃましま~す」
……私の独り暮らしのワンルームにお客様が訪ねてくるのは……幻覚のエビ以外には彼女が初めてだ。若干ドキドキしながら、彼女を部屋に通す。……まあ、ワンルームの部屋は、……エビの趣味でカオス状態だったが……
「……わっ、……スタジオみたい……。すご、オシャレ……柚木さんお料理もされるんですね。私、こんなに綺麗に香辛料がお店みたいにディスプレイされているキッチンなんて初めて見ました。わ、キーボード。柚木さん、楽器できるのですね、凄い」
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千珠ちゃんは、目をキラキラさせて、エビがした魔改造の部屋を手放しで褒めてくれたが、……私はというと、冷や汗をかきながら、いえ、エビ……じゃない、彼の趣味なのよ……とか、いや、楽器は、エビが……彼が……とか、もごもご不明瞭な説明を口の中でするのみだ。
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心配していたエビの幻覚は、部屋の中にはなくて、私は若干安堵した。これでエビの幻覚まで登場したら、私の頭の中がカオスになる。……幻覚も幻覚なりに空気を読むらしい




