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プロローグ
ここは、とある世界の一都市。
名をヒストピア王国という。
その国のど真ん中には、その世界唯一つの地下迷宮が存在する。
その地下迷宮は、とても広く、わからないことの方が多い。
数少ないわかっていることといえば、とても、それこそ終わりがあるのかわからないほど広い、ということ。
そして、その中には数多の魔物達が生息しており、下層域にいけばいくほど強く、数は減っていくということであった。
しかし、魔物達は迷宮内だけでなく、各地の森、海、水辺から、砂漠、地中、空等ありとあらゆるところに生息していることが確認されている。
その脅威に対抗するために人類が使っているのが、『魔法』である。
そして剣をはじめとした武器であり、武術である。
先人達の知恵と努力の塊ともいえるそれらを駆使し、人類は懸命に戦っている。
しかし、人々は幸せに暮らしていた。
そんなとき、突然異変が起こる。
これはそのような混沌の時代に生きる、一人の少年が紡ぐ、英雄譚とは程遠い小さな物語である。