85話・ロゼッタ、それいけお宝鑑定団!2
ではでは、改めてお宝鑑定の時間なんだよ。
庭に出た私は、まずはゴブリンから手に入れたモノを取り出す。
キーリが回収してくれたものもアイテムボックスに回収済みだから纏めて出しちゃうんだよ。
でもゴブリンの腰布はいらないな。誰かアイテムボックスから取り出してどっかに捨ててくれないかな?
残念ながら私しかアイテムボックスから取り出しできないから誰も代わりができないんだよ。
よし、アイテムボックスの肥やし決定だ。
その内どっかに捨てとこう。産業廃棄物じゃないけど遺棄っちゃうんだよ。
ゴブリン達から手に入れたアイテムのうち、魔物肉はアイテムボックス内に入ったままにしている。
これを取り出すと一気に酸化したり腐り始めるからアイテムボックスから取り出す時は食事時だけでいいんだよ。
でも、他の魔物と同じ魔物肉だけどゴブリンの肉だよ? 食べて大丈夫?
肉以外は、棍棒が1539個。アイアンソードが274個、盾が274個、木の槍が53個、木の弓が127個、ハンドアックスが72個、暗殺ナイフ120個。なんかごっつい剣が一つ、王冠一つ。
魔石取るの忘れてたなぁ。ゴブリンキングとか凄く高そうなのに、気付いたら自滅しちゃってたからなぁ。
キーリに魔石取るよう伝えるのも忘れてたし。
「これはまた。1500体のゴブリン以上の戦果だな。こっちは、アサシンのナイフか。これ一本だけでもかなり高価だぞ?」
ボーエン先生が狙い通りに鑑定を始めて行く。
でもまだまだ序の口なんだよ?
よし、そろそろ本番と行くんだよ。
それーい!
こちらがメインだ。
手当たり次第地面にアイテムぶちまける。
金銀財宝ざーくざくっと。うっわー、見事に煌びやか。
「こ、これは凄い……」
「ゴブリンの巣にあった財宝全部だよ。多分、冒険者達が持ってた物をいらないから集めてたんだろうけど、立派な財宝になってたんだよ。この辺りは金貨かな?」
「そうだな……ライオネル金貨にコスタロカ金貨。こっちはエグエール金貨か? これはまさか!? レグシオーネ白金貨!?」
おお、やっぱりボーエン先生に見せて良かった。
いろんな金貨知ってるんだよ。
きっとそれなりに価値のあるモノを教えてくれるはず。
そしたらアイテムボックス内でも自動仕分けされるから入れるだけでよくなるんだよ。
「これは、レオスの短剣だな。かつてレオスという英雄が使っていたとされる剣なんだが、なぜか大量に存在するんだぜ。だから価値はそこまでないんだ」
それはたぶんレオスさんが使っていた短剣が量産型の短剣だったんじゃないかな?
もしくはレプリカ。偽証の短剣も混じってるかも。
うん、多分使ってたらしい一点モノはどこにあるかすらもう分からなくなってるんだよ。
「ん、状態異常無効の首飾りがあるな」
「え、嘘。買う必要なくなったなぁ。ライリー君にでもあげちゃうか」
「そういえばライリーという攻略対象の攻略に必須だっけか?」
「あれは魅了無効だけどねー。こっちのが上でしょ?」
「折角だしお嬢が貰っとけよ。ライリーとかいうのにやるにはもったいなさすぎる。ライリーとかいうのは魅了無効の奴でいいだろ」
「そう? まぁそう言われると、私が装備しといたほうがいいのか、なぁ?」
「お、こりゃ宝石で出来た剣だな。正式名称は知らんがかなり高そうだ。多分貴族か何かから分捕った奴だな」
貴族が襲われてるってことなのかな? だったらギルド長にそのこと伝えて売っちゃうか。
もしかしたら探してる貴族が居るかもだし?
恩を売るチャンスなんだよ。
いやー、もっとかかるかと思ったけどこのお金使えば商業始めるのも直ぐになりそうだなぁ。
いやね、商業が行えるような状況になってれば、万一婚約破棄されたとしても商業ギルド関連で別の国に国外追放されても生活の基盤がある状態になるから普通に過ごせるんだよ。
転ばぬ先の杖って奴だね。
「見たことねぇのもいくつかあるな。こっちのは魔族領で取り扱ってる香だな。そこまでレアなもんじゃねぇが、貴族が買うくらいの値段はしたはずだ」
高級品ってことね。
他にもいくつかあるみたいだから交易品の馬車が襲われたとかじゃないだろうか?
うん掘り出し物が一杯あるんだよ。
「お、こりゃなかなか面白いのがあるじゃねーか」
「何ソレ?」
「タネだ。ジュエルシードって奴でな。宝石が成る木が育つ」
「宝石が?」
「滅多に出回るもんじゃねーが、育成法さえしっかりすりゃ、毎年金の生る木って奴になる訳だ。ただ、まぁ、どんな宝石が出来るかは育つまで分からんが」
折角なので育て方を聞いてみる。
結構面倒だったけどギルド経由なら土とか肥料とか手に入りそうだから必要なモノをメモっとくんだよ。