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848話、カルシェット、魔竜島の異変6

SIDE:カルシェット


「ちょっと、何のようなのよ?」


「そうですよカルシェットさん。姉の監視しなきゃいけないのに」


「あの、気になる事ってなんでしょう?」


 私は危険人物の可能性が低いと思われる三人に声を掛けて話し合いをすることにした。

 どうにもデリーラさんと戻って来てからエレインがおかしい気がするのだ。

 かといって他のメンバー全員と話をするのは危険な気がする。

 特にデリーラさんやペルグリッドさんは話に参加させるべきじゃないだろう。


 そしてエレインがナッシュさんとディムロスさんをどっかに連れて行った以上、信頼できそうなのは、ミリア、マリアネージュ、バルバロイ先生の三人だ。

 ジームベルクさんは、正直居るだけ状態なので役に立たないと思う。


「皆さん、エレインさんの行動に不信感抱きませんでした?」


「は? エレイン?」


「そこまで違和感は無かったと思うが? 何か気になったのかい?」


「バルバロイ先生、先程ディムロスさんが尋ねた事を覚えてますか?」


「あの紳士の死体について、だったかな?」


「はい、本物だったか、という問いに、ああ。と答えてましたが、答えるまで少し間が空きました。何か考えて嘘をついたようにも思えて」


「嘘って、アレはどう考えても人だったでしょ。老人の腕はあの紳士以外に誰だっての?」


「ああ、いえ、ミリアさんの言う紳士の死体云々の話じゃ無くてですね、エレインさん、他に何か言いたかったんじゃないかなって思いまして。でも傍にデリーラさんがいたから何も言えなかった、とか」


「どういうことなの?」


「いえ、もしかして、遺体の死因は、刺傷だったのかも、とそしてエレインさんは口封じされているのではないか、と思いまして」


「口封じって、本物のエレインが死んでるとか?」


 ミリアさん。的外れです。まぁ私の言い方も悪かったけど。


「そうじゃなくて、えーっと口封じじゃなくて、えっと、なんて言ったらいいんだろ、口止め? デリーラさんに言ったら次はお前を殺す、みたいなこと言われてるんじゃないかなって」


「ちょ、それって!?」


「やっぱりデリーラが殺したってこと?」


「ちょ、ちょっと待ってください皆さん。デリーラさんが、何故殺人を?」


 一人デリーラの本性を知らないバルバロイ先生が待ったを掛ける。

 二人ともその御蔭でデリーラを犯人だ、という視野狭窄から脱出し、困った顔になる。


「デリーラさんはビルさんを好きなのはバルバロイ先生も知っていますよね?」


「あ、ああ。婚約者だしね。二人の仲の良さは教室でもよく見かけるよ」


「デリーラさんはビルさんへの愛情が、ちょっと強過ぎるんです。それこそ、私達女性陣がビルさんに話しかけただけで殺意を向けるくらいには」


「そ、それはさすがに思い込みなんじゃ……」


「いえ。既にビルに声掛けてた上級生が一人行方不明になってるわ」


「エレインの話じゃあの紳士さんビルさんを誘ってどこかに向ったらしいじゃないですか。もしもソレをデリーラさんが見ていたら、ビルさんに対して何かしたかもしれない紳士さんを殺していてもおかしくは無い、ですね」


 正直一番の危険人物だ。


「それに、エレインが全員帰れって言ったにも関わらず一人だけ残ってエレインと帰って来たって、それはちょっと怪しすぎるわよね」


「エレインに死体を詳しく見せないためだったか、あるいは秘密を共有させて何らかの脅しをかけ、味方に引き込んだか、ってことね?」


「はい、でもエレインさんが脅し程度で味方になるとも思え無くて。彼の場合何かしら旨みというか目的が一致したら協力してやるってタイプじゃないですか?」


「となると、エレインが協力した理由があそこにあったってこと?」


「もしくはデリーラさんが協力するに足る何かで交渉したってことですね」


 とはいえ、まだ疑惑の段階、皆には注意して見ておいてほしいとだけ告げておく。

 可能なら、あそこを調べてみたい気がするけど、下手に調べるのって死亡フラグよね。


「いや、そういうことなら調べた方がいいだろう。私も半信半疑だけど、君が気になるなら手伝うよ」


「ば、バルバロイ先生……いいんですか?」


「ああ。それとミリアさんとマリアネージュさん、済まないけど私達のこと、上手く皆に伝えておいてくれないか?」


「ええ。逢引してるって伝えておくわ」


「妬けるわねー」


「なっ!? 待ってくれ! 私は先生であって彼女とそういう関係になる気は……」


「先生、二人は茶化してるだけですから乗った方が負けですよ」


「うぐっ」


 バルバロイ先生はホント真面目だなぁ。

 私、バルバロイ先生とゴールイン、ホントにできるだろうか?

 なんか、諦めた方がいい気がしてくるなぁ、先は……長そうだ。

大雪ですね。仕事が休みになったので家の雪かきしてました。

父が側溝の雪溜りをスコップで付いた拍子に急に流れてスコップごと流れて行きました。

……なにしてんのっ!?

※数時間後、ちゃんと回収されました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そして誰もいなくなったend?w [一言] 龍華さんのお住まいの地域は雪っだったんですね。雪はここ数年見てないなぁー風花ならよくみるけどねーです。 本編の内容を全て掻っ攫っていった後書…
[気になる点] え!? お父さん、スコップと一緒に雪解けの側溝を数時間も流されたの!? どんなでかい側溝っていうか無事だったの!? としばらく本気でびっくりしてしまった。 流されて回収されたのはスコッ…
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