761話、ロゼッタ、ダンジョンにとっての非常識
とりあえずダンジョン回ってみたけど、意識持ちはメイズだけだったようだ。
アペンドディスク聞いた感じだと一つのダンジョンからモンパレ起こってたみたいだし、メイズのダンジョンだけだったと思ってよさそうだ。
なので、今日のところはダンジョン探索はここまで。あ、一応最後に邪神洞窟だけお邪魔していこうかな。
「邪神洞窟に行くからダンジョン核に意識あるか調べてくれる?」
―― その邪神洞窟がどんなダンジョンか知らないが、私より強いダンジョンか? ――
「キーリが封印されてたダンジョンなんだよ。全100階層で10階層にケルベロスがボスとして出てくるダンジョン」
―― ッ!!? ――
確か、全力でDP使って召喚出来た魔物がケルベロスとか言ってたよね。
滅茶苦茶驚いてるみたいだけど、ドラゴンの谷にはもっと高ランクのダンジョンがあるんだよ。
あそこ連れてったらどんな反応するかちょっと楽しみ。
んじゃま、転移でさっさと行きますか。
メイズと二人、邪神洞窟前に転移する。
一応、私の実力なら邪神洞窟最下層に転移するのも可能かもしれないけど、それやったらメイズにさらに非常識生物扱いされそうだからやめておいた。
―― ここが、邪神洞窟…… ――
なんかラスダンにやってきた勇者みたいな事言ってるけどただのダンジョン核だからね。
しかも初心者講習に使われるダンジョンのダンジョン核だからだいぶ格下になるのかな。
―― ダンジョン内に入る際に、結界がありませんね ――
「結界?」
―― 侵入者の識別結界です。私の場合はレベル90以上に設定してそれ以上のレベルを持つ異物が入ると警戒態勢に入れるよう、識別結界を入口に張っているのです。邪神洞窟にはそれがない ――
メイズのダンジョン入った時になんか違和感あったのはその識別結界のせいみたいだ。
ということは、邪神洞窟にはその結界張るような意識がない?
―― 洞窟内に出てくるのはオルトロスですか ――
「初期階層はそうだねー。とりあえずケルベロスまでは順当に降りようか。まだ時間あるし」
私はゆったり観光気分でメイズを抱き締め歩きだす。
頭の上に乗せてもいいんだけど、メイズを私の頭の上に、とかなんかちょっと嫌だったのでヌイグルミ抱き締めるような移動方法にしておいた。
結構弾力があるから抱きしめ感が丁度良いんだよ。まぁ手加減しないと潰れちゃうんだけど。
―― なかなかにスリリングですな。いえ、ダンジョンがでは無くこの移動方法が ――
「驚くようなことでもなければちゃんと手加減してるんだよ?」
お化け屋敷みたいに驚かされなければ問題無し無し。
と、言う訳で私は反射結界十連を張って歩きだす。
敵は私に会うと同時に攻撃を仕掛けて十倍返し。すぐに消滅してしまう。
―― こんな高レベル存在が相手にもならないとは……私の常識が覆りますね ――
そもそもダンジョン核なんて自分のダンジョンから動かないから貰える知識もあんましないと思う。
はい、かるぅく歩いてケルベロス到着。
―― おお、本当にケルベロスが10階のボスですね。これはすごい! ――
そしてデコピンで瞬殺。
いや、相手が反射結界に気付いたのか攻撃しようとして途中で止まったからこちらから攻撃したんだよ。
―― そして我が目の前に一瞬しかいなかったケルベロス、と……この人間ホント恐い ――
失敬な。
ただレベルが高いだけなんだよ。それに伴い攻撃力もウナギ登りなだけなんだよ。
「さて、ケルベロスが居たことも伝えられたし、さっさとショートカットしましょうか」
―― ショート、カット? ――
えーっと、ケルちゃん抜けた後の、確かこの辺りだっけ。
一撃ぃ、必殺ッ! ダンジョン貫通拳、なんちゃって!
―― ぎゃあぁぁぁぁ!? 破壊不能オブジェクトなはずのダンジョンの床に穴、穴がぁぁぁ!? ――
ほいっと。
私は穴のあいた床に迷いなく飛び込む。
メイズが悲鳴を上げてたけど、気にする必要無く最下層へとショートカット。
っと、前回より穴空き過ぎてるな。
飛行魔法で落ち過ぎた地面を真上に飛翔。っと、ここだここだ。
横穴見付けて最下層へと降り立った。
この縦穴。大体一年くらい放置すると自然に修復されるんだよ。
結構長い間放置されてるなぁとは思ったけど、修復に時間が掛かるなら納得ではある。
DP結構消費するんだろう。
―― あ、あばばばばばばばばばばば ――
ん? メイズどーったの? なんか器用に泡吹いて気絶したようなジェスチャーして?
―― なんという、なんという非道をッ!!? 拳一つでダンジョン90階層を貫通してボスも倒さず最下層!? あ、貴方には常識がないのですか!? この、鬼ッ、悪魔ッ、ダンジョン殺しッ!! ――
何を訳の分からない事を? 常識とはブチ破るためにあるんだよ? 型破り、みたいな?




