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735話、ロゼッタ、ウルスハたち は てかげん を覚えた!(正気度が摩耗した)

 お風呂に入ってしばしゆったり。

 お風呂は時間が時間なこともあり、人は殆ど居なくて空いていた。

 キーリと二人、といってもメイドさんも一緒だったけど。

 どうせやからー、とキーリとあらいっこしたけど、この年で子供みたいな事するのちょっと恥ずかしいよね。


 というか、普通に洗ったげただけなのに卑猥な声出すのは禁止なんだよキーリ。次上げたら二度としない、っていうと普通に声ださなくなったし。絶対わざとだったでしょ。

 他の人たちがロゼッタ様は女好きなのかしら? とか変な噂立ちかけてたから本気で辞めてほしいんだよ。


 部屋に戻ってさらにゆったり。

 ふと、何か忘れてるような気がして周囲を見回す。

 キーリいる。メテオラ、お腹掻きながらぐおーって寝てる。キリハはまだメイドさんとして立ったままだ。

 ペペリとピッキアさんはすでにメイド服脱いで寝巻でベッドに上がってる。寝る気満々だろう。キリハももう寝てしまっていいんだよ? 別に私より起きてる必要はないんだし。

 うん、問題は……問題は、なくないんだよ!?


 ウルスハ居ないしアルケーもいないじゃん。カルシェも最近こっち来てたわね。

 なんで居ないって考えたら寮の前に置いて来た事思い出した。

 もしかしてまだやってんの!?


 私とキーリはちょっと急ぎ足で寮を出る。

 外に出ると、すでにハイライト消えた瞳で卵を割り続けているウルスハとアルケーがいた。

 エレインは両腕組んで二人を見続けている。

 どうやら彼は早々に手加減を覚えたようだ。さすがエレイン。無駄に器用。


 カルシェは? あ、倒れてる。

 違うな、やり切って安心しての名誉の気絶、ってところね。

 なんか真っ白に燃え尽きたような倒れ方なんだけど、死んでないよね?


「ああ、戻ったか。忘れられてたかと思ったぞ?」


「はっはっは。何をおっしゃる。私が忘れるわけないじゃないですか、やだー」


「主はん、棒読みすぎや」


「なるほど、忘れていたのか」


「私だってたまに忘れる事だってあるんだよ? 人間だもの」


「「人間?」」


 なんで二人揃って疑問符浮かべるかな? かな?


「まぁすぐ思い出してこうして様子見に来たから問題ないんだよ、で、どんな感じ?」


「うむ。俺は卵を割らずに移動させることは出来た。このようにな」


 すっと持ち上げぐしゃ。


「……」


「……」


「このようにな」


 再び別の卵を持ち上げ今度はちゃんと別の容器へと移し替えるエレイン。

 うん、まぁ、及第点?


「んで、あの二人は?」


「先程まではもう嫌だとか叫んでいたのだが、いつの間にか無言でああして次々に卵を割る存在になってしまった」


 考える事、辞めちゃったんだなぁ。

 仕方ない、とりあえず正気に戻そう。

 背中を気合を入れてばんっと叩く。


「ぎゃうっ!? え? なんだ!?」


 アルケー、気配察知すら切ってるとか暗殺者の首魁としてどうなのさ?


「あ、ああ、そうか、オレは卵を割ってる最中だったか」


「いや、卵割りじゃなくて割らずに移動させる手加減取得訓練だからね?」


「ああ、そう、だったな。ふふ、見てくれロゼッタ。既に万に至る卵達の犠牲を経てもオレはまだ習得すらできないんだ」


「そうは言ってるけど手に持ってる卵は健在なんだよ?」


「……え?」


 ふと、今気付いたらしいアルケーは恐る恐る右手にあるモノを見る。

 生卵が一つ、手の中に収まっていた。

 恐る恐る。それを容器へと持って行く。

 手を放し、容器に転がる卵を見て、しばし。

 左手で口元押さえたアルケーが涙を流しだした。


「なんで、なんでオレは泣いているのだ。これでは乙女みたいじゃないか。う、うぅ、ようやく、ようやく出来た。出来たのか……ふぐぅ」


 な、泣いちゃった……

 と、とにかくアルケーはこれでよし。

 ウルスハの背中をバンッと叩いて正気に戻す。


「ほあっ!?」


「おーしウルスハ、右手をゆっくり移動させてそこの容器に持って行き、うん、そのまま下ろして掌を開いて、そう、良く出来た!」


「え? え? あ……」


 ウルスハも意識の外で成功。

 容器に転がった卵を見付けてしばし混乱。そして、自分が成功させた事に辿りつく。

 一回成功すれば手加減スキル覚えるんだよ。レベル差でのスキル習得だから覚えさえすればレベリングなんて早い早い。手加減スキル、全員習得、おめでとー。


「あ、やった。やりました、邪神様、私、私、手加減覚えました」


 よろめきながら感極まって涙を流し、キーリの元へ。


「あ、待って、やな予感する、待てウルスハっ、近寄ったら、近寄ったらあかんのよほぉぉぉっ!?」


 ぶちゃぐちゅぅっ


 卵を潰し過ぎて白身塗れのウルスハは感涙しながらキーリに抱きついた。

 あーあぁ折角お風呂入ったのに。卵塗れだよ二人とも。

 うん、テッカテカですね。闇夜じゃなくて日の光浴びてたら見るも無残なえろえろ状態だったかもしれないけど、私達は暗過ぎて見えないんだよ。私は見える気がするけど見えないんだよ。見る気も無いんだよ。


「では俺は先に失礼する」


「ええ。わざわざ二人ができるまで待っていてくださりありがとうございますわエレイン」


「まぁ、同時期にレベリングをした仲だ。出来るまで傍に居てやる位は問題無い。では、明日」


 エレインが去っていく。

 あ、どうでもいいけどあいつ下着って変えたんだろうか?

 シャワー浴びてたみたいだし着替えはしてるか。

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― 新着の感想 ―
[一言] エレイン、イケメン…汗臭くないけどイケメンだね…汗臭かったら花丸なのになぁ…
[一言] ロゼッタさん何気に卵料理好きですよね。オムレツとかプリンとか。 万に及ぶ割られた卵。も翌日のプリン行き?
2022/10/03 20:15 退会済み
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