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69話・ロゼッタ、お父さんは厳しいと思うんだよ

 食事の時間になった。

 食事と言っても昼ではない。そう、夕食です!

 昼食はお父様とお母様もよく分かっていないパニック状態だったようで、妹です。と邪神ちゃんを紹介しただけで済んだのだけど、冷静さを取り戻した二人は夕食時、やはり聞いて来た。


「さて、昼間はあまり聞けなかったがロゼッタ。今朝方は何をして来たんだい?」


「もぅ、お父様。影さんに私を探らせてるんでしょう。聞かずとも分かってるくせに」


 ぷぅっと頬を膨らませてみるが、お父様は動じない。

 真面目な顔でこちらを見ている。


「一応の動きは分かっているが、親としてロゼッタ自身から聞きたいんだよ。分かってほしいものだな」


「ロゼ、お願い。私にも聞かせてくれるかしら?」


 別に秘密にする気は無いからいいけどさぁ。

 それにお父様には筒抜けみたいだから、正直に全部話すとしよう。


「ええと、ですね。まずギルドにいって仕事を受けようと思ったのですが、ダンジョンの話が聞こえて来まして。せっかくなら覗いてみようと思いました」


「まぁ、ダンジョンなんて魔物が出るんでしょ? 危ないわよロゼ?」


 お母様、危ないも何もフィールドに出た時点で魔物は出てきますよ?

 その辺りきっと分かってないんだよ。だってお母様は外滅多にでないから。外出る時も馬車だし? 護衛が沢山いるから魔物が出ても馬車の中でのんびりしてるんだよ。


「それで、どうしたんだい?」


「あ、はい。ダンジョン近くで出来る依頼を受けてダンジョンに向かいました」


 お父様に促されて話を続ける。

 レベル200推奨のヤッベェ洞窟というのは言わなくてもいいかな? 筒抜けだから言わないと怒られそうだなぁ。仕方ない。そこも告げておくんだよ。


「えっと、その……推奨レベル200の邪神の洞窟という場所を覗きに行きました」


「え? れ、レベル200? 貴方、確か、昔見学に行った洞窟は推奨レベル1でしたわよね?」


「ああ、初心者用の洞窟だな。あちらはEランクに上がった冒険者が最初の試験で向かう場所だ。ロゼッタ、なぜそちらに向かわなかった?」


「え? えっと、冒険者が噂していたのが邪神の洞窟でしたので」


「そうか」


「ダメよロゼ、危険だわ。そんな場所に入ってはダメよ?」


「えー、と、その……覗いて来ました」


 あはは、と頭を掻きながら告げると、お母様が両手を口元に当て目を見開いて驚く。


「覗いただけではないだろう。正直に言いなさい」


 うぅ、お父様なんか視線が怖い。

 これ、絶対怒ってる!? 絶対問い詰められてるよね? 嘘言ったら監禁じゃー。みたいな顔してるよね?

 あとキーリはなんでこの状況で普通に食事できるのかな? かな?

 はぐはぐはぐ、主様人間食結構美味いんなぁ。じゃないよっ!?


「えーっと、その、折角なので中も見てみたくて、入っちゃいました」


「そんなっ!?」


 お母様が立ち上がって絶望したような驚きをしていた。

 

「んで、ダンジョン進んで最初の角でオルトロスに襲われました」


「あぁ……」


 って、お母様ッ!?

 ばたーんっと気絶するお母様。

 咄嗟にセバスがかけより、倒れるお母様を受け止める。

 い、今、なんか瞬間移動しなかった?


「すまんがセバス、パンナを自室に」


「かしこまりました」


 メイドさんを呼んでお母様が自室へと運ばれていった。

 いや、アレで気絶ってどんなだよ!?


「それで、続きを聞こう」


「あ、はい。えーっと、オルトロスに襲われたのですが、ボーエン先生に教わった防御魔法の御蔭で無傷で撃退できまして、私はトドメを刺すだけで済みました」


「ほぅ、ボーエンの防御魔法か」


 ごめんねボーエン先生。後で魔法教えるからなんとかごまかして。

 さすがにオリジナル魔法で作りましたって言えないからボーエン先生に習ったって言わなきゃつじつま合わせられないんだよ。

 事後相談なんだよ。だって私は悪役令嬢だから。小悪魔的なことだってしちゃうんだよ。


「それで、防御魔法があれば傷つかないってわかったので、奥に向かってみました。ボス部屋に辿りついて、一目だけ見て帰ろう、と思ったのですが、出会いがしらにブレスを吐かれまして、防御魔法がその全てを跳ね返してケルベロスを撃破できたので、さらに奥に向かいました。ただ、このまま歩いているだけだと大して移動できずに昼になると思ったので、道を縦にぶち抜いて、最下層まで一気に下りてみることにしました」


「一気に、最下層?」


「はい、邪神のいる最下層、に封印されてたのがここに居るキーリです」


 掌で隣の邪神ちゃんを御紹介。

 お父様は一瞬目を点にした後、ぼふぅっと食べてたモノを噴き出した。

 うわぁっ!? 汚いんだよ!? 席が離れててよかったよ。家族団欒的ちゃぶ台だったら確実に私の顔に掛かってたんだよっ!? 貴族の食事マジ感謝!


「は? 邪神?」


「テイムしました」


「は? テイム?」


「ボーエン先生に教えて貰ったんですが、先程テイムしたと告げたらテイムはちょっとエッチな魔法だと教えられてしまって。その、知らずに使ってしまったのでちょっと恥ずかしいです」


 と、顔を赤らめてみるのだが、お父様は既に心ここにあらずで私の渾身のぶりっ娘がスルーされてしまった。せつないんだよ……

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