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6話・ロゼッタ、買いモノをする1

 おはよう世界、私だ。なんちって。

 ネット世界では結構使われてるんだよ。私はいくつか見た。そして、どこで使われてた言葉かは知らない。

 後輩たちがソシャゲやってるって聞いたから、やり始めたやつで見かけたんだけどさ、私、ギルドとかはコミュニケーションの関係でできなくてね。垢BANくらってからは極力避けるようにしてたの。


 御蔭で掲示板は眺めるだけの存在よ。

 ふふ、一緒に混ざろうと思うけど手を出せない。出したが最後、垢BANエンド。

 何が悪かったのかすら分かんないから繰り返しちゃう。

 だからあえてギルドにも入らない。ふふ、あはは……


 おかしい、さわやかな朝にメイドさんに揺り起こされて綺麗な声でお嬢様、朝ですよ。と起こされたのに。

 なんだか悲しくなってきたよ。

 掲示板の話は禁句だよっ。あんなコミュ障に危険な場所には私みたいな40台のおばさまは行っちゃダメなのさ。


 ふーんだ。畜生。あの荒し野郎絶対許さん。

 私の事晒そうとしやがったからいろんな媒体で逆にバラしてやったらこっちが悪者にされんだもん。ふざけんなっ。

 ちょっと調子に乗って学校とか親とかいろんな場所に、こいつこんな悪行やってますよってバラしただけなのに。


 まぁ、こっちは事前に学習したハッキングテクを駆使して自分のIPバレないようにしといたから直接的ダメージは皆無だけども。

 うん、やっぱりやり過ぎてるんだろうなぁ。この世界ではやり過ぎに注意しないと。

 現実世界で垢BANは嫌なのです。

  

 さぁって、とりあえず朝だ朝。

 うーん、と背伸びしてからベッドから這い出る。

 え? 自分で着替えちゃダメなの? メイドに着せかえさせて貰うの?

 着替えを始めようとしたらメイドさんが慌てて止めてきた。

 そう言えばそうだったなぁ。ロゼッタはむしろ早く着替えさせろとメイドをコキ使ってたんだった。


 すっごく恥ずかしいんだけど。でも記憶じゃ普通のことなのよね、これ?

 ま、まぁコルセットだっけ、これは確かに自分じゃ締められないけども。

 でもリオネッタ、これから朝風呂行くんだけどコルセット締める意味あった? 二度手間だよね? だよね? よね?


 というか、コルセット面倒だからいらないわ。リオネッタこれから先はコルセット無しで行くわよ。

 え? コルセットは必須です? そんなもん腹のたるんだ令嬢にとってはそうでしょうけど私はこれからシェイプアップするからいいの。むしろ腹筋割れて筋肉で入らなくなる心配すらあるんだから!


 今は身体が大きくないからそれ程でもないけど、これで締め付けられる生活は嫌よ。本気だから。そう、これからは使わないの。クローゼットに放り込んでおきなさい!

 大丈夫よそんなに心配しなくても、私、痩せているもの。

 ってちょっと、なんでそんな敵を見る眼で睨むのっ!? 


 よし、動きやすい服かドレスをまずは買おう。じゃないとさすがに走るのもきつそうだ。

 今日はまず準備運動。ストレッチは基本なのだよ。

 足を前後に開いて、かかとを伸ばす運動から。

 後ろの足に重心掛けて、ぎゅっぎゅっと踏み込む。

 次は足を入れ替え同じくぎゅっぎゅ。


 大きく背伸びして深呼吸。

 からのラジオ体操。

 リオネッタからの何やってんですかっていうジト目が刺さる。

 でも慣れる。慣れるんだよジト目に。これからこの世界では変わり者な感じにいろいろするんだから。今のうちにジト目に慣れるんだ。

 でも快感に変わったら危ないからその兆候が出てきたら止めよう。


「よし、朝の運動終了!」


「あ、運動だったんですか?」


「運動だったんですかって、何だと思ったの!?」


「それは……」


 リオネッタは、なぜか顔を逸らして、げふんげふんと言葉を濁した。

 主人である私に告げてはいけないことを考えていたらしい。お父様が相手なら即刻クビだぞ?

 前の私だったとしたら酷い反撃があったと思う。今の私であることに感謝してよね。


 さて、次はランニング、なのだけど、流石にハイヒールで駆けまわる訳にも行かない。普通の靴ないからね。

 今日買いに行こう。

 お金はお父様が出してくれるのだ。私はリオネッタと連れだって欲しい物を適当に買うだけでいい。


 リオネッタに請求書を書いて貰って、お父様へ進言する。

 そしてお父様が金を払う。

 子供って楽でいいわね。カード払いみたいな感じだけど、やりすぎると破産直行だから気を付けよう。

 さすがにお父様がもうやめてくれって泣き叫ぶ結果にはならないように、自重自重。


「リオネッタ。朝食を食べたら外に出るわ。買いモノよ」


「かしこまりました。いつもの店で良いですか?」


「いいえ、菓子店や洋服店じゃないの、洋服店だけどいつもの場所とは違うのよ。あと徒歩で行きます」


「徒歩は危のうございます。馬車を手配します」 


 いや、ここは歩きでしょ? 健康にもいいし。

 場所の把握もしときたいし。

 その内、一人で歩いて行けるようにね。


 でもさすがに侯爵令嬢様を徒歩で歩かせる訳にはいかないらしい。

 ここだけは、どれ程わがままぶっても首を縦に振ってくれず、リオネッタ権限により馬車が採択され、護衛兵まで付くことになった。

 おかしい、リオネッタの主人私なのに私の主張が殺されてるよ? 私に発言権は無いらしい。おかしいよね、侯爵令嬢オツ。

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