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63話・ロゼッタ、ダンジョンに行くんだよ

 結局、昨日はリオネル様はさっさと帰っていってしまった。

 何が言いたかったんだろう? 別に私が嫌いって訳じゃないみたいだけど、明らかに何かおかしかった気がする。

 ボーエン先生と相談してみたけど、君の秘密を何か知らされたんじゃないか? ってリオネッタが怪しいとか言い出した。


 リオネッタ経由で私の秘密がリオネル様に?

 さすがにないっしょ。リオネル様は王子だよ? メイド風情っていったら悪いけど、リオネッタが自分から語りかけるなんてさすがに不敬なんだよ。

 もしもそんなことしてたとしたらリオネル様からお小言貰ってるはずなんだよ。

 だって主人である私の秘密か悪口を婚約者に漏らすんでしょ? さすがにクチ軽なリオネッタでもそれはやらないよ。


 ま、そういうわけで結局中級魔法云々はリオネル様考察で時間潰されたので今日に回された。

 鬱憤溜まったから今日もギルドに来たんだよ。

 今日はちょっと暴れたい気分。

 荒ぶる悪役令嬢さんが超高レベルでバッタバッタなぎ倒しちゃうんだよ。


「と、いう訳で、どっかいいとこなーい?」


 ギルドにやってきた私は素材買い取りのところにいたおっちゃんに絡んでいた。

 なんか暇そうにしてたから話でも聞こうとしたんだよ。


「それ、俺に聞く話じゃねーと思うんだが。受付嬢に聞けよ」


「だって皆忙しそうだし?」


「まず俺に謝れや。俺も仕事で忙しいんだっつの」


「えー、人いないじゃん」


「お前さんがいるから近寄って来てねぇんだよ!」


 イラッとした顔で告げるおっちゃん。

 ひどいっ、私のせいじゃないやい。

 でも、ちょっと離れて見せると途端におっちゃんのカウンターも人が溢れだした。

 くぅ、大盛況なんだよ羨ましいっ。


「なんでー嬢ちゃん。レベル上げかー? だったらダンジョン向かったらいいぞー」


「おいおい、ここのダンジョンなんざ行ける場所一つっきゃねーだろ。初心者ダンジョンでも嬢ちゃんじゃ無理だって」


「そりゃそうか。邪神の洞窟なんて夢のまた夢だなぁ、ぎゃははははは」


 イラッ……邪神の洞窟ねぇ。


「受付嬢のおねーさん。邪神の洞窟ってなーに?」


 丁度依頼書の張り替えのためカウンターから出て来た受付嬢に聞いてみる。


「え? ああ、南東にある推奨レベル200の洞窟ですよ? 今向えているのは100レベル越えの高ランク冒険者パーティーだけですね。基本Aランクパーティーです。それ以下の方には推奨出来ませんよ」


 へー。推奨レベル200、ねぇ。

 私のレベルは? 400越え。というかほぼ500。

 あれ? もしかして楽勝?

 レベル2倍以上あるんだけども?


 そうだよね。危ないかもしれないからちょっと、そう、ちょっとだけ覗いてみよう。

 もしかしたら闘えるかもしれないけど命がけになるかもだし。

 最初のちょろっと体験したら戻ってこよっと。


 とりあえず安全を考えて防御魔法張っとこうかな。

 えーっと物理防御結界、一枚じゃ割られそうな気がするから何層かに分けておこう。とりあえず10層くらい?

 魔法防御結界も同じだけ、あと状態異常も……折角だし防ぐより全部反射にしちゃおっと。


 それから即死はタリスマン装備中だから問題ないとして、トラップ系が怖いよね。

 鑑定魔法でも初見はどうにもならないんだよ。

 罠サーチ魔法とか作っちゃう?


 とりあえず今日は洞窟の外観見たいって受付嬢にお願いして近場で取れるらしい麻痺草とぱりぱり草の採取依頼を受けておいた。

 ぱりぱり草はパリってしてるらしい。触れるとびくっとしちゃうんだそうだ。

 多分だけど静電気持ってるんだろうね。


 邪神の祠にやってくると、周囲の草を調べて麻痺草とぱりぱり草を採取しておく。

 帰り際に採取するより今のうちにやっちゃうんだよ。

 なにしろ魔法で開発したアイテムボックスさんが大仕事をしてくれたんだよ。これはもう使わなきゃ損だよね。


 にしても、凄い便利だねアイテムボックス。

 取り出しを行うと手元に出て来るのがちょっと面倒だけど、内部に入れてる間は鮮度が保たれるんだよ。

 時間が止まってるか、氷室とか冷蔵庫みたいになってるかは中が分からないから私には分からないんだよ。


 魔法創造するのはいいけどゲームしてたせいでアイテムボックスってそういうもんだろ? っていう謎設定が無意識に決まっちゃってたせいで内部構造謎のまま魔法として成立しちゃったんだよ。

 でも便利だから使っちゃうの。だって私、悪役令嬢ですもの。いちいち構造など理解しようと思いませんわ。そんな律儀な事しない、悪い子だもの。

 面倒臭いとは言いませんわ。おーほほほほほっ。


 薬草摘みを終えた私はそろーっと洞窟へと向かう。

 ほほぅ、これが邪神の祠ダンジョンなのね?

 どれどれ? ゆっくり入ってみるんだよ?


 中が暗いのでライトの魔法。

 おお、ダンジョン凄い。

 普通に歩ける広さがあるし、さっきの洞窟の外観からして絶対にあり得ない広さの洞窟になっている。

 ダンジョンも物理法則無視した作りになってるようだ。


 罠に注意しながらゆっくりと入口付近を歩く。

 接敵してもすぐに逃げられるようにしてるんだよ。

 魔物一匹見た後に闘うか逃げるか決めるつもりですわ。

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