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5話・ロゼッタ、現状を把握する5

 リオネルは最初から最後まで出てなかったよね?

 マルチーナが死んだのは何時頃か知らないけど、本編前には既にロゼッタが第一王子の婚約者になってたよね。

 ってことは逆算すれば私が8歳から16歳の8年間の間にマルチーナが殺されて私が婚約者になる。

 私が婚約者に抜擢されるってことは、今私の婚約者であるリオネルと私の間に婚約がないことになるから、婚約破棄されていない限り……リオネルが死んでることになる。


 順当に行けばリオネル死亡、私一人身、マルチーナ暗殺、私第一王子の婚約者、本編始まる。私バッドエンド。これが物語の本筋ってところだろう。

 多分、私がここで怪我したことで父様がリオネルを疎ましく思い殺した、とかだろうか?

 さすがにソレは無いか。私がリオネル殺しに関係があったなら断罪の時に言われてるだろうし。


 となると、いつかは分からないけどリオネルが死ぬ可能性がある。それを救えばバッドエンド回避になるんじゃ?

 よし、私はそのグッドエンドを目指そう。

 リオネル可愛いし、絶対美少年から美青年になるよね。しかも玉の輿。絶対に、逃しちゃいけない婚約者だッ。

 そうなるとリオネルが何で死ぬかにもよるのよね。あ、でもただ疎遠にされただけかも、でもそうなると私と同い年と思われるリオネルが学園に居ないのはおかしいよね? やっぱり死んだと思った方がいいのかも。


 いや、でも現実世界だからゲームとは違うって可能性もある訳で……

 うがぁっ、何が何だか分からなくなってきた。

 ああもう、いいや。とりあえず、ここはゲームの設定がある世界。放っといたらリオネルが死んでしまう。と思って行動しよう。

 そうよ、何があっても助けられるように、私が助けられるだけの力を身に付けないとだわ。


 それに、治癒術師が頭の傷を治したって言ってたわけだし、この世界、魔法、使えるのよね。

 これは楽しみ。ゲーム知識が豊富なのだもの、いろんな魔法試したいわ。メ○ゾーマにバル○ラーにブ○ダインにケア○ガ。ああ、楽しみだわ。

 この世界の法則によっては魔法具だって売ってるかも、できるならば、ぜひとも黄金王の蔵は再現したいわよね。それに一撃必殺の勝利を約束されたアレ。

 それに魔物よ、走るのが好きな黄色い鳥さんとかいるかしら? 馬車を引くのが好きな鳥はいるかしら? 魔法オコジョでもいいわ。突起付きスライムもありよね。

 ああ、夢が広がりんぐっ。うへ、うへへ。


「お、お嬢様……さすがにその顔はダメかと」


「ふはっ!?」


 あ、危ない危ない、今のは乙女がしちゃいけない顔だったわ。

 リオネッタ忘れて頂戴ね。

 さ、さぁてとりあえず、現状はそんな感じっと。


 次は学園時代で起こることね。

 フローチャート作って、と第一王子と、宰相の息子と、あと誰だっけ? 確か委員長がいたよね。

 それから生徒会長? 友人ポジの子もいたわよね。誰が一番好感度高そうか教えてくれるキャラ。


 あと、クラスメイトに一人、隠しキャラ誰だっけ? ああ、先生も居たわよね。

 確か12人位居たと思うんだけど。後誰だったかしら?

 ちなみに友人ポジは攻略対象外なんだよ。一番ヒロインちゃんに近いのにね、ヒロインちゃんはモブには興味ないんだよ? どれだけ近くに居ても攻略して貰えないんだよ。虎な道場の二人だって攻略して貰えないんだよっ(血涙)。


 とりあえずフローチャート覚えてるのから書いてこう。その内、思い出してくるでしょ。

 あとはー、あ、そうそう、ロゼッタがやることも書いとかないと。

 確か第一王子と宰相の息子の場合だけロゼッタだったわよね。あ、あと逆ハーレムエンドか。

 正直、逆ハーは憧れるけど実際にやるとちょっと引く。

 だって全員の子供産まなきゃいけないんでしょ? いろんな意味で死ぬわ。早死にエンドだわ。腹上死だわ。うらやま……げふんげふん。


 ヒロインちゃんがそんなの狙う馬鹿じゃないことを祈っとこう。

 たぶん選んだら最後、男同士のヤンデレ殺戮大戦争だ。にゃんこさんもびっくりだ。

 学園裁判が始まってしまう。犯人はヤスだ。……ヤスって誰だ?


 それから、委員長選んだ場合は確か副委員長の令嬢が、生徒会だと書記係だったかしら?

 クラスメイトはヤンデーラな伯爵令嬢がどっかから出て来た筈だし、先生の場合は確か別の先生にヒロインちゃんが襲われかけるんじゃなかったっけ? アブラギッシュメタ男さんが。

 イベント間違えたらバッドエンドになりかねないよねアレ。現実になったら、ちょっと危険かもだから犯人の先生はマークしとかないと。

 デブだったから直ぐ分かるはずだけど、どうかしら?


 少しずつ思い出しながら羊皮紙を埋めて行く。

 んー、結構前のゲームだったから流石に覚えてないところが多いなぁ。

 でもある程度は出来たかな?

 何人か分かんないのいるけど顔見たら思い出すでしょ。ハーレムエンドでもなければ関わらない訳だし、ヒロインちゃんがそっち行くようなら放置しとこう。


 んでも、結局この世界で必要になるのは令嬢としての礼儀よりは実力よね。

 ヒロインちゃんがどれ選んだとしても隣国からの敵が迫って来るのは確かだし。

 可能であれば騎士団の実力底上げしないと。簡単にやられる騎士団とかダメダメでしょ。


 よし、そうと決まれば、まずは自分を鍛えましょう。

 力を付けるには、まずは走り込みからね。

 それから魔法があるなら使えるようになりたいわ。


 前世みたいに売れ残りになってたまるもんですか。

 必ず幸せを手に入れてヒロインちゃんと第一王子との恋愛の邪魔にならないように暮さなきゃ。

 そう、例え国外追放になったとしても一人で生きていけるように、実力を付けるべきね! レッツスローライフ彼氏付き!


 腹筋、腕立て、ダンスもして身軽に動けるようにして、そうだわ、もしかしたら第三王子に会うために城に侵入したりすることもあるかもしれないからロッククライミングくらい出来るようにならなくちゃ。

 剣術とかもしておきたいわね。まぁその辺りは身体が出来てからでいいわ。

 では早速今日から走り込み、あ、もう夜だから明日からの方が良いわね。

 動きやすい服が欲しいわ。家にあるのはドレスみたいなのばっかりだし。


 後は何かしらね。

 そうだわ武器が欲しいわね。やっぱり前世で剣道とか殺陣してたから刀が欲しいわね。

 ちなみに殺陣はOLの後輩たちが体験して楽しかったって話してたから始めたのよね。刀造りから。形から入るタイプだから、私。

 結局師範から免許皆伝貰って辞めたけど。


 よし、大体こんな感じかしら?

 今日は眠って、明日は頑張ろう。

 それで……っと、なんか結構眠くなってきたな。お風呂は、やっぱり明日でいいや。

 今日やるべきことはやり終えたし、そろそろ寝とくかな。

 っていうか、リオネッタはいつまでそこで立ってるの? というか今までずっと立ってたの?

 あ、そっか。私はこの屋敷の主人の娘っていう立場だから私が暇を告げるまでは立ってないといけないんだった。


「リオネッタ」


「はい、お嬢様」


「そろそろ寝るわ」


「かしこまりました。風呂は入らないのですか?」


「明日入るわ。明日はいつもより早く起こしてくれる? 一時間……いえ、鐘一つ分早く」


 一時間と言ったら怪訝そうに小首を傾げたので言い直す。

 この世界は現代世界と一緒で時間が時間として認識されてる訳じゃないんだったよ。

 一時間と言われても多分分かんないのだろう。だって時計がないし、一日が二十四時間だということすら知らないから。


 ちなみに鐘が打たれるのは大体午前4時から二時間おきくらいで、午後6時が最後だ。それ以降は街の門が閉じられて門番さんと見回りの兵士以外は家に閉じこもる。

 ああ、所用がある人は夜でも活発だよ。夜市とか娼婦とかそこに向かう貴族とか。そして、そんな貴族を狙う暗殺者とか。


 私としてもこの世界が二十四時間で回ってるかどうかも分からないからさすがに調べようがない。

 と、言う訳で、時間についても調べて行かないと。どうやればいいんだろうか? 流石に時計を作るのは無理だと思うし……

 ま、その辺りは今必要じゃないし、その内考えましょう。んじゃ、おやすみぃ。

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― 新着の感想 ―
なんとなく、前世でみんなと合わなかった理由がわかった。 話題に合わせるだけのために刀造り免許皆伝までやらんわ! この人、加減が下手くそすぎる…w タイトル通りか
[一言] こんばんは。 バル○ラーはひょっとしてバルハ○ーですかね?もしそうなら彼女とは仲良くなれそうです(笑)
[一言]  なんとなく、最初から読み直ししています。 >よし、そうと決まればまずは自分を鍛えましょう。  この時点で、ロゼッタが後に"人外"を超えた"地上最強の何か"になるなんて、誰が想像できるか…
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