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57話・ロゼッタ、帰る時こそミッションなんだよ、段ボールほしいな

 ギルドで換金を終えた私は、昼を少し過ぎた位に家に辿りつく。

 本来なら昼食前に戻る予定だったんだよ。

 まさかの愚痴聞き大会のせいで遅くなり過ぎたんだよ。

 セバスには昼前に戻るって言ってたけど想定外だったんだな。心配かけちゃった、ごめんね。


 さて、もう遅いかもだけど家に帰るのは高難易度ミッションなんだよ。

 だって、既に私が居ないことに気付いたメイドたちがざわめいてるはずなんだよ。お昼過ぎちゃったからね、両親にもバレちゃってると思うんだよ。

 そんな中、家に帰らなければならない。

 当然ながら真正面から帰ると絶対に怒られる。


 隠蔽スキルとかあればいいけどスキルってどうやって入手できるのかな?

 スキル自体見たことないんだよ。

 家の壁に飛び上がり、腕力使ってなんとか登る。

 庭に出る壁なので、ここから真っ直ぐ帰れば私の部屋に辿りつけるはず、そーっと顔を出して中庭の様子を見れば、セバスと眼が合った。


 心配そうにそわそわしていたセバスは、私に気付くと、眼に見えてほっと胸を撫で下ろす。

 そしてクワっとまなじり挙げて、お説教モードに入ってしまった。

 これ、もう逃げれないんだよ。


 ミッション初っ端でミスったんだよ。

 ここはやっぱり段ボールでの潜入が大正解だったんだ。

 でもこの世界には段ボールが見当たらないんだよ。


 諦めて壁をよじ登って庭に着地。

 あー、そのー、ちょっと遅れちゃったんだよ?

 だから、その、ごめんなさいっ。


「全く、お嬢様が居ないことを隠すのも大変だったのですよ。とくに昼食は昨日までご両親と一緒に取っていましたからね、本日だけ一緒じゃないということにお二方とも慌てふためいていらっしゃいました」


「うわー。やっぱり」


「今回は初めてだということも鑑み、これで許しますが、次遅れるようであれば……おわかりですな?」


「だって仕方ないんだよ。ギルドで受付嬢がカード渡し忘れたんだよ。採取仕事終えたらカード渡されることになってそのまま受付嬢たちの愚痴聞き大会が始まったんだよ。なんで私が愚痴聞かなきゃいけないのかな?」


「そんな事は知りません。早くご無事なお顔を御両親に見せてあげてください」


「はい。あ、これ、セバスにお土産なんだよ」


 と、私はセバスのご機嫌取りにドロップアイテムでなんとかしようと試みる。


「これは……魔石?」


 血を拭きとったら透明で綺麗な石になったんだよ。

 気のせいかな? 私が密かに作ってる魔力から出来た石がとってもよく似てるんだよ?


「たまたま手に入ったんだよゴブリンの魔石だって。貰ったんだよ」


 実際には倒した奴の一つなんだけど、子供たちが採取して私が貰った訳だから嘘は付いてないんだよ?


 太陽に翳すセバス。

 とても綺麗に輝く魔石を見てほぅっと息を吐く。


「純粋な魔石の塊は初めて見ましたな、価値はあまりなさそうですが……」


「それをいっちゃぁお終いなんだよ。ゴブリンは低級冒険者でも倒せる魔物だから価値はあんましないんだよ。でも子供たちの日銭にはとっても重宝するんだよ」


「そうですか。お嬢様から市井の仕事がしてみたいと言われた時には驚きましたが、成る程冒険者という仕事もいろいろとためになりそうですな。後で聞かせてくれますかな?」


「当然。孤児院の子たちと仲良くなったんだよ。皆採取の仕方教えてくれたりしたんだよ」


「それはそれは……っと、さぁさお嬢様、ご主人様たちがお待ちですよ」


 あ、そうだった。

 お礼を言って暇を告げて、私は食堂へと向かう。

 既に食事を終えたお父様とお母様だが、私が帰ってきたと聞いたらしく、そのまま待っていてくれたようだ。


 何時の間に連絡が行ったの?

 セバスと話してる間も誰も近くには居なかったはずなんだよ?

 まさか、影なのか!? 忍びみたいな存在が私をずっと見ていたり?


「詳細は聞いているよロゼッタ」


「へ?」


「さすがに昼食に居ないというのはマズいでしょう」


「セバスの様子がおかしいから部下に探らせたんだが、外に出ていたみたいだねロゼッタ」


 あ、あれぇ? セバスが隠してくれていたのにお父様とお母様に筒抜けな気がするんだよ?

 おかしいな? 私の行動バレバレ?


「さて、食事を摂りなさいロゼッタ。ぜひ、食事をしながら話してくれるかい? 外で何をしていたのかな?」


「外なんて物騒だわ。先日も突然山が消えたというじゃない。危ないからもう外には出ちゃだめよロゼッタ」


 ヤバい、このままだと外出禁止になりかねないんだよ。

 これは隠すと逆にダメだ。外に出る有用性をきっちりきっかり説かないとダメな気がするよ。

 私のためだって分かればきっと許可される筈。頑張れロゼッタ。お父様攻略作戦なんだよ!


「お父様、お母様、まずは、その、遅れてしまい申し訳ございません」


「謝る必要はないさ。悪いことをしていなければ、ね」


 あかーん、お父様の雰囲気に冷気が漂っている!?

 これ、下手な言い訳すると外出禁止だけで済まないかもしんないぞ!?

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