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52話・ロゼッタ、初クエスト

「すいません、ギルド登録をしたいのですが」


「はーい、ちょっとお待ちくださいねー」


 やる気なさそうな声を出しながらカウンター下に設置されている机を漁りだす受付嬢。

 随分と薄汚れて見えるのは風呂に入ってないからだろう。

 きっと臭いも凄いんだろうなぁ。他の皆さんは自分達も臭いから気にならないのさ。皆でニンニク料理食べた時みたいなもんだよ。皆臭いから臭いがわからないんだよ。

 むしろ香水の臭いでぷんぷん臭ってるんだよ。臭い匂いは別の臭いで相殺しちゃうのさ。

 私は魔法で臭いシャットアウト状態だから問題はないけども。


 使ってる魔法も周囲から常時ちょっとずつ強制徴収している魔力を使っているので切れることはないし、何時でも自由にどれだけでも使える常時魔法って便利すぎだよね。

 しっかりと毎日この魔法常時展開しちゃおっと。

 これで汚れることも無いし、臭いに悩まされることもない。

 異臭で危険を察知することもあるから臭いが分からないのは危険でもあるけれど、危機察知用の魔法も組み上げておいたから問題ないよね?


「あった、ではこちらの用紙に書けるとこだけ書いちゃってぇ」


 羊皮紙を取り出した受付嬢。

 書く物は? ああ、この羽ペンね。

 えーっと名前と出身地?

 ロゼッタ・ベルングシュタット、と。

 あれ? これ本名書いちゃって大丈夫なのかな?


 下手に貴族とバレないように偽名の方が良かったかな。

 本拠地は詳しく住所書く必要も……しまった、自分家の住所とか知らないよ。私の家ってどこにあるの!?

 と、とりあえずライオネル王国首都って書けばいいよね?


 次は……年齢、8歳っと。

 スキル? あの、お姉さん、このスキルって?


「あー、それは今まで職業についてたりするとその業種のやり方とか覚えてるでしょ? 鍛冶とかメイド業とか」


 あー、成る程。自分がどんな能力持ってるかってことね。

 私の場合侯爵令嬢だからスキルなんて無いんだよ。

 OL時代なら……事務処理?

 とりあえず書いとこう。


 魔法欄は? ああ、扱える属性とか得意な属性? 無し、でいいのかな?

 いや、ソレだと魔法使えないってことになるよね。

 全部? それは盛ってるとかイキってるって思われるし、無難に複数属性、ってことで。


 次は、パーティー立ち位置?

 へー、パーティーを組む場合に何処に配属されたいかを書いとくのね。アタッカーとかタンクとか斥候とか後衛職とか前衛職とかでもいいんだ。

 私の場合はなんだ? 中衛? 剣も使えるし魔法も使えるからどっちの職業もできるんだよ。


 むしろオールラウンダー? 希望が無いから白紙提出にしたんだよ。

 えーっと他は、苦手な魔物とかも書けるんだ。

 弱点が暴露されることになるけど、どうしても嫌いなモノってあるから仕方ないよね。


 用紙を書き終えると、受付嬢がその紙を別の職員さんに手渡し、カウンターに戻ってくると冒険の心得を告げ始めた。

 ギルド証ができるまで話を行うのが決まりらしい。面倒よね、と同意促されても困るんだよ。


 簡単に心得をまとめると、ギルドに所属することで冒険者になれるのだけど、冒険者には冒険者としての義務が発生する。

 それが定期的な仕事の受付だ。

 ランク別にどれだけ貢献したか一週間単位でまとめられるそうだ。

 Fランクは一週七回依頼を受ける義務があり、これを忘れたり不慮の事故などで受けられなくなると、ギルド証は剥奪される。


 その場合一週間程登録ができなくなるが、再度初回登録から始めることで冒険者にもどれるそうだ。

 それまでの貢献度は0になるらしいけど。

 んで、冒険者ランクはF、E、D、C、B、A、Sの七段階あるそうだ。


 初めのFランクは採取一択。

 これは子供でも普通登録して小銭稼ぎができる、というか浮浪者救済のためのランクらしい。

 それでも、何も出来ない浮浪者とか身寄りの無いギルドの存在すら知らない子供とか居るらしいけど。


 Dから討伐依頼も受けられるようになるそうで、Cランクからは護衛依頼を受けられるようになる。

 Bランクからは賞金首討伐を、Aランクからは貴族の護衛依頼を。

 Sランクになると何年に一回とかの必ず受けなきゃいけないノルマが無くなるらしい。

 といってもSランク冒険者なんて数えるほどしかいないらしいけどね。


 雲の上の存在なので私には関係ないし、今は薬草採取だけを行うことにしよう。

 今日のノルマは……あ、まとめて出来そうな依頼があるじゃない。

 薬草の採取と快癒草の採取、パラライマッシュの採取、近くの森でできるんだよね。じゃあこの三つで。


 え? 初心者にはお勧めしない?

 なんでよ、採取でしょ? 快癒草は猛毒の草と形が似てる?

 えーでも一枚だけっしょ。楽勝楽勝。


 受付嬢の否定を押し切って三つ全部受ける。

 なかなかここに来れるか分かんないから一週間に一個づつとはいわず、受けれる時に徹底的に受けるしかない。

 今回は出来るのが三つだけだったので全部受けることにしたんだけど……

 なんか今更ながら不安になって来たぞ?

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