表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/1856

51話・ロゼッタ、初めての外出

 魔法詠唱は習った感じ、数学と一緒だった。

 要するに公式として決まった単語があり、ソレを組みあわせて任意の魔法を使えるようにするのである。


 祖は炎帝に属すクライェーレ下位なる精霊ペルカガーラ我願うは球華エル・クレス我が敵を穿つブライレス一撃を望むシュペラフラーラッ、ファイヤーボール!

 これがファイヤーボールを打ちだす詠唱。

 その最初のクライェーレを変えることで別の属性弾に変えることが出来る。


 祖は風帝に属すクライェーリなら風属性。祖は水帝に属すクライェーラなら水属性。祖は地帝に属すクライェールで地属性なんだとか。んじゃぁロの場合は? というと、祖は癒帝に属すクライェーロで回復魔法になるそうだ。

 で、後は祖は光帝に属すクライェーヤで光属性、祖は闇帝に属すクライェーヨで闇属性。祖は無帝に属すクライェーユは無属性。


 他の属性については多分解明されてない。

 だから、そう当たりしてみたら他の属性魔法が見つかるかもだけど、まず見付からないんだろうなぁ。

 先人が調べてるっていうし。

 無詠唱で創造した方が速いしね。


 んで、詠唱については最初の一文が属性を決定する文で、下位なる精霊ペルカガーラが範囲を決定する文らしい。先生の言葉を聞いただけだから実証も何もしてないけど。

 我願うは球華エル・クレスの文で形状を変化、形状というか、威力?

 我が敵を穿つブライレスはよく分かっていないそうだ。たまに変わるらしいけど、基本はこの一文が主文となっているので殆どの詠唱で変わらないらしい。


 一撃を望むシュペラフラーラは今解明が進められているところらしく、確証は無いけど魔法の個数を現すのではないか、と言われてる。

 一撃を望む。ということなので炎弾が一発だけ発射されるってことなんだと思う。

 まぁ、詠唱とか殆ど使わないだろうからどうでもいい話だけどね。


 それはそれとして、だ。

 ようやく魔法を覚えた。ほぼ基礎だけど魔法の使い方や消し方、危険状態の悟り方などは座学で教わってるので問題無し、創造しちゃえば魔法は普通に使えちゃうんだよ。

 次に何をするかと言えば。それはもう確定だろう。

 そう、ついに外に出ようと思うのです。


 まずは冒険者ギルドに登録して、簡単な薬草採取辺りの依頼を受けようと思うの。

 自分で稼げる術を手に入れておかないとね。最悪断罪エンドが強制襲来しちゃった場合の備えは必要なのよ。

 それで慣れてくれば魔物を倒す、とか。

 んー、でも命のやりとりとか、生前したこと無かった訳だし、できるかしら?


 まぁ、今ここで考えても意味は無いわよね。

 とにかく、今日は昼までの時間でギルドで冒険者登録して、一度外に出れたらって思うの。

 早速朝起きて速攻で冒険者服に着替え、昨日セバスに持って来て貰ったお金を持って脇差装備。

 魔法で臭いをシャットアウトして病気も受け付けないように自分の吸う空気にフィルター付けるように創造魔法で使ってぇ、寄生虫も怖いよね。全身に微弱電流を流して寄り付いて来ても焼け焦げるようにしておこう。


 準備万端、リオネッタが起こしに来る前に脱走!

 庭に飛び出すと丁度庭師のおっちゃんが庭掃除してる最中だった。

 朝からがんばってるねー。だちょなさん、秘密にしてねっ。そいやっ!


 壁に三角蹴りで飛び付き腕力だけで身体を持ち上げ、ベリーロールな恰好で壁越え。

 そのまま着地と同時に走りだす。

 ふははははは、ついに、ついに私の時代が来た!


 冒険だよ。冒険に出るんだよ。

 OL時代ずっとデスクワークで鈍りきったせいで運動すら億劫になってた昔とは違うのだよ。

 元気に野原を走りまわるんだ。行くぜえロゼッタァ!! やるぜぇ。私はやるぜぇ! なんだよ。


 冒険者ギルドにやってきました。

 一応自分の服装をチェック。

 冒険者用の衣装を着て来たけど、髪の色がつややかだよね。皆はくすんだ色してるし風呂には入ってないのかな?

 多分入れないんだろうなぁ。


 平民の家にはお風呂ないのかね?

 公衆浴場くらいあってもいいんだよ? ローマのお風呂を参考にとか……うん、なさそうだ。

 その内リオネル様に提案してみよう。民衆にもお風呂を宣教するんだよ。


 冒険者ギルドは相変わらず馬糞が凄い。

 これ、なんとかならないんだろうか?

 んー。商人が金出して雇ってるのとは違って冒険者の中でも最下級クラスが日銭稼ぎに受けてるだけだろうからやる気もないだろうし、無理そうだなぁ。


 ドアを開く、すると、カラランっと鈴の音が鳴った。

 どうやら客が来たり帰る時に音が鳴るようにしているようだ。

 喧騒に包まれたギルド内が一瞬で静まる。


 うん、皆入るたびに相手を確認するんだよ。注目浴びて恥ずかしいけど危険人物は入って来ないだろうからこれはこれで防衛手段としては最適なんだよ。

 だって用心棒が大量にいるんだもんね。


 荒くれどもの視線が集中してくるなか、必死に意識しないようにして受付カウンターを目指す。

 んー、なんか役場を思い出すなぁ。いや、役場というよりは、銀行の窓口?

 受付嬢が数人居て、目的の場所が手書の板に描かれている。


 一応縦看板がカウンター前に置かれているので素材買い取りカウンターと依頼達成報告カウンターが長蛇の列になってるのが丸分かり。

 依頼受付カウンターの方はまばらだけどそれなりに冒険者が居る。

 んで、私が向かうべきは……新規受け付けカウンターだね。すっごい暇そうにしてる受付嬢がお相手のようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ