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4話・ロゼッタ、現状を把握する4

 いやー参った。

 まさかあそこまで熱烈に愛されていたとは。

 正直、自分の両親。あ、前世のね。


 両親は放任主義だったので、お父様とお母様に顔見せた瞬間抱きしめられた時には何が起こったのか分からなくて呆然としてしまった。

 親馬鹿である。今世の両親はあまりにも親馬鹿過ぎるご両親であった。

 しかもお父様なんてもう二度と第三王子には会わさないから安心するんだぞ。とか言ってくる。


 もしかしたら、このことで第三王子と疎遠になって、第一王子の婚約者が死んだから第一王子の新たな婚約者になったんじゃなかろうかと思ってしまった程だ。

 なのでとりあえず、自分が王子を誘ったのでリオネルは悪くないと伝えておく。

 それでもお父様は憤慨していたが、私としてはイケメンショタなリオネルとの婚約はこのまま進めてほしいくらいだったのでしっかりと彼との繋がりを保つために説明して納得してもらった。


 しかし……ロゼッタ愛され過ぎでしょ。

 これは我儘娘になってしまうのも分かる気がする。

 多分。私、国が欲しいの。とか冗談で言ったら、よしきたっ! ともろ手を上げて王様暗殺しそうだよ。そのくらいの親馬鹿っぷりだ。


 私の記憶が目覚めた以上あんな未来にはさせないけども、いや、まだゲーム世界じゃない偶然の一致説も可能性としては残ってるのだ。とりあえず、この話は後回し。

 と、いうことで、私は両親と一緒に食事を取ることにした。

 まさか西洋式テーブルを体験することになるとは夢にも思わなかったよ。

 どういう意味かって?


 テレビとか漫画とかでさ、西洋貴族の食卓出た時、すっごく長いテーブルにさ、上座にご当主、下座に子供とかあるじゃない。

 あのテーブルだった。

 上座のお父様お母様の対面に座ることになった私は、二人から30メートルくらい離れた下座で一人寂しい食事をすることになったのである。


 私から前をみれば、テーブルの途中にある三本の蝋燭が立った燭台が見えるだけである。

 おかしいよね? お父様、お母様、お顔が見えませんが?

 あと私テーブルマナー知りませんが?


 必死にロゼッタの記憶を探すのだが、テーブルマナーなんて関係なく、まさに子供の食事としか言いようがない食べ方していた記憶しかなかった。

 教育が皆無だよお母様? わんぱくでもいいの? 育てばいいの?

 悪役令嬢になってバッドエンド直行だよ?


 とりあえず、今回は旧ロゼッタをまねておいたけど、せめて普通に食べるようにしたい。

 後で練習する姿見せながら徐々に直していこう。

 一応、四十年過ごした知識がね、あってね。

 フォーク握りながら食べるとかいう食べ方に我慢ならないのよ。

 現代知識のテーブルマナーでも大丈夫よね? とりあえずそっちに直す。これは絶対。

 スープは音を立てずに飲むのだよ。


 そんな感じで食事が終わり、部屋に戻って来た私は、風呂の時間までしばしの余裕が出来たのである。

 なので只今、羊皮紙相手にインクついた万年筆使って悪戦苦闘中。

 傍付きのリオネッタは部屋の中に居て私に呼ばれるのを待っている状態。人が部屋の中で棒立ちしてるのって凄く気が散るよね? さすがにソレ言うと可哀想なので何も言わないけど。

 どうでもいいけどリオネッタ。リオネル様に名前似てるけど何かしらの共通点ってあんの? ……なさそうね。知ってた。


 とりあえず、あのゲームについて思い出しながら箇条書きしていこう。

 最初に題名。ライオネル王国の姫巫女。

 このゲームはヒロインちゃんがライオネル王国の学校にやって来たとこから物語は始まる。

 ありきたりな平民の出の主人公。光の魔法だっけ? が使えるということで王様たっての希望で入学したらしい。


 で、入学初日に確か、ぶつかったんだよね第一王子に。

 それで謝って、王子も気にしてないとか言っちゃって、顔見知りになった、と。

 で、その時、王子は三年だったはずよね。私とヒロインちゃんが同い年で、王子は卒業してからもヒロインとの好感度が高いと、なぜかたびたび学園に姿現したり城下町散策してたり、タイミング良くヒロイン助けに来たりするわけだ。もっと王候補として自覚持とうよ王子様。


 で、それが気に食わないロゼッタがその都度ヒロインちゃんに因縁付けて、まさにOLの新人イジメみたいに酷いことしまくる。

 それが最後に全校生徒の目の前で王子にばらされ婚約破棄と王族侮辱罪、あと隠蔽とかその他もろもろの罪で捕まって断頭台に掛けられるのよね。


 まぁ、気持ちは分かるよ。婚約者に言い寄って来る泥棒猫を撃退したいって気持ちはね。

 でも、一応ヒロインちゃんは王様の希望で学園に来てるんで貴族以上に貴族として接しないといけないんだよ。何しろ、彼女をいじめるってことは王意に背くってことでもあるんだし。

 それに王子様だよ。別に側室行けるんだから正室にロゼッタ、側室にヒロインちゃんで丸く収まるんだよね。そこんところどうなの王子様?


 んで、その時、第二王子が協力者だと分かって第二王子は軟禁、第二王子の婚約者エレオノーラが国外追放……

 ん? あれ? えーっと……そうだわ。

 そう! 第二王子が王様になるために第一王子暗殺を企ててたんだ。その関連でマルチーナさんが暗殺されてた筈だ。


 確か第一王子の回想シーンで夕食の席で王族と婚約者だけの時に毒殺されたんじゃなかったっけ?

 その時には確か、第二王子とロゼッタが共謀してたとかなんとか。

 そうだ、それでロゼッタがマルチーナの代わりに第一王子の婚約者になったんだ。

 ……ってことは、第三王子、どうなった? 回想シーンにも居なかったんだよ? ロゼッタの横には誰も居なかったんだよ。リオネル君はまぼろしー? せおいなげー?

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