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461話・ロゼッタ、歌ウマコンテスト

 歌ウマコンテストが始まった。

 正直これが始まるまでちょっとしたトラブルがいくつか起こってしまったのだが、最悪の事態にはならなかった事に安堵している。

 まさかヒロインちゃんと鉢合わせる事になるとは、しかも普通に助けちゃったし。


 まぁ、今回は相手が子供がぶつかっただけなのに追いかけまわしてたってことでとりあえず拳骨一発づつで勘弁しといたけども。よかったね、もしも傷一つでも負わせてたら、もっとひどかったんだよ? え? 頭蓋骨陥没? 気のせいでしょ? 手加減したし死にそうになってたのは回復したし、大丈夫大丈夫、ちょっと頭が柔らかくなっただけだって。てへぺろ?


 あとガレフたちは結構がんばってた。というか捜索能力が飛躍的に上がったせいでいろんなトラブルに気付けてしまい、その対応に追われてしまっていたようだ。

 どうにも20名では町中のトラブルを対処仕切るのは難しいらしい。


 しかもヒロインちゃんとのトラブル時には私が担当者たちを事前のぼったくり屋台摘発に差し向けたことで対応できなかったそうだ。

 言ってくれればよかったのに。

 ってことで急遽、訓練所に向かって今日だけ訓練兵全員を町の警備にかりだしておいた。

 これぞ総指令官特権という奴よ。

 いや、むしろ町の警備足らないって大問題なんだよ、今までどうなってたの? この国ホントに大丈夫?


「しかし、凄い変装ですね総指令官」


「今はただのCランク冒険者のベルンだよラファーリア。それより、警備には参加しないのね?」


「部隊長皆様より、お嬢がやらかさないように見といてくれ。と泣き付かれました」


 なんでさ!?


「ガレフさんが、お嬢が指摘し始めたせいで全出店の摘発実施しなきゃいけなくなったからこれ以上やらかされたら警備が出来なくなる。とおっしゃられましたので」


 どういう意味かな? かな? 

 私は見過ごされてたモノを見付けたから指摘してるだけなんだよ?


「さらに見回り強化もしなければならないから人数増えてありがたいけどこれ以上は許して下さい。だそうです」


「なんというか、そんなに大変になるようなことは言ってないつもりなんだよ?」


「それが、総司令官が指摘するとなぜか大事になるらしいので」


 なんて信用の無い!?


「ほら、コンテスト始まりますよ。お知り合いも出られるんですよね?」


「と言っても主催者側だから最後に一曲歌うだけらしいわよ」


 クラムサージュはあの後もヒロインちゃんと会ったらしくそこで詳しい闘い方法を決めたらしい。

 とりあえずヒロインちゃんは勝ちあがって最終決勝戦でクラムサージュと闘うことを了承したのだった。

 っていうか、えげつないなクラムサージュ。

 これってつまりヒロインちゃんが最終決勝戦まで残らないと勝負はしないって言ってるうえに、自分はシード選手だから最後の一回しか歌わないわよ。ってことらしい。

 ヒロインちゃん気付いて、あなた、詐欺られてますよ?

 クラムサージュ、やっぱりちょっと腹黒くない?


 歌ウマコンテストは予定通りに始まり、予定通りに経過して行く。

 今回は飛び入り無しの事前登録済みのメンバーだけなので進行もしやすくスムーズに済んでいる。

 音楽といってもやっぱり現代音楽的なモノではなく、語り部による御話をリズムよく告げるとか、オペラ調の歌い方が主流らしい。


 あ、ヒロインちゃんだ。

 意外と上手いなあの娘。

 しかもこの世界基準の歌をしっかりと覚えて来ている。


 審査員もこれは文句なく高得点。いままでで一番高いオール10である。

 これ、クラムサージュヤバいのでは?

 まぁ、私が書類審査で落とせばいいんだけど、絶対に雇ったりはしないからね。


 ヒロインちゃんのあとも幾人か歌が上手い人はいたものの、これといった面子はいなかった。

 多分だけどこのままヒロインちゃんの優勝だ。

 自信満々に勝負仕掛けて来ただけに、それ相応の実力があった訳だ。


 一回戦で篩に落とされベスト8のメンバーが二曲目を歌いだす。

 ヒロインちゃんだけが突出してるように聞こえてくるのがヤバい。

 さすがはヒロインになるだけあって歌の上手さが尋常じゃない。人を引き付ける歌声だ。

 これ、元アイドルとかじゃないわよね? 日本でもテレビに映れるくらいには上手いぞこいつ。


「優勝は、ミリアさんに決まりましたっ! これよりエキシビジョンマッチとして、ミリアさんには五曲目を歌って頂くことになりますが、プライダル商店店長クラムサージュとの一騎打ちに挑戦する権利が与えられます。挑戦、なさいますか!?」


「当然。このためにここまで来たのよ! クラムサージュ、今回は私の勝ちで終わらせてあげるわ!!」


 ずびしっとクラムサージュに人差し指を指し示し、五曲目の歌唱に入る。

 何度聞いても上手いなぁ。これに勝つのって難しくない? さすがに私でも勝てないよクラムサージュ?


「皆様初めまして。プライダル商店をオーナー様よりお預かりしております副店長クラムサージュです。本日はエキシビジョンということもあり、雪見恋愛祭の見処として恋愛ソングを歌いたいと思います。ただ一人のために届けこの思い。題名は……ト○セツ」


 あ、あの女やりがった!?

 ご丁寧に音楽隊まで借り受けていたようで曲まで付けてのJPOPを異世界披露しやがった!?

 オーケストラバージョンでそれは卑怯だよクラムサージュ!?

※関係者各位よりご指摘があれば件の場所は予告なく変更になる可能性があります。

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― 新着の感想 ―
[一言] おお…流石に禁じ手たる錬金によるヤクブーストはしなかったか(´-ω-)
[一言] これか〜らもどうぞよろしくね〜♪
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