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436話・ロゼッタ、訓練の成果は順調なんだよ

「全員整列」


 ゴブリンを退治した私達は、一度砦の反対側に向かい、集合。

 さすがに治外法権な緩衝地帯にずっといると他の国の兵が意識しかねないしね。

 向こうの方で成り行き見守ってた兵たちがなんか慌ててたし、下手に刺激しないように砦の奥へと引っ込んだ形だ。


 ヴェスパニール隊には今まで通りの砦防衛を継続して貰うことにして、援軍としてやって来た訓練兵は新兵も纏めてライオネル王国領側の広場に全員整列させた。

 まずは褒める。実際目的のゴブリンキングは兵士だけで倒せたし、死者はでなかったからね。

 多少流血はあったみたいだけど、許容範囲許容範囲。


 ゴルディアスは内臓見たけど内臓破裂などはしてなかったので問題無し。こいつだけ無駄に頑丈ね。さすがパワー型。

 ちゃんと直しはしたけど多分衝撃が残ってて気持ち悪い気分になってるだけでしょう。

 伊達に脳筋なだけはないわね。

 こういう存在が知恵を付けると物凄く厄介なのよ。ほんと、戦闘とかだと万夫不当とか呼ばれるようになるんだよ。


「まずは皆、お疲れ様。そしてゴブリンキング討伐おめでとう」


「ありがとうございます。ほら、皆、あまり嬉しそうな顔をしてないぞ。偉業なんだから喜べ」


 フェイルが促すものの、兵士たちはどこか困惑気味だ。


「いや、フェイル、さすがに無理だぜ。確かに倒した時は俺らだけで倒せたって湧いたけどよぉ。隣見たらもう、無理だろ。ゴブリンキング何体分だって量のゴブリン俺らより早く倒して山積みにしてんだぜお嬢。いくらなんでもアレ見たら喜べねぇよ」


「あら、私と自分たちを比べようなんて、あなたたち随分と自信がでてきたのね」


「お、お嬢?」


「だってそうでしょう? 自分たちでゴブリンキング倒すよりゴブリン数万倒す方が良かったと言ってるようなモノだし」


 実際、雑魚いゴブリンだと範囲魔法使えば数万なんてすぐなんだよ。

 とりあえず重力魔法で一カ所に固めて刀の射程範囲を広げて一刀でずぱっとやらせて貰ったし?


「そやでー、主はんと自分等比べたらあかんわ。これは天災だと思った方がええよ?」


 天才? いや、それにしては語感に悪意が籠ってたんだよ?


「ロゼが凄いのは皆分かってた事だろう。そのロゼが皆ならゴブリンキングを死者なく倒せると判断したんだ。その期待にしっかり応えられたんだから誇るべきだよゴルディアス」


「り、リオネル王子……すいません、自分たちが偉業を達成したのは分かるんです。自分でもすげぇって思えて、でも、喜んだ矢先により凄い偉業を目の前に出されちまうと……」


「なら、こう思いなよゴルディアス。ロゼに一歩近づけたって」


「お嬢に……?」


「君たちは一歩、今までよりさらに強くなった。今までの自分たちがゴブリンキングと闘ったら、どうなってたと思う?」


「そ、そりゃ……殆ど壊滅状態の辛勝、だったかと、いや、下手すりゃ壊滅で敗北してたかも、です」


「そうだよ、その状況と比べたら、君たちは強くなってる。確かに自分たちよりも凄い偉業が目の前にあるかもしれない、でも、一歩でもその偉業に近づけてるんだから誇っていいんだ」


 リオネル様に言われ、ゴルディアス以下兵士たちが自分たちは素直に喜ぶべきだと再確認する。


「ま、お嬢がやり過ぎなのは今に始まったことじゃないからな。お嬢はお嬢と割り切っておかないと辛いぞゴルディアス」


 フェイル、それはどういう意味なのかな? かな?


「さて、訓練の成果が確認できたし、帰って訓練の続き……は時間的に無理か。皆疲れただろうし、しっかり風呂に入ってゆっくり寝るんだよ」


「そう、ですね。偉業は偉業ですし、風呂でリラックスしながら喜び噛みしめます」


 ミリスタシオンよく言った。

 んじゃ、皆を浮かべてぇ、ライオネル王国へひとっ飛びぃ。

 そして訓練場に着地っと。


「まずは点呼! 置き忘れは居るか!?」


 私の言葉に直ぐに点呼が開始される。

 新人さんたちも班を作って班長に管理させているのですぐに点呼報告が上がってきた。

 漏れ無し、リオネル様もキーリも隊長格全員もいる、よし。


「では本日の訓練はこれにて終了とする。解散!」


 私の言葉で皆が兵舎へと戻って行く。

 風呂入るかーっと皆気を抜いてゆっくり去って行った。


「父さん!」


「ん? ああ、ヘイデンどうした?」


「すごかったよ! 俺、ずっと見てたからな。父さんがサロックさんとゴブリンキング倒すとこっ」


「お、おぅ……」


 そうそう、サロックとゼオールは多分今回の一番の功労者なんだよ。二人でゴブリンキングの動きを封じてたし、足を止めさせたのも致命傷を与えたのもこの二人だ。

 大局観覚えさせただけで化けたなぁ。


「ロゼッタ総指令官……」


「あら、ラファーリ……げふん、ラファーガじゃない。何かしら?」


「あの、どうしたら貴女のように強く成れるんですか! どうか、どうか私に教えてくださいっ」


 お、おおぅ!? なんか押しの有名人にサイン強請るような瞳なんだよ。圧がすごいなっ!?

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロゼ『ラファーリアは私みたいになりたいの?山脈を吹き飛ばしたり、邪神ダンジョンで遊んだり、国の周りの魔物を消したり、ゴブリンを2回皆殺しにすればなれるんだよ』 [気になる点] ヘイデンとゼ…
[一言] 作者様、後+3話で累計444話・ゾロ目なんだよ。
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