39話・ロゼッタ、攻略対象確認5
さて、最後の二人はまず彼だ。
魔族の王子ボーエン・マクレガーいや、本名は違うのよ。でも本編内では魔族の名前って発音難しいらしくて教えてくれないの。
もともとは平民の息子という身分で人間国に侵入しているため、下町探索中にイベントが起きて彼と出会うことになるヒロインちゃん。
ちょっとインテリ気質のある学者タイプの彼は基本教会などを利用しているので、ヒロインちゃんも下町を自由移動できる土日、じゃなかったね、この世界ではなんて言うんだっけ? まぁ学校が休みの日があるのでその日に教会などにいくと出会える。
など、というのは好感度次第で別の場所に現れるからなんだけど、最終的に二人で魔族領に向かい、現国王、つまり魔王様と謁見、交際を認められないとエンディングに辿りつけない。
といっても死亡フラグは無いし、選択肢間違ってもボーエン先生が魔族とバレて魔族領に帰っちゃう以外はバッドエンドは無かったりする。安全安心の先生ルートである。
なので、その魔族領へ帰るフラグさえ発生させなければボーエン先生と悪役令嬢が一緒に居たって問題は無いのである。
魔法しっかり教わろう。
とはいえ、ヒロインちゃんが彼を攻略しようとしてきたらできるだけ邪魔しないようにしとかないとね。まかり間違ってロゼッタ断罪エンドが起こったりしたらやっとれん。
私は邪魔しないから殺さないでね? 悪い悪役令嬢じゃないんだよ?
さて、ようやく攻略対象最後の一人。
なんと平民のライリー君である。
彼の攻略は簡単だ。休みの日に冒険者ギルドに向かって冒険者登録をすると、パーティーを組んでくれる冒険者なのである。
とても優しく気さくで頼りになるDランク冒険者で、彼と一緒に冒険を行い冒険者ランクを上げていくのが彼の好感度上昇方法である。
ただ、問題はお邪魔キャラ。
その名もナパツィタ。
もともとライリーとパーティーを組んでいた黒い肌の美女である。
謎多き魔法使いの女性で、一緒にパーティーを組むことになるのだけど、ライリーとヒロインちゃんが仲良くなり始めると態度が一変。
次々と邪魔をしてきて、ゴブリンの巣穴に転移させられたりもする。
物語の後半で彼女が魔女だと発覚し、ライリーを見染めて自分の番にしようとしていたことが発覚。ライリーを籠絡しようとするがヒロインちゃんから貰っていた誘惑防止アイテムチャームシンボルを装備していたライリーは魅了魔法に掛かることなく、ナパツィタを斬り殺し生還。ヒロインちゃんとグッドエンドを迎えるのである。
そういえばあの魔道具屋の婆さん、アイテム買う時に出て来た気がするな。
そっか、あの魔道具店はイベント用の店だったのか。
誘惑防止かぁ、チャームシンボル買っとこうかなぁ。あ、でもヒロインちゃんが買えなくなるかもだから半値の奴は買わないようにしとかないとね。
ちなみに、ライリーには哀しい過去があって、数年前に初めて魔物を倒しに向かった時、パーティーメンバーの回復職をゴブリンに殺されているのだ。
そのせいで教会から回復職の再貸し出しを禁止されており、しばらくは三人パーティーで闘っていたのだが、ゴブリン大繁殖イベントに参加した際に盾役の親友が大怪我。その場で回復出来れば助かっていたらしいのだが、回復職がいなかったために親友まで失ってしまっているのだ。
そのせいでナパツィタと二人助け合ってパーティーを組んでいたことで二人は彼氏彼女の関係になりかけていた。
けれどライリーがヒロインちゃんを仲間に加えたとたん、所有欲とでも言うべきか、私のライリーを奪うな、という彼女でもないのに独占欲を発揮してしまったのだ。ナパツィタが。うん、気持ちは分かるんだよ。いきなりライバルが出現したんだもんね。そりゃ悪役令嬢みたいになっちゃうよ。悪い悪役令嬢だよ、ぶるぶる。
そして物語終盤、ヒロインちゃんはナパツィタが利用したイケメン豚野郎な貴族との婚約が決められてしまうのだが、ライリー君がナパツィタの魅了を振り切り助けに来る。そのまま二人で逃げだし、追って来た貴族をぶった切り、旅に出てエンディングを迎えるのであった。
つまり、彼の問題点としてはナパツィタの誘惑を振り切るためにチャームシンボルをプレゼントしておく必要があるんだよ。そこさえ押えとけばあとはライリー君が勝手に動くのさ。
最悪ライリー君ルート選んだならチャームシンボルは私が買っといてヒロインちゃんに渡しちゃおうっかな。
ちなみに攻略対象じゃないんだけどイケメンモブな友人ぽじ、ディムロス・クーテンゲル君も結構人気のキャラクターだ。何故攻略対象じゃないのか、やはり子爵家程度ではヒロインちゃんの琴線に触れなかったのかもしれないんだよ。平民冒険者はいいけど子爵家は無理。上昇志向の強い真っ黒な性格かもしれないんだよ。
ブラックヒロイン、ヤバいな。




