38話・ロゼッタ、攻略対象確認4
お次は学園から離れた攻略対象。
まずは隣国の王子ゼルディス・メルクナード。
初めの出会いは毎年開催される武術大会だ。
確か馬車で来ていた彼の前に、子供が飛び出し馬車が移動を妨げられるシーンがヒロインちゃんがたまたま武術大会見に行こうとしたところで遭遇だったはずなんだよ。
従者が無礼なっ、と子供と庇った母親を切り殺そうとした瞬間、ヒロインちゃんは何を血迷ったか、飛び出して兵士を魔法の盾で止めるのだ。
激昂する兵士、振り上げられる剣。
さすがにマズいと思ったのか、覚悟を決めて眼を瞑るヒロインちゃん。
そこに、声がかかる。
内部で聞いてたゼルディスがわざわざ出て来て従者を止めたのだ。
その後、ヒロインちゃんが大会に向かうつもりだと知ったゼルディスはどうせなら一緒に行こうか、とヒロインちゃんを馬車に乗せ、その事が切っ掛けでヒロインちゃんに興味を持つのである。
恋愛としては俺様系攻略対象と恋仲になるだけでいいのだが、お邪魔キャラが一人居る。
それがゼルディスを守る護衛、なんかヤベーメイドさん。
眼鏡キャラで直立不動。王子を影に日向に見守り、常に傍に居らっしゃる凄腕メイドである。
そう、凄腕メイドさんなのだ。
当然、王子に群がって来る羽虫は払うに決まっていた。
つまり、この国から王子を狙っている女スパイの疑いをこのメイドさんに掛けられるヒロインちゃんはことごとく王子との逢瀬を邪魔されるのだ。
それでも王子の好感度を上げまくっていると、今度はメイドさんが暗殺を仕掛けて来る。
選択肢間違うとそのまま暗殺されちゃうのだ。メイドさんヤバ過ぎ。
正直に言えばゼルディス攻略ルートはメイドさんをどれだけ上手く引き込むか。つまり信頼を得るかに掛かっている。
ただただメイドさんの暗殺を回避するだけではエンディングに辿りつけないのだ。
やっぱり、羽虫でしたね。と最後の最後、告白を成功させた後に一人になった瞬間に、メイドさんが背後に現れブシャァ。
メイドさんの信頼度が足らないと結局暗殺されちゃうんだよ。
メイドさんの信頼を得るにはゼルディスの好感度が下がる選択肢を選ぶ必要があって、アレは攻略情報なしじゃまず辿りつけないんだよ。私は全ての選択肢総当たりで見付けたけどね。正解の選択肢選べるまで何人のヒロインちゃんが死んだことか……ふふ、長かった……ホロリ。
次の攻略対象は近衛騎士のケリー・レイズナー。金髪ロン毛の美丈夫は、武術大会に出た時に王子の戦闘直前にトイレに向かうと起こるイベントで出会う、騎士道精神溢れる青年だ。
妹思いの優しいお兄さんで、私としても好感度は高い。
高いのだけどケリーの妹さんはブラコンなので恋愛に発展すると妹さんが怖い。
病弱だけどヤンデレさんな妹の妨害を必死に回避しながら彼女の信頼を得ることがケリー攻略のカギなのである。
ゼルディスのメイドさん同様に信頼を得ないといけないのだけど、選択肢を間違えると彼女が自害してしまうのだ。
お兄さんに構われなくなったので死にます。と書き置き残して死んじゃってるのだ。
妹さんが死んでしまうと、自分が女にかまけていたからだ、と自責の念に駆られたケリーは騎士団を辞めてどこかへと消え去ってしまう。
当然、ケリーとのエンディングなど迎えられる訳も無い。
ついでに近衛騎士のケリーが消えるせいでのちに国王が暗殺されるなんてイベントまで起こるのだ。王子攻略すらできなくなるので逆ハー狙いの場合はケリーの妹さんを自殺させないように自分がケリーと恋愛関係にあるということをことごとく隠しておかなければならない。
途中で感づいた妹さんが人を殺しそうな顔で問い詰めて来るけど、そこで付き合ってますとか白状すると翌日自殺してしまうので、ケリーとは友人なの。という選択肢を10回くらい連続で選ばないといけない。
正直あの選択肢は怖かった。
何しろ何度選んでも同じ質問と選択肢が現れるのだ。
ループしてんじゃないか? バグった? この選択肢選べないんじゃ? そんな思いに駆られながら、「ホントに?」という質問に「ケリーとはお友達なの」を10連続で選択しないといけない。
とくに最後の質問だけ急に文字が倍近い大きさでホラーチックに出て来るからマジビビる。妹さんの顔がひぐ○し系のヤッバい顔になってるのも月灯りしかない夜の部屋だったことも恐怖を倍増させるシチュエーションでした。
最後にケリーと二人で妹さんの元へ行き、結婚する旨を告げ、妹さんの部屋を後にする。
が、次の時間付き選択肢で胸騒ぎがするので引き返す。を選ばないと妹さんが死んでしまうので素早く選択肢を5秒以内に選び、部屋に飛び込む。ケリーは呆然としていて当てにならないので再び現れる時間付き選択肢で5秒以内に妹さんを止めるを選ぶ。しかも腹を蹴りつけるという選択肢を選ばないと、抱きしめ諭す、という選択肢を選ぶことになり、妹さんが振り被ったナイフを自分の身体で受け止め代わりに死ぬエンドになってしまうのだ。
うん、ヤンデレが多いなこのゲーム。




