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37話・ロゼッタ、攻略対象確認3

 我儘伯爵令息エレイン・ヒールロッドは他の攻略キャラとはちょっと違う。

 なんと攻略中仲がよくなるイベントが一つも無いのだ。

 基本的に第一王子攻略ルートを辿るんだけど、条件分岐が厳しい。

 まず、成績が常に1位をキープすること。

 エレインは頭だけはいいので、常に1位なんだけど、ヒロインちゃんが1位を取っちゃうことでライバル視されるのだ。


 最初のテストでライバル宣言され、学期末テストでなぜ、勝てない!? と四つん這いになる姿が印象的だ。

 所詮一時的なマグレだろう。とか平民風情が1位など取り続けられる訳があるか。とかヒロインちゃんを散々コケにした後張り出されたテスト結果見て崩れ落ちるんだ。

 我儘な上にプライド高いせいでヒロインちゃんと衝突しまくる彼は、最初から最後までヒロインちゃんと敵対し、ライバルキャラの如く立ちはだかっては負けて行く。


 そこに恋愛要素はまったく絡まず、男女なのにヒロインと悪役令嬢のような掛けあいが続くの。

 そして、そのせいで断罪の時にエレインが共闘したロゼッタにヒロインちゃんが嵌められ、犯罪者としてしょっ引かれる。

 王自ら断罪の場で罪状を言い渡し、公開処刑が始まる直前、颯爽とヒロインちゃんを助け出すエレイン。


 絶望の中、呆然と見上げたヒロインちゃんに、満面の笑みで「今回は俺の勝ちだな」とこんな時まで勝負かよっと突っ込みたくなる台詞吐きながらヒロインちゃん抱えて逃亡、そのまま王国脱出して新天地に逃げ込むと、仕方ないから面倒見てやる。だから、俺の面倒を見ろ。と告白なのかなんなのか、それが物語の終わりで、エンディング後に子供抱えたヒロインちゃんとクワを片手に農業しているエレインの一枚絵で終わるという、グッドなのかわかんない終わり方するのである。


 一応二人の間では幸せになったってことらしいからいいんだろうけど、私としてはこの結末はどうなんだ? って思うのよ。

 多分だけどミリアが転生者だったとしてもこのエンドは選ばないと思うな。

 エレインめっちゃくちゃ我儘だし。


 学園にはもう一人、隠しキャラがいらっしゃる。

 他のメンバーは学園外になるので先にこいつをピックアップだ。

 名前はギリード・ヒュケイン子爵令息。


 彼は物静かで華奢な青年で、唯一の眼隠れキャラである。

 目が完全に髪に隠れていることと、線の細いなよなよとした容姿、寡黙な性格のため、小動物としてOLたちからは人気だった。

 私としても容姿は好きだったけど、その、性格がねぇ。


 いえ、ストーカーって感じじゃないんだよ?

 でも、物静かだし、攻略中もイベント以外はほぼ無口。

 主人公の選択肢の方が多いんじゃないかと思うくらいしゃべらない。


 そんな隠れキャラであるギリードは、逆ハーエンドを途中まで進めたあとで全員に嫌われる選択肢を選んで行って、皆を怒らせることでルート確定するため、隠しキャラとされている。

 逆ハーエンド自体が必ず一人はエンディングを迎えている事が条件の二週目確定だからという理由もある。


 イベント内容はイケメン豚野郎によるイジメが行われているのをヒロインちゃんが目撃。

 イケメン君は容姿こそ他の攻略候補等しく良いのだけど、性格がクズ過ぎる。

 そんな彼に目を付けられた寡黙なギリードは、トイレでずぶぬれにされたり、お金を接収されたりとかなり酷いイジメを受けているのだ。

 ヒロインちゃんが止めようとするが、ギリード君自身にそういうのいらない。とか僕に構わないでとか言って来る。それでもヒロインちゃんが彼を構い続けると、イケメン君がヒロインちゃんに目を付けるのだ。


 ギリード君の前でヒロインちゃんの唇を奪おうとするイケメン君に、ついにギリード君がキレる。

 そして暴走する魔力。尻餅搗いて恐れるイケメン君と、彼を殺そうと魔力を使うギリード。

 ここで発覚する、物凄い魔力量はのちにギリードが伝説の魔法使いの孫だと教えられることになるのだけど、そこは割愛。

 慌てたヒロインちゃんはギリードに抱き付き、押し留めるのだった。

 そこから始まる恋愛は、ヒロインちゃんリードで行われる。


 引っ込み思案で寡黙なギリードにかいがいしく世話を焼いて好感度を高めていくと、子犬みたいにヒロインちゃん見掛けた瞬間ぱぁっと笑顔になるようになるのだ。

 その姿がもう可愛くってうへへ……っと、危ない危ない涎が垂れてたぜぃ。

 その後、イケメン君が仲の良い二人にイラつき、最終日の舞踏会に物凄い告白をして来る。

 それが、自分がギリードをイジメていたことの暴露、そしてギリードが今まで受けていたイジメと彼がイケメン君に言われて行ってしまった悪行の暴露だった。


 ヒロインちゃんが庇うものの、王子たちからは嫌われているので聞く耳持たれず嘘吐き呼ばわりされる、失意にくれそうになった時、ギリード君が漢になるのである。

 ヒロインちゃんを庇い皆に誠実に謝罪と事実を告げ、逆にイケメン君をざまぁしてしまうのだ。

 その後はまさに男らしくなり、ヒロインちゃんの手を取って今まで見えなかった優しい眼が見える笑顔で一枚絵。「今までは君が僕を導いてくれた。どんなに間違ってても、君が僕を正しい場所に連れていってくれる。だからね、僕は君がいるならどんなにだって強くなれるんだ。だから、今度は僕が君を導くんだ」と、今度はヒロインちゃんをリードし始める。押しな少年の成長を見せられる、まさに隠しキャラとして相応しい成長を見せてくれるのである。

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