表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
359/1856

355話・ロゼッタ、これより強襲を仕掛ける!!

「結局、この嬢ちゃんは誰なんだシュヴァイデン?」


「あー、そういやお前は知らないのか。連絡来てないもんな」


「ああ。で? 何者なんだ? お前らが従ってるってことは部隊長より上だってのは理解できるんだが」


「新しく俺達より上の地位が作られてな。こちらが総司令官、ロゼッタ・ベルングシュタット嬢だ。12の部隊全てを指揮できる地位に居る」


「あー、つまり、完全な上司って訳な。そりゃえらそうにしてるはずだ」


「偉そうにというか実際に偉いんだ。第三王子の婚約者だから実質王族だしな」


「……嘘だろ? そんなお嬢さんがなんで軍を管轄してんだよ」


「適材適所だぞ。お前らも訓練受ければわかるさ」


「そりゃぞっとしねぇな。まぁ、訓練が凄かったのは何となくわかる。お前ら眼が違うからな。はぁ、怠け者のシュヴァイデン隊がここまで変わるかよ」


 ふむぅ、基本複数の国のスパイさんがいらっしゃるんだよ。

 スパイ天国だねこの砦。


「とりあえずこのスパイたちは捕虜として各国に引き渡し要請出しておいて。はいこれ、スパイさんの名前と国ね」


「は? いや、どうやってそんなもんわか……」


「了解した。これはこちらで処理しておくよバンディッシュ」


「え? いや、なんで受け入れてんの? まだスパイどもに尋問すらしてねぇんだが?」


「尋問なんて無駄よ。スパイしてるんだからそういう状況に対する術を持ってるわ。自殺だけはしないように毒物とかは奪っておいたけど、舌噛み切るくらいはしそうよね。シュヴァイデン、部下を使って猿轡でもかませておいて」


「了解しました。聞いたなお前ら。さっさと終わらせるぞ。一人も死なすなよ。交渉しだいじゃ金に替わる貴重な人材だ」


「バンディッシュ、砦にいる兵士全員集めて、さっきの屋上に集合させて」


「え? 今日休みの奴もいるんだが?」


「挨拶だけよ、出ない奴は出なくていいけど、どうなっても知らないわよ」


「バンディッシュ、お嬢は休んだだけで兵士としての職務放棄で国家反逆罪にしようとしたツワモノだぞ」


「悪魔か!?」


「大丈夫よ。今回はちょっと男の尊厳を破壊するだけだから」


「悪魔だな!!」


 冗談で言ったつもりなのにバンディッシュが慌てて兵士達を集合させに行ってしまった。


「浮気撲滅断罪拳、試したかったなぁ……」


「止めてください。冗談でもソレやらないでくださいよ。男の急所ってのは女にはわからない地獄が待ってるんっすから」


「はいはい、わかりませんですよー。ねぇスパイさん?」


「ひぅ!?」


「貴方はデーバルデ帝国よね、ぜひ貴方には聞きたい事があるのよ。ふふふふふ。ねぇ、一本ずつ指を潰して行くのと、やすりで削って行くの、どっちがいーい?」


 冗談だけど物凄く笑顔を見せておく。

 するとどうでしょう。私のとびきりの笑顔を見たスパイさんは喜びの余り泣きながら話しだすのであった。


「こ、殺される、この女やる気だぁ、た、助けてくれ、俺にはまだ妻と子供が……わかった喋る。喋るからヤスリは止めてくれぇっ」


「お嬢のデビルスマイル、洒落になんねぇーっすね」


「何をおっしゃるクラステン君。私はただとびきりの笑顔を見せただけなんだよ。彼は可憐な乙女の笑顔に泣いて喜んで喋ってくれるんだよ?」


「可憐……嗜虐的なあの笑みが……いえ、なんでもないです」


 よろしい。

 んで、勝手に喋り出したスパイさんによると、やっぱりデーバルデ帝国は数年後にここを破壊して国に侵略する計画を立てていたらしい。

 徹底的に叩くために今から兵力を集めていろいろと画策中のようだ。

 これは、今の内に叩いちゃうのが良さそうなんだよ。


 バンディッシュ部隊はさすがにまだ初期状態だから使えない。

 シュヴァイデン隊から数人連れて行くのが一番ね。

 何人くらい連れて行こうかしら?


「シュヴァイデン」


「は!」


「これからデーバルデ帝国砦を奇襲します。隠密特化を数名、闇夜に乗じて食料庫を破壊しておきましょう。私達がやったとバレないように仕掛けるのでそのつもりでメンバーを選んでおいて」


「かしこまりました。ふふ、何が起こるか楽しみですな」


 ただ、相手に嫌がらせするだけなんだよ?

 さってそろそろバンディッシュ隊揃ったかな?


「じゃあ、こっちは任せるんだよ」


「了解です」


 シュヴァイデン隊に捕虜をお任せし、私は屋上へと向かう。

 お、ちゃんと21人揃ってる。

 というか、全部隊21人にしてるのはいいけど、新人さんが来た時はどうやって新人採ってんの? ちょっと人数少ない気がするんだよ?


 遅れてやってきた私は彼らの前に立ち、前に訓練所で使った巨大な剣をアイテムボックスより取り出し、屋上に突き立てる。


「諸君、任務御苦労である。この度総司令官に就任したロゼッタ・ベルングシュタットだ。位は部隊長たちの上に位置する。おもに訓練兵を見ている、お前達が正式に相対するのはこれより半年後のことだが、折角なので自己紹介をさせて貰う」


 やっぱり新しく目にする兵士たちは怠惰に塗れてるようだ。

 育成のしがいがあるんだよ。

 というか、そこ、上司の前で堂々と酒飲むなよ、ダメじゃんこの部隊。浮気撲滅断罪拳だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] あぁ!ツッコミたい!でも何処からツッコミを入れればいのかわからない! とりあえず、今日の話を見てるとやっぱりロゼの思考回路がアメリカ様なんですよねーw [気になる点] >>>というか、全…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ