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329話・ロゼッタ、調子に乗り過ぎなんだよ

「さて、勉強も魔法もある程度使えるようになってるし、そろそろ別の方向性で考えていこうかな。でも今日は普通にいつも通り……」


「そろそろ次の段階行きましょうぜ。なんっつーか毎日同じ顔触れで対戦なんでちょっとマンネリ化してきちまってんですよ」


「互いに手の内わかっちまったしなぁ、目新しさがねぇっつーの?」


「俺らなら魔物相手でもかなり楽に闘えるんじゃねーっすかね?」


「正直ここまで強くなる必要あるか? ってくらい強くなってる気がするしなぁ。いや、訓練は続けますけども」


 これ……もしかしてだけど、増長してる?

 そりゃ私やキーリには勝てなくても、この前は魔物の群れ相手に無双してたわけだし、自信が付いたのは結構。でも、ちょっと調子に乗り過ぎてる気がするんだよ?

 ここらで釘差して置かないと何かやらかしそう。うーん。何かいい方法……あ、そうだ。


「キーリちょっとプライダル商会で……」


 私はキーリにお使いを頼む。

 といっても数人連れて来て貰うだけなんだけどね。


「いや、主はん、それはヤバいんとちゃう? 下手したら全員再起不能ならへん?」


「さすがにそれはないって」


「ウチ、千尋の谷突き落として這いあがってきた子供をさらに蹴り落とす人初めて見た気がするん」


「いや、そのことわざどこで覚えたんだよ?」


 キーリを送り出して、調子乗ってるメンバーに新しいシチュエーションをくれてやる。

 とりあえずガレフ縛って蹴り転がす。


「ちょ、俺の扱いひどくねっすか!?」


「はい、全員注目。今からえーっと、ブライアン、適当に五人程選んで」


「え? えーっと……」


「これからレジスタンスに拉致されたガレフの救出作戦を行います。レジスタンスリーダーブライアンの主張は陛下から王位を剥奪すること。ブライアン側の勝利条件は兵士達から王位剥奪許可の意思をもぎ取る、あるいは敵の全滅。鎮圧軍の勝利条件はブライアンの撃破、また敗北条件は旗の奪取。ガレフの死亡。実際には死なないけど戦闘不能状態になったら敗北ね」


「それ、ブライアン側から袋叩きにあったら即負けなのでは?」


「一応交渉材料だからブライアン側にとってはガレフが死んだら……まだちょっと面倒なことになりそうね。ガレフの死亡については敗北条件を外しましょう。ブライアン側は捕虜を好きに使っていいわよ」


「イマイチ理解できてないんですが……」


「うーん。シチュエーションは無理そうかぁ……」


 さすがにいきなり考えるとなると上手い方法が思い浮かばないんだよ。これは止めといた方がよさそうだ。

 とりあえず午前中は仕方無いので今まで通りの訓練をして貰うことにした。

 うーん。そろそろサバイバル訓練に手を出しちゃうか。

 今日の訓練後に手回ししとかないとなぁ。


 それから食事休憩を挟んで午後。

 増長しているメンバーが不満を言い始める。

 俺達もっと強くなりてーんすよ、もっと身になる事してくださいよ。

 ってね、君等一気に駆け上がり過ぎなんだよ。


「一応、連れて来たで」


 暇してたメンバーはシゼル、シュプレシア、ハッスール、クライマルの四人だった。

 うん、まぁこの面子ならシュプレシアが一番最後だね。


「よし、では午後の訓練は全て潰して特別訓練とする。貴様等の思い上がった精神がやらかしを行う前に挫いてやろう」


「いや、お嬢、挫くってこの面子で何するつもりです?」


「戦闘だよ。さぁ、誰でもいいから倒してみなさい。まずは指名制といきましょうか。ガレフ……は貧乏クジばっかりだから今回はシュヴァイデンから」


「お、おぅ、俺じゃないんすか、嬉しいような悲しいような」


「まぁ、順当に、そこのデカブツと闘うとしようか」


 ハッスール御指名ですね。

 ハッスールが笑いながら前に出る。

 一対一の闘い。

 その結果は……


 当然、シュヴァイデン、ワンパンで沈む。


「……は?」


「むぅ? すまん、かなり手加減したのだが、死んどらんか?」


「は? いや、え?」


 自分たちは強くなった。

 兵士たちは自負を持っていたことだろう。

 魔物との団体戦も彼らの自信に拍車を掛けた。

 でも、一撃だった。


 自分たちは強い、シュヴァイデンも強い。

 そう思っていたからこその、困惑。

 私やキーリが強いのは分かっている事だ。

 しかしそれは一握り。他に強い存在など、自分たちが束になっても敵わない存在など居ない。そう思って天狗になっていたのだろう。

 でも居るのだ。


 自分たちは決して強い存在ではないのだと。

 ここではっきりとさせておこう。

 この世界にはレベルがある。

 当然、レベルが高ければ高いほど有利。

 ゆえに例えどれ程技量が優れた兵士達でも、レベル200以上差のある一般人相手に勝てる見込みなど皆無なのである。


「お、俺はそこの黒人だ。先手必勝ッ!」


「いや、遅くね?」


 クライマルに攻撃して行った兵士が吹き飛ばされる。

 派手に転がって気絶。

 皆私ほど手加減出来ないからどんどん気絶者が増えていく。

 さすがに二人が強いと気付いた皆がシゼル、シュプレシアに攻撃を仕掛ける。

 しかし残念。彼女達も既にパワーレベリング済みである。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 千尋の谷から付き落として這いあがってきた子供をさらに蹴り落とす!声あげて笑いましたw [一言] そのうち兵士さんもレベリングしたら心構えと技術にレベルが乗るということで……。うん、侵略者が…
[良い点] いつも楽しみにしています。毎日更新ありがとうございます。 [気になる点] 簡単なキャラ紹介ページを作って頂けたら大変ありがたいです…!バカなのでキャラの名前とかすぐ忘れてしまう…
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