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249話・ロゼッタ、シオン偵察してくれるってよ

「おっはろー」


「ああ、お嬢、すまんな。忙しいのではなかったか?」


 ダイニングルームで待ってたシオンが私に気付く。

 というか、筋肉質のお兄さんな上にガタイがそれなりにいいから椅子が小さく感じるね。テーブルもちょっと小さすぎる感じがする。

 いや、違うな。

 シオンのせいじゃない。その横に居る半裸のターバン巻いたおっさんのせいだ。

 マッスル体型なハッスールのせいだ。なんでアンタまで来てんの?


「やぁお嬢さん。お邪魔しているよ。それと、シオンとの闘い見せて貰った。正直武の頂きを見せて貰った気分だよ」


「全くだ。俺の一生を掛けても届くかどうか、正直その年齢でその実力は羨ましいよ。取得方法は俺には再現不可能そうだったがな」


「魔力に関しては俺もとんと棚上げしてるからな。がははっ。まぁお嬢ほどではなくともそれなりには強くなれそうだ。いろいろと得るモノがあった闘いであったからな」


 というか、なんでアンタ達も普通に私をお嬢呼ばわりしてるのかな? かな?


「それで、だな。今回来たのはどうしても聞きたい事があってな」


「聞きたい事?」


「ああ。俺達は正直これ以上強く成れないと思ってたんだ。でも、お嬢っていう強い存在を目の当たりにしてな。まだ何かしらできるんじゃないかって、でも俺達だけじゃこれ以上の強さを手に入れる方法が見付からない。さすがにお嬢程の飛んでもレベルアップは望んでないが、何か新しい訓練方法でも知らないかと思ってな」


 なるほど、私に練習方法を聞きに来た訳だ?


「やめときやめとき。主様やらかしの常習犯やから、こんなんに頼ったらそれこそ強くなるのをやめますか? 人間辞めますか? の二択を選択させられるえ」


 ちょおい!? キーリなんてこと言ってくれてんの!?

 私、そんなひどい事教えたりしないんだよ!?


「魔族? いや、なんだこの感覚……並の魔族じゃない!?」


「むぅぅ、敵意を向けられておらぬのに、この重圧だと!? 我が膝が、震えている!?」


 キーリ相手に大げさなんだよ。

 こんなの大した事ないって。

 ほら、脇腹にこうやってデュクシデュクシ。


「あふっ、ちょ、やめぇ、主様やめてぇっ!?」


「キーリはこんな感じで人畜無害だからスルーしとけばいいんだよ」


「いや、スルーて、主様、ウチ一応邪神なんで人間さんが重圧受けるんは当然……おっと口滑ってもうた。うっかりうっかり」


 ワザとじゃん。


「ま、魔族じゃなく、邪神!?」


「邪神キーリクライク!? まさかあの噂は本当だったのか!?」


 噂?


「知っているのかハッスール!?」


「ああ。なんでも一人の鬼畜なお嬢が邪神洞窟に単身乗り込み邪神を瞬殺して許しを乞う邪神の頭を踏みにじりながら肉奴隷になるなら生かしておいてやると告げて自ら奴隷宣言させたとか……ひぃっ!?」


 ちょっと、その噂の出所知りたいんだよ?


「どうどう、主様殺気が漏れちょります。ほーらどうどうどう」


「私は馬かっ」


「んでも、ウチとしては極めて正確やないか思うんよ?」


「奴隷宣言とかさせてないでしょ! 頭踏んだりもしてないしっ」


「お嬢ならやりかね……失礼」


 影のおっちゃん、次に似たような事言ったら浮気撲滅断罪拳の餌食にするからね。AパターンとBパターンだけ選ばしてあげる。激痛にのたうちまわるか、一瞬で潰れるか、好きな方を選んでね(はぁと)


「し、失礼しました。やっべ、しゃれになんねぇ。お嬢がブラックモード入ってやがる」


 ちょっと、冗談だよ!?

 なんで男性陣全員股間隠して距離取ったの!?

 しないよ、さすがに知り合いにはしないよ!?


「とりあえず、噂については口を噤んどこう。俺のせいでどっかの誰かが人生閉じることになっちまったら夜も寝られねぇ」


「しかし、ここの商品は変わったものが多いな」


 露骨な話題転換だねシオン君。

 はぁ、分かった分かった。


「えーっと、新方式の鍛え方だっけ。いいよ。教えるのは吝かではないけど代わりに働いて貰いましょうか」


「ん? 俺が働くのか? 自慢じゃないが接客業とか無理だぞ?」


「俺もこの体型の奴がイラッシャイマセとか言ってきたら絶対逃げられる自信があるが?」


「誰が接客しろっていいましたか。いや、実はね。水鎮祭の日にちょっといろいろイベントあるんだけど、どうにもゴブリンの集団が襲ってくるっていうイベントもありえなくはないんだよ。それで、そういう事が起こるとすれば集団がどこかからやって来るだろうから、二人にはその日まで街周辺に危険な生物群が来ないよう見回ってほしいんだよ。どうかな?」


「理由については良く分からんが、要するに冒険者として街周辺の脅威を調べりゃいいのか」


「それなら周囲の魔物倒すついでにやってもいいな。警護依頼と思えばすぐに済みそうだ。襲撃の確率は?」


「……1%くらい?」


 私が倒したゴブリン集団なら、イベント自体起こらないしね。しかもその線が濃厚という……おかしいな?

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