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248話・ロゼッタ、皆の意見を聞いてみるんだよ

「えー、そういう訳で、第一回この世界はゲーム世界とどこまで酷似しているのかー、会議、なんだよ」


 プライダル商会会議室、まずめったに使われないというか、使う予定すら無かったんだけど、さすがにちょっとこれは私の判断だけで決めるのはヤバいっしょ、ということで、事情説明してある面子と、ついでに頭のいい人をということでお集まりいただいた。


 リオネル様に今日一緒に来て下さいな。と頼んだら一緒にお父様まで着いて来た上にすでに客として来ていたお母様までなぜか一緒に会議に参加してるけど、気にしたら負けなんだよ。

 なんで一家総出なのかな? かな?


 今回の会議に参加するのは私とキーリ、クラムサージュ。

 そして私が異世界知識持ちだと知ってるお父様とリオネル様、ボーエン先生。

 知識的に意見が欲しいので無理矢理参加して貰ったルインクさん。

 そしてクラムサージュのアホが暴露しちゃったらしいエルフレッドさん、とソレを誘いに行ったら客としてきていたお母様。

 合計七人である。


 他の人にはいつも通り過ごしてもらうことにしたんだよ。

 あとA級冒険者で暇してたチームとライリー君達が暇だって言ってたから護衛に雇っておいたのでほぼほぼ問題は無いだろう。

 ……あ、影のおっちゃん人数に入れてなかった。

 おっちゃんも知ってたから強制参加なんだよ。逃げるな。


「さて。わざわざ私を引っ張ってきたということはこの会議、それ程重要ということだねロゼ?」


「え? お父様は勝手に着いて来たんだよ? あ、嘘嘘。お父様来て下さって私はとても嬉しく思いますわ」


 素で伝えたら凄くしゅんとしてしまったので慌ててフォローする。

 お父様、私の言葉で嘆いたり歓喜したりとせわしないけど、チョロくない?

 私の隣に居るお母様があらあら、と楽しそうに笑ってるよ。

 貴族邸じゃないからか、お父様の隣にいないからか、お母様が凄く人間的表情を見せている。あの一歩引いた感じがしないのだ。


「あー、っと、一応聞くが、俺まで参加する必要、あるのか?」


「ルインクさんにとっては知りたくない情報かもしれないけど、重要な意見くれそうだから強制参加なんだよ。秘密にしてね」


 秘密にしてね、と人差し指を唇にあてながらウインクなんだよ。

 ……うぉいそこっ!? なんで青い顔するかな!? ひぃっじゃないんだよ、影のおっちゃん、なんかワザとだよね今の!


「さて、まずは初めての人もいるのでかいつまんで説明するんだよ。ぶっちゃけますと、私とクラムサージュには前世の知識があります」


「え!? わ、私の秘密っ! エルフレッドさんにしか言わないつもりだったのにっ!」


「おだまりっ、そんな状況ではないんだよ!」


「ふむ、クラムサージュに最初言われた時は良く分からなかったが、その前世とやらがあったとして何か問題があるのか?」


「エルフレッドさんの疑問もごもっとも。それで、ですね。私達の前世ではとあるゲームがあっりまして、そのゲームは平民のヒロインちゃんが王子様やら宰相の息子さんやらと恋愛をして婚約者から略奪結婚するという内容なんだけど……」


「平民が貴族や王族と? 大問題じゃないかしら?」


 お母様、普通に私に前世知識ある事受け入れたな。お母様に教えたお父様?

 視線を向けると、お父様はぶんぶんと首を横に振った。

 教えてないらしい。となると、素で受け入れたのか、お母様大らかですね。


「ま、まぁそれはそういう物語を自分で選択して作り上げていくゲームなのでこの際矛盾点は放置してくださいませお母様、論点はそこではないですわ」


「あら、御免なさいね」


「それで、ですね。そのゲームの内容が、この世界と妙にマッチしておりまして。ボーエン先生といろいろ調べていたのですが、ここでクラムサージュのやっていたゲームと融合したような状況に発展しまして。まずはクラムサージュから」


「え? あ、うん。えーっと、水鎮祭が六月にあるじゃないですか。私のやってた錬金術のゲームだとですね、水鎮祭イベントでゴブリンの大発生が起こって祭りが台無しになるんです」


「ゴブリンの大発生だと!?」


「まぁ、怖い」


「……お嬢、凄く嫌な予感がして来たんだが、融合、とはそういうことかい?」


 お、ボーエン先生は気付いたか。

 そうなのよ、私としても冗談で片付けたいけど、ここでこの世界が私のやってたゲームとクラムサージュメインのゲームが混合した世界だという証明が出来そうな事柄があるのよね。


「ええ。私の知識にもあるのよね。攻略対象になっているライリー君が友人を失うことになったゴブリンの大規模集団戦闘」


 この世界では私がライリー君たち救ったんじゃないかと思ってたけど、時期が違ったのだ。

 本来ゴブリン達はこの時期まで攻めて来なかった。

 私が受けた依頼をA級冒険者達だけで行われることもなく、なんやかんやで伸びに伸びてこの時期にようやく行く事になってたんだろう、ゲームでは。

 そしてゴブリン達が徒党を組んで街に襲いかかって来るのが水鎮祭の日であったということだ。


「つまり、水鎮祭の日にゴブリンの集団が街を襲いに来ると?」


 お父様の言葉に神妙に頷く。

 出来ればお祭り騒ぎと行きたかったのだけど、どうにも戦闘に備えないといけないらしい。

 ゴブリン襲来の規模がどれ程になるか分からないけど、被害を出さないように……


「いやお嬢、それ多分来ねーぞ」


「ほへっ!?」


 しかし、私の懸案を即行否定する声が。

 しかもドア開いて闖入者である。


「あ。ライリー聞いてたの?」


「あー、すまん、お嬢にシオンってのが会いたいとか言ってるから伝えに来たんだが、一応ゴブリンの辺りから聞いてたんだがな。俺らつい先日ギルド長の願いで街の周辺捜索して来たとこなんだ。ゴブリンの大集団以前に集落すら皆無だぞ。どっから来るんだよそんな集団」


「え? それは……」


「そもそも、お嬢が潰したんだろゴブリン集団。キングまで倒して、ギルドのS級伝説で有名だぞ?」


「あー、え? じゃあアレで、終わり? いや、まさかぁ」


「んで、シオンってやつどうする? 今日は返すか?」


「あー。いや、その、そこのダイニングルームに通してお茶でもだしといて、もう少ししたら対応するから」


「了解」


 そして、ライリー君が去って行く。

 うぅ、なんか気まずい。

 対策練ろうとしたら事前に懸案潰してたんだよ自分で。

 ど、どうしようキーリ?


「あー、一応なぁ、守護者さんたちにゴブリンの集団遠くから来るか監視させとくわ。多分杞憂に終わるやろうけど」


「なんだ、既にお嬢がやらかした案件か」


「さすがはロゼだな。事前に手を打つとは」


「あらあら、さすがねぇロゼ」


 あれ? おかしいな。既に会議終了ムードなんだよ!?

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