23話・ロゼッタ、朝起きたら準備運動から
朝、起きるとともに深呼吸。
軽く身体を動かし体操してから服を着替えさせて貰う。
うーん、未だに慣れない。日本人としての知識があるからか人に着替えを手伝って貰うの慣れないなぁ。
一番最初に羞恥心が来るし。
でも貴族の娘として自分で着替えるのは、はしたないらしいし。
むしろ、他人に手伝って貰う方がはしたなく思えるんだけどね。
コルセットはいいってば。なんで皆コルセットなんて動きにくい物を付けさせようとしてくるの。
そんな鉄板はいりませんっ!
リオネッタが持って来た洗面器で顔を洗う。
洗面器といっても金属の板をへこませた料理で使うボールみたいな形のものだ。
風呂で使う洗面器とかではないらしい。その内、風呂桶と一緒に作れたらいいなぁ。
いつか、かぽーんってしてやるんだ。
庭に出て軽くラジオ体操。
頭の中でお決まりの音楽鳴らしながら深呼吸から開始する。
リオネッタが、何ですかソレ? みたいな顔で見つめている。
うぅ、なんかやりづらい。
運動が終わるとアキレス腱伸ばして準備運動。
股割りもやれたらいいけど一度やったら、はしたないって怒られた。
次やったら親に言うってリオネッタに言われたらさすがに行えないじゃん。
身体柔らかくするだけなのに。
身体が硬いと怪我が多くなるんだよ?
歩くだけで腱やら靭帯切れたらどうすんの?
ぶちっていうんだよ。周囲に聞こえるくらい凄い音しちゃうんだよ!?
軽いジョギングで屋敷を一周。
二周目からは徐々にスピードを上げて行く。
とりあえず十周くらいしちゃいたいけど、まだそれ程の実力がないから今は三周だ。
走り終えると息が整うまで適当に歩く。
急に止まるとこれもまた危ない。
心臓発作で倒れたくないからね。息が整うまでは歩き続けるんだよ。
気分は徘徊するゾンビだ。
「お嬢様、その持ち上がった手はなんなんですか……」
もう一度言う。気分は徘徊するゾンビだ。うがぁー。
可愛いゾンビでしょ?
え? だめ? 意味が分からない? 分かってないなぁ。
よし、ゾンビタイム終わり。
んー、折角だし前転とか後転とかもしたいなぁ。
体操っていえば新体操と器械体操だよね。
何ソレって思う人もいるかもだけど、簡単にいえばマットの上で演技を行うのが新体操。
男子は棍棒、棒、縄、輪の四種目が存在し、女子はリボン、輪、棍棒、ボールの四つが個人競技として存在する。はて、他にもあったっけ?
また、団体演技もあってこれは皆が揃うことと交差するようにバク宙したり道具をなげあったりすることで得点が増える競技だ。
まぁ、詳しく言えばもっと色々あるんだけど、器械体操との違いはここである。
では器械体操は、というと、よくオリンピックで映像流されたりしてるので分かるよね。
あん馬に吊輪にと、あ、こっちは男子だった。女子は平均台とかだよね。あれ? あっちって器械体操だっけ? 新体操の方だっけ?
ヤバい。子供の頃、見学に行ったの、男子の新体操と横で女子の新体操やってた競技だけだったから、うろ覚えだ。
まぁいいか。この世界じゃ知ってる人もいないんだし。
んー、流石にマットはないしなぁ。土塗れ草塗れになるとリオネッタが怒るだろうし。
何かいい方法ないかなぁ。
まぁ、これも後々だな。今は……はい、転回、側転、とりゃとりゃとりゃぁっ!!
「ああ、いけませんお嬢様ッ、危ない、危のうございますっ。って、きゃあぁ!?」
両手で思わず目を覆うリオネッタ。
その目の前では、私が足を踏みきって側宙にチャレンジしていた。
大車輪という側転の応用で、横向き回転するのだが、両手が地面につかないのだ。
だから頭が地面のすぐ上を滑空するというね、流石のリオネッタもびっくりだったらしい。
大丈夫、速度的に行けるって分かったからやったんだし。
ほい、着地成功。
「ダメですっ!」
えぇーっ。
「ダメったらダメです。今のは禁止、禁止ですっ! 危なすぎます!!」
まだ前宙もバック宙もロンダートからの伸身宙返りもやってないのに、入り口でダメ?
仕方ない。じゃあダンスにするよぅ。
ブレイクダンスもしちゃおっかな、でも絶対ダメとか言って来るしなぁ。
リオネッタの見てないところで練習出来ないかなぁ。
そんな事を思っている間に朝食の時間になった。
執事さんに教わりながらテーブルマナーを学ぶ。
日本で習ったテーブルマナーと一緒なんだよ。でも日本のマナーではなく欧州系の貴族的マナーなんだよ。面倒臭い。
お母様もお父様も私が怒られてるの見て凄く幸せそう。
お父様、大きくなってとか言うのは良いけど、私がテーブルマナーしだしたの数日前だからね? そこから毎日言ってるよ?
毎日大きくなってる気はまったくしないんだよ?




