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195話・ロゼッタ、さぁ、アレの準備と行こうじゃないか

 原因を突き止めた私は人面犬と交渉を行った。

 といっても、彼に危害を加えるようなつもりは無いらしく、ただ犬として過ごしたいだけらしいので放置でいいようだ。

 マスコットキャラとしても使えないし、私としても興味すら無いので放置でいいだろう。

 それにおっちゃんだから可愛い女の子相手にすると嫌な笑み浮かべてセクハラ発言し始めるし、ギャグは親父ギャグだからすごく寒いし。


 んで、バーテンダーに魔物の正体告げておく。

 人面犬自体は結構いるらしく、雑魚の部類らしいので放っておいても良いらしい。

 うん、依頼自体は簡単だったしSランク冒険者がやるほどじゃなかったけど、良い出会いがあったから私的には大満足だ。

 冒険者ギルドで換金と報告を終えた私は、早速鍛冶屋へと向う。


「よぉ嬢ちゃん。なんかこっちに嬢ちゃんが頼んだペンダント来てんぞ? なんで貴族用のこれがこっち来てんだ?」


「私が頼んだんだよ。折角だし向こうとおっちゃんに渡りが付いたらさ、ほら、これから連絡取りあったりでいろいろ相互利益になったりしない? なかなかないよ、貴族御用達の装飾鍛冶師と繋がり持てるって」


「そりゃまぁ、向こうも俺らが作ったもんに興味示して共同開発の話もできたがよ。いいのか?」


「おっちゃんたちには世話になってるからねー。少しくらい還元なんだよ。それに、今回のことでかなり負担かけそうだし」


 既に構想は出来ている。

 そもそも日本で使われていたモノを作りだすだけなので鋳型などを依頼通りにこなすのはおっちゃんたちだ。私は企画書を提出するだけ。


「お、おいおい、こりゃまた、何つー面倒そうな彫り物させる気だ!?」


「慈悲は無いんだよ。それで、使用用途なんだけど……」


 出来るだけ綿密に何を目的にしたものかを告げておく。

 納得した様子のおっちゃんだったが、さすがに時間は掛かるそうだ。それでも数日って、すごいなおっちゃん!?

 まぁ、あのおっちゃんの練習とかもあるし、材料の用意も必要だからもうちょっと掛かるのは仕方ないよね。


 材料の方は殆どあるから問題ないか?

 羊羹に使ってた小豆はあるし、小麦粉もあるし、うん、モドキは普通にできそうだ。

 そもそも何を使って作るのかは詳しく知らないけど、多分大丈夫でしょう。

 ふふふ、これでアレが作れるし、宣伝効果も抜群になりそうだし、さらに蓄音器が日の目を見るんだよ!! ふふふ、はーっはっはっは。笑いが止まらぬわ!!


「嬢ちゃん、悪い事ぁ言わねぇ。その顔は止めとけ」


「はぅっ!? 今どんな顔してた!?」


「そりゃぁ……見た相手を絶望に落としそうな顔……だな。見習い共には絶対に見せれねぇ。若い芽を摘み取るわけにゃぁいかねぇからな」


 え? そんなに?

 私の顔見ただけで鍛冶屋を志す若者が無理ですって辞表出すほど!?

 どんな顔だよ!?


「ま、まぁいいや。それよりこっちのペンダントは貰って行くんだよ」


「おう、金は既に貰ってるから問題はねぇ」


 アイテムボックスに貴族家証明のペンダントを入れていると、おっちゃんが一旦奥に引っ込み、何かを持って来た。


「今ンとこ出来てる物品だ。できるだけ要望書に似せたが、どうだ? こんなもんか?」


「おー、手裏剣だ。普通に手裏剣だ!」


 せっかくだからと頼んでみたけど普通に手裏剣が出来てしまった。

 十字型だけじゃなく円形型と卍形。ついでに五つの刃に分かれた奴と三つ刃の奴。

 私としてはどれがどの用途で使うのかわからないけど、いろんな種類あるからとりあえず思いつくだけ作って貰ったのである。


「さすがにあのマキビシだったか? ありゃ小さすぎて作るのはキツイ。ありゃ細工師に頼んだ方がいいな。あと個数は期待すんな。あんな小さいもん100も200も作れるか」


「ありゃー、さすがに無理か」


「おう、この苦無っつーのは出来たから三つ渡しとくな。持ち手の丸い部分が難しくてよ、数ができねぇ」


「いやいや、作ってくれただけ感謝なんだよ。ふっふっふ。パルクールも出来て来たし、後は衣装ね。これは夢が広がりんぐ」


「ああ、それとよ、こいつもできたぜ」


 と、再び奥に引っ込んで持って来たのは、巨大な十字手裏剣。

 そう、これも頼んだのだ。中央に持ち手を二つ付けた両手で扱うタイプの巨大十字。投げてよし、盾にしてもよし、近接戦闘もできる優れ物。

 アイテムボックスに入れておけば何処にでも持って行けるしね。

 ふふふ、忍者ごっこ出来る日も近そうだ。


 どっかの貴族邸忍び込んじゃおうかなぁ。

 いやいや、さすがに敵対貴族でもない場所に忍び込む訳には……

 敵対貴族……ねぇ、ちょっと金髪クソ貴族君の家からヤバそうなものかっぱらって来ようかなぁ。


「なんっつーか作っておいてなんだがよ。これ、使えるか? さすがに扱いが難しくねぇか?」


「貴族が欲しがる珍しい武器って奴なんだよ。お支払いするから値段をどーぞ」


 そして私は、満足のいく買い物で散財するのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ロゼッタ嬢、女忍者はくノ一なんだよ。(3文字重ねると女の字になるんだよ。) 但し、女性忍者の存在については史料に記録がないんだそうなんだよ。 でも、夢だねロマンだねなんだよ。
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