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1943/1986

後日談:セリエール、デーバルデ復興

SIDE:セリエール・デーバルデ


「凄いものだな……」


 私は祖国デーバルデが再建される光景を見続け、そして今、完成してしまった国を見て思わず告げる。

 事前に打ち合わせた建国予定図そのままの国が再建されている。

 正直ここまで復興するのに、通常ならば何十年と掛かるはずだ。

 その間人々は路頭に迷い、満足な食料もなく身を粉にして働くことになっただろう。


 治安も悪くなるだろうし、殺人強盗強姦、ありとあらゆる悪徳が横行し、国の体裁を保てなくなるのが先か、それでも必死に皆で力を合わせて国を再建させるのが先か。

 そんな覚悟をしていたのだ。

 ふたを開けてみれば、地図の作成に一月。外側の作成に一日。内装と外装塗装に三日。

 市民に開放し、家具の運び入れに一日。

 まさかの冬になる手前で国が再建してしまった。


 ライオネル兵とヴァルトラッセの共同作業はまさに奇跡の御業。建築士たちも脱帽もので、どうやって具材を手配しよう、と相談している間に国が建っていたという事実に開いた口が塞がらない用だ。

 市民はそんなコト関係ない、とばかりに自分の家があった場所へと向かい、思い思いに家具を運び入れ、新築となった家に喜びながら、ロゼッタ神へと感謝の祈りを捧げている。


 正直、双神教は一掃されたと言ってもいいくらいだ。しかし、それでも妹神は人々への粛清などはしていないため、今は双神教から名を変え、純愛神教として再スタートさせているようだ。

 ロゼッタ神の権能は創生、豊穣、育成、平和、軍神、護国、健康、純潔とされており、この地で行った無数の奇跡からこの権能があるとされている。


 無の星を一から改変し、ヴァルトラッセとエルフの住まう星にしたことにより、創生。

 米の改革等を推進していたことで豊穣。

 人々のパワーレベリングで育成。

 神による世界終末を未然に防いだ平和。

 その平和の貢献を担った兵士を育成し、供に戦い抜いた軍神。

 国を守る姿勢を貫いた護国。

 奇跡の霊薬により死者すら蘇り、死に瀕するものすら救う程の健康。

 そして生前より、神に成るまで守り通した純潔。


 かなりの加護があるため双神教から改宗する人々は後を絶たず、また、各地の支社にまで巫女が祈りに来ることでライオネルから聖女が動かない純愛神教よりも活発に人々の信仰を集めていたのである。

 デーバルデでもその勢いは増すばかり、新しく建てられたロゼッタ神教教会も連日連夜、信者がひっきりなしに祈りを捧げるために足しげく通っていた。


「お、デーバルデの国王。こんなところにいたのか」


「あ、ああ。ライオネル軍の。何か?」


「俺らの仕事は終わったんで引き上げさせて貰おうと思って、思いましてね。一度挨拶をと、すいません、俺あまり学がないもんで口調が上手くできませんで」


「ああ、ここは別にそう言った場じゃないからいいさ。それで、この先どうすればいい? 何か伝えてくれることはあるかな?」


「あー、っとアマルガムさんからは、建設は無事完了。地図から抜けた地区もなし。それでも何か建築で問題がある場合は連絡用の魔道具で連絡を。国の運営は国王主体でお願いしやす。あとは……そろそろ妻娶った方がいいんじゃねーですか」


 そこは放っておいてくれ。どうせ貴族たちが自分の娘を嫁に、といってくるんだ。その中から選ぶさ。

 とはいえ、そんな彼らもあまり持ち合わせもないし貴族としての格しかないからなぁ。この先潰れていくかもしれん。

 伯爵以下の者たちもかなり減っているからな。おそらくさっさと国から逃げ出してマギアクロフト側に寝返ったのだろう。


 機転が利く小悪党どもが居なくなってくれてせいせいする。

 おかげで国家運営の風通しもよくなった。

 この機に平民からいくつか貴族家を任命するのもいいかもしれんな。


「それでは、俺らは次の国行かせて貰います」


「忙しそうだな。そんなに国は残ってなかったはずだが?」


「小国が寄り集まったりしてたんでソレが細分化されることでいくつも国を作らないといけないんですよ。周辺の村に関しても村よりまず国なんで、そこに一旦住んで貰って、その後故郷に骨を埋めたいって人たちの声次第で村づくりが待ってるんです」


「他国のことなのにマメだな」


「俺らはライオネル軍ですが、気分は世界を守る兵、ですからね」


「ああ……そう、だったな」


 兵士たちが去っていく。

 ここから先はデーバルデの住民が紡いでいく帝国史の再開だ。

 私も帝王の一人として国を運営していこう。

 他国侵略は行わず、自国を富ませ栄えさせるために、この身を賭して。


「さぁて、王様としてやっていきますか」


 覚悟と決意を秘め、私もまた、歩き出す。

 新たなデーバルデの国へと向かい、王城の頂にて国の運営へと携わる。

 さぁ、日常を始めよう、この国が、長らく平和であるように――――

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― 新着の感想 ―
 なんかロゼッタが怒るか拗ねそうな権能が……。 >そして生前より、神に成るまで守り通した純潔。
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