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1881話、リオネル、強化兵培養槽破壊作戦

昨日投稿したつもりで投稿してませんでした。<(_ _)>

SIDE:リオネル


「おっお、おー。おっお、おー」


 緑の少女が楽し気に歩く。

 できれば声を出さないでほしい。

 誰かに気付かれたらどうするんだ?


「もう遅いですよリオネル様。私たちがここにいることくらいはさすがに気付かれているでしょう。それで敵が来ないのなら、誘われているのか、対処する必要がないか、あるいは出来ない状況か」


「最後のはなさそやなー。相手神やしー、二番ちゃう? ウチ等が何したって自分の負けはないから対処の必要ないわーって放置されてんの」


 それはありがたいというべきなのか、あるいはふざけるなと憤るべきなのか。

 地下への階段をいくつか降りて、最下層と思しき場所へとやって来る。

 ここは広間か?


 真っ暗で何も見えないが、階段を下りた先は何もない平面だった。

 風魔法で全体を把握してみるが1キロ四方は壁がない。


「ここにいた強化兵たちはもう出払った後かしら?」


「天井開いとるし、そっちから出てったんやろ。えーっと、あー、あっちの方に穴開いとるから、そこから出てったんやね。ところで新しい強化兵はどっから出現しとん?」


 ここまでの上部にある培養槽からだろうか?

 ん? 前方に一人の生体反応がある。

 ロゼ。


「ええ。この感覚はヨーデリヒじゃないわね。生体反応だし神でもない。残ってるのは……」


「ペルグリさんやなー」


 ペルグリッドか。こんな場所にか?

 僕たちは警戒しながら生体反応へと近づいていく。

 するとそこには……


「ごきげんよう、皆さん」


 ロッキングチェアという奴だろう。

 王族が座りそうな荘厳な造りの椅子に身をゆだね、ゆらゆらと揺れる女の姿。

 驚くべきは、そのお腹、か。


「しばらく見ない間に太ったんじゃないペルグリッド」


「あら。これを太ったと思うなんて、ロゼッタはまだ妊娠したことはないのね。ふふ。母親になるのって凄く素敵よ。大好きな方と私の子が、ここにいるのよ。凄い奇跡じゃないかしら?」


「妊娠!? いやいや、ペルはんあんたそんな臨月間近になっとるやん。前に報告あったとき普通に動いてる言うてたし、妊娠の兆候も報告されとらんよ。いつ妊娠なんてしてん!?」


「一週間くらい前かしら?」


「なんでやねん!」


「あら。そりゃあ人の子なら十月十日くらいでしょうけども、この子は神様の子だもの」


 神の、子? まさか!?


「あんたまさか。兄神の子供産むの!?」


「ふふ。そうよロゼッタ。私が勝つの。神の妻となって勝ち組になるのよ」


 くすり、笑う女は美女のはずだった。けれど僕には、どこかいびつな、悪魔のような笑みに見えた。


「……ペルグリッド、マギアクロフト強化兵たちの培養施設はどこ?」


「今更遅い気がするけれど……向こうに列をなしているの、見えない? 丁度この部屋の一つ下から這い出て来てるでしょう。これ以上は掘れなかったのよ。地面が汚染されてるとかでね。私がここにいるのも、この子の神気によって穢れが階下を侵略してしまわないように、って理由だもの。貴方たちとの戦争が終ったらね。私、神の世界に行くの。それまでここにいるだけの簡単なお仕事。ふふ。せいぜい頑張って抗うといいわ」


 もはや敵対するほどの相手とも思われてないようだ。

 残念だが急いでいる身でもあるので、彼女は放置して、群がいるという場所へと向かう。

 ほとんどこの階層に留まってはいないが確かに下から這い上がっていく気配はある。

 しかし、気配察知に反応しない?


「おそらくペルグリッドのお腹の子? による神気とやらで魔法が阻害されてるのでしょう。この階層だけは魔法が効くけど外界と遮断されてる、みたいな感じかしら。とりあえずこの階層に下らしいから。さっさと行ってさっさと壊しましょう」


「それがいいだろうね。行こうか」


 僕らは穴の中へと身を躍らせる。

 瞬間、気配察知に無数の強化兵たちの反応。

 穴を這いあがっている強化兵たちの真横を通り抜け、僕らは最下層へと降り立った。


「ひいぇぇ!? なんやこれぇ、強化兵祭りや!」


「凄いな。これが神気とやらで全く感知できなかったのか」


「幸い、こいつらは外に出ること優先みたいね。放置して奥に進みましょう」


 強化兵たちを掻き分けながら最奥へ。

 そこに、ほとんど原型を留めていないヨーデリヒが待っていた。

 肉の塊に押し潰された顔の彼に、僕は問いかける。


「凄い姿だな。ヨーデリヒ王」


「ふふ、生まれカわった気分、さ。君もナルかい?」


「申し訳ないけれど、生身のままがいいって婚約者に言われてるんだ」


「そうカい。でも、その婚約者、負けタぜ?」


 ……え?


「今更ここヲ破壊したところで、敗戦必至、どうスる? 無駄なことを、すルのかな?」


 ロゼッタが……負けた?

 嘘だ。そう告げたところで意味はないだろう。何より、それが事実なのだと、ロゼの唇を噛む姿がものがたっていた。

 そんな、ロゼッタ……

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