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1822話、バンディッシュ、親竜共和国防衛線1

SIDE:バンディッシュ


 士気は上々。

 敵も雑魚が群れてくるだけだから今のところは順調だ。

 バルガスの阿呆を他の兵士に頼んで無理矢理俺の元へ連れて来て貰った。

 この野郎ぶつくさ文句言いまくってたからげんこつ落としてやったら即座に兜を装着しやがって俺の拳の方が壊れるかと思ったわっ。

 マジでイラついたのでコブラツイストで〆てやった。


「あー、痛って。バンディッシュ、もうちょっと加減しろよ」


「最初のげんこつ食らってりゃそれで終わってたんだよ阿呆が。ったく、大将が何勝手に一般兵に紛れてんだ。楽できると思うなよバルガス」


「別に楽するつもりはねぇって。ほら、俺率先して宣誓するタイプじゃねぇじゃん。さすがにここに居たらお前俺にやらすだろ」


「当然だろ。なんで俺が宣誓宣言しなきゃなんねぇんだよ」


「いやいや、充分良い演説だったと思うぞ。なぁルギアス」


「うむ。さすがライオネルの隊長格は違うな」


 すでにライオネル兵は隊長云々よりも区分けされてるけどな。

 軍階級によって役割も結構変わるんだぜ?

 俺らも最近は書類整理が多かったし、現場から離れてることが多くなってたんだからな。

 まぁだからと言って訓練しない訳じゃないから動きが衰えたりはしてねぇけども。


 ほんと、お嬢は鬼畜だぜ。

 役職が上がる程仕事が山積みになってきやがる。

 体が訛らない程度の訓練をしながら書類とも格闘しろとか無茶振りだぜ。

 まぁお嬢の授業のおかげで俺みたいなのでも十分書類整理ができるんだがよ。


「しかし、暇だな」


「ンだよバルガス。向こうに居ても暇なのは変わらねぇだろ?」


「談笑が出来ただろ。ウチの兵士たちと」


「ざけんな。お前だけ暇潰しなんざさせるか。俺の暇潰しに付き合いやがれ」


「おいバンディッシュ、テメェここに俺を連れて来たのは暇潰しかよ!?」


「大物が動かねぇんだからしゃーねーだろ。つかあいつら無駄に軍としてまとまってね?」


 強化兵は精神が壊れているので本能的に行動し、破壊活動に従事する。

 しかし、今ここで敵対している強化兵は、レベル300以上1000以下ですら隊列を組んで迫ってきている。


 他国の兵士たちが独自の戦法で戦っているのだが、敵も軍として機能しているせいでちょっと苦戦しているところもあるらしい。

 すげぇな、基本拳振り回すだけなのに、波状攻撃してきたり、ジェットストリームだっけ? なんかそんな感じの三位一体攻撃してきたり、最後の一人が本命だと分かってなければ大ダメージ受けちまうぜ。

 あ、他国の兵が吹っ飛んだ。


「ブライアン、お前が近いみたいだからちょっとあいつ回復してくれ」


 念話を送ってライオネル兵を動かす。

 たまに大失態繰り広げる他国の兵がいるせいで意外と忙しいな総司令官。

 

「おい、総大将、俺らの出番はまだか!」


「ああん?」


 急にイラっと来る声が聞こえたので、誰だ舐めた口聞く奴は。と思って睨みつけると、ンだよお前かよ。


「中型兵が動くまで待てよザントベルグ。ったく、なんでお前らの御守りを俺がやらにゃならんのだ。フェイルに任せろよフェイルに」


「こっちに回されたんだから仕方ねぇだろ。ほらヒューマ、お前も大将に意見言ってやれや」


「えぇ、意見なんてないですよ!? そもそも僕まだ伍長ですよ!?」


「かー。いいかヒューマ、せっかく俺が認めてやった実力持ってんだからよ。貪欲に這い上がれや。功労の稼ぎ時だぜ今!」


「だからよぉ、はやるのは分かるがもうちょい待て。他国の兵にも戦って貰わねぇと、俺らがあの強化兵にかかずらわってると、ほれ。あの巨大強化兵誰が相手取るつもりだ?」


 町門の壁上から見える大型強化兵。かなり遠くにいるはずだが、それでも大きい。


「おいおい、アレ倒せるのか?」


「ザントベルグ、倒せるか、じゃねぇ。倒すんだよ。ほれ、中型強化兵どもが動き出したぞ。戦闘準備に入れ」


「お、来た来た。行くぞヒューマ!」


「は、はい!」


 なんやかんや言いつつもあの二人バディ組みだしたみたいだな。


「なんか初々しいねぇ」


「そうかぁ? もう年季入ってるだろあいつらも」


「ヒューマの奴まだ伍長なのはなんでだ?」


 そういやあいつ未だに伍長だよな? 曹長辺りになっててもいい頃合いだろ?


「ザントベルグがまだ部隊の兵士全員の位アップ依頼を出してねぇらしいぞ」


「あいつ忘れてんじゃねぇだろうな?」


 まぁ戦い終わって死んでなけりゃ進級依頼出すよう伝えてやるか。


「むほぉ! ルギアス見ろ! あ奴ら羽生えとるぞ。純白の羽にガチムチ体型の肉達磨とか、どんな天使じゃ!」


「うーむ、アレが天使だなどと信じたくないな……」


 ほんとになぁ。神様の精神性疑うぜ。せめて美女の姿なら……戦いたくねぇからまだこっちの方がマシか。

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