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179話・ロゼッタ、私への客が多いんだよ? その5

「とりあえずバッグに入るのはこの位かな?」


「あー、一応聞かせてくれ。今入ってった魔物の死骸とドロップ品、あれって何処で狩った奴かね?」


「え? あー、邪神洞窟90階層あたり? キーリとどっちが多く狩れるか競争してたら大量に余っちゃって。てへぺろ?」


 ふっと視線を上に向けた冒険者ギルド長、ライゼリュート。

 目頭押さえて呻きをあげながらしばし。

 ふぅっと肩の力を抜いて視線をこちらに向ける。


「了解した。これらは冒険者ギルドが責任を持って売ろう。というか、売るしかあるまい」


「ええ。お願いいたしますわ。それで、他にご用は?」


「今の所はないな。目的としては店の視察と君に冒険者ギルドに来ても問題がないことを伝えることだけだったからな」


「ふむ、では次は魔術師ギルドの我々じゃな」


 で、なんで皆さん私の前の席に移動するのかな?

 入れ替わりの時間がもったいない気がするんだよ?


「悪いんじゃが、キーリを呼んでくれんかね? 一応彼女も居た方が良いかと思うのじゃが」


「はい、了解しましたわ。リオネッタ、お願い」


 傍に控えていたリオネッタがキーリを呼びに向った。


「それと、人払いをした方がいいかもしれんの。キーリに関わることと言えば主なら察せよう?」


 キーリのこと?

 それで人払いって言ったら……もしかして?


「あ、別にそこまで隠すことじゃないからいいかも? でも冒険者と商業のギルド長さんたちの正気度が心配なんだよ?」


「え? 私がまた正気度失うくらい爆弾発言まだあるの?」


「う、うぅ、さすがに許容限界じゃ。しかし、しかしじゃ、今、ここで聞いておかんとそちらの方がマズい気がする。聞かせて、貰おう。ああ、ステイツは部屋から出ておれ、もう限界じゃろ?」


「申し訳ありません、そうさせていただきます」


「あ、では私も」


「ちょ、ペレーラ!?」


「ご武運を、ギルド長」


 ペレーラさんがギルド長切り捨てて逃げだした!?

 さすがに許容限界だったか。仕方ないよね。

 でもギルド長なせいで情報を聞かずにいる訳にも行かず、ライゼリュートさんは居残ることを自分で決めた。


「主様。何か用ー?」


 あ、丁度キーリが来た。

 キーリは隣においで。

 さぁって、魔術師ギルドのギルド長さんは……いや、むしろこれ、ゲルタさんの方が発覚させたっぽいな。

 めっちゃくちゃワクテカした顔でこちら見てる。


「あー、覚悟を決めて、聞くかの。一応、先に言っておくが、ゲルタがそうではないかと言っておったので、な。一応確認しておかんといかんのじゃ」


「ええ。どうぞ確認くださいな。キーリ、大人しく聞いていてね?」


「はいはい、了解やで」


「で。では、聞くぞ。キーリ。いや、そこにおるのはキーリクライク・プライダル。邪神洞窟に封印されておった邪神、なのではないか?」


「あらぁ」


「……はぁ?」


 魔術師ギルド長……カルロッソさんだっけ。彼の言葉に面白そうにあらぁっと眼を細めるキーリ。

 言われたことが理解できずに、はぁ? とアランザムさん。ライゼリュートさんは無言で虚空を見上げた。


「根拠はありまして?」


「ゲルタの収集した情報、としかいえんのじゃが」


 お婆ちゃんの情報収集能力凄いな。


「お婆様。その情報収集能力、わたくし欲しいですわ」


「おやおや。それじゃぁ質問の答えを貰わんとの」


「……答えはイエス。こちらが封印されし邪神。キーリクライク・プライダル。略してキーリよ」


「なんやぁ、もう言ってしまうん? まぁ主様がええならええんやけどもぉ。ほぅなら、皆さんよろしゅうなぁ」


「う、嘘……だろ? え? 邪神? 外、出てる?」


「しかし、よく、外に連れて来たのぅ。殺されんかったんか?」


「死んでたらここにいないんだよ。あと、キーリに関しては、その、テイム済みなので。……キーリ」


「はいな。これ見せればええんやね」


 テイムの証を皆さんに見せるキーリ。誇らしげなのはなぜなのかな?


「て、テイム? 邪神を? テイム? はは。これは夢か……」


「あぁ、正気度が、正気度が削れて行くのが見える……」


「ふぅ、ゲルタの言った通りじゃったか……なんとまぁ、長生きはせんがよいのぅ」


 なんかギルド長三人の目からハイライトが消えたんだよ?


「くっほぉぉ。凄い。凄いぞお嬢! 邪神をテイムじゃと。なんじゃそれ、詳しく、詳しく聞かせとくれ。儂の情報網について教えちゃる。どうじゃ? どうじゃ!!」


 むしろ、私の方がメリット多い気がするのは気のせいかな?

 まぁいいか。ご本人が聞きたいみたいだし。

 それじゃー教えちゃうんだよ。あ、キーリはもう用事済んだから帰っていいんだよ?


「いけずやわぁ。でもそんなとこが好・き。きゃっ、言っちゃったぁ」


「遊んでないで仕事してね。はい、行った行った」


 しっし。とキーリを追い払う。邪神相手に何つー扱いしてんだお前はぁっとか血相変えたライゼリュートさんが吼えてたけど、私とキーリの関係って普通にこんな感じなんだよ?

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