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1792話、ロゼッタ、神味方宣言

 私たちは空を見ていた。

 空には先ほどまであった映像を映すディスプレイと同じものが出現している。

 兄神さんまだ何か言うつもりか?


【ザ……ザザ……世界中の人間さん、少し私の話をお聞きなさい】


 あ、今度は優し気な女性の声だ。

 これは兄神さんじゃないわ。


【先程双神たる我が相方が宣言したことを真っ向から否定いたします。ライオネル王国ロゼッタ・ベルングシュタットに味方するモノに我が祝福を。神として現界することはこちらの都合で出来ませんが、一週間後、我が加護を授けましょう。マギアクロフトなどに侵略されて嘆く必要はありません。愛すべき人間よ。どうか世界に純粋なる愛を満たしてください】


 妹神だ。

 どう考えても妹神だよ。

 一応兄神のやらかしでマギアクロフト一人勝ち、という構図だけは回避できそうだ。

 ただ、これは双神の争いが現世に波及したような状況になってない?

 

 ま、まぁ私としては妹神様がこちら側についてくれるのは嬉しい誤算だけど。

 様子見するかなとは思ってたけどこっち手伝ってくれるとはなぁ。

 ありがとうございます。

 ま、純愛を見たいから肩入れするだけであって基本中立なんだけどねあの神。


 なんかいろいろ言いたいこと言って放送が終る。

 うん、まぁ、その、なんだ。


「ロゼッタ嬢、今の魔法みたいなこと、君も出来たりするかな?」


「出来たら何かするんです?」


「一週間後、全世界に鼓舞を、と思ったけどさすがに無理か」


「さすがに無理ですね、いや、でも雨粒を使えばディスプレイとしては活用できるか? 竜珠を使ってプロジェクションマッピングみたいに……いやいやさすがに世界中にあんなの無理無理」


「一応出来そうなのが怖いところだな」


「いやー、あはは」


「で、では陛下、会議の準備に向かいます」


「あ、そうだったな。頼んだ宰相」


 では私もお暇しましょうか。

 とりあえず一週間時間が出来たんだし、ロゼたちと協議しないと、会議、って程のことはいらないかな。

 それと……一般人の希望者に竜の谷ダンジョンレベリングするべきか考えなきゃ。

 

 一応会議に出席しろってことなので、会議室で時間でも潰しますかね。

 陛下に暇を告げて王の間を後にする。

 謁見の間を通って会議室へ……って、そこの兵何か?


「お嬢、アルマティエ様より教会に顔を出してほしいと」


「教会に?」


 まだ全員に連絡行くまで時間あるだろうし、先に行くか。

 会議室へと向かう足を王城入口へと変えて外へと向かう。

 教会あんまり行きたくないんだけどなぁ。

 

 久しぶりのライオネル王国なのでパルクールしながら教会へ。

 いやー、街並み走りながら見るのもオツだねぇ。

 っと、私に驚いた猫がおっちゃんの頭の上に落下しちゃった。


 おっちゃんと猫の運命の出会いみたいなイベント発生してるけど、まぁ気にしない気にしない。

 瞬く間に教会へと辿り着いたので正面入り口から入る。


―― おのれロゼッタ・ベルングシュタットまた性懲りもなく来おったか! ――


―― はいはい、邪魔ですよお兄様。彼女は私が呼んだの、こっちはこっちで女子トークだからお兄様しっしっ ――


―― むぅ、まぁいい。しかしお前があいつのフォローに入るとはな、意外だったぞ ――


―― あら、私前から言ってましたよ。ロゼッタさんの純愛見てるって。その邪魔をするんですから私も邪魔していいですよね? ――


―― ふん。構わん。こちらは俺自ら采配するのだ。神々のルールを守っているままなら負けることはあるまい ――


 ほらぁ、やっぱり雑音入って来るぅ。


「ロゼッタさーん」


「あ、サクリファちゃんおひさー」


 駆け寄って来たサクリファちゃんと両手タッチでご挨拶。

 すると、彼女は私の手を取って駆けだす。


「アルマティエ様がおまちです。こっちこっち!」


 サクリファちゃん元気だねぇ。

 はいはい、着いてくよー。

 サクリファちゃんに手を引かれ、地下の礼拝堂へと辿り着く。

 あー、前に来たなぁここ。

 確か神との交信が出来ない場所だっけ?


「あ。来ましたねロゼッタさん。映像見ましたよ。今回の敵、随分強いみたいで」


「あー、見たのか。アイツほんとヤバかったよ。おそらくだけどマギアクロフトにはアレが大量にいるんだろうね。そんなのと戦わされたら、いくらこっちの戦力があっても、ほぼ確実に負けるでしょうね」


「一体にロゼッタさん三人くらいじゃないと勝てないんでしょ。そりゃ、絶望だねぇ」


「とか言いつつそこまで絶望的な顔じゃないよねアルマティエ。用事は?」


「アローライズ魔王国に向かってください。そこで魔王から端末体を貰ってください」


「端末体?」


「はい、兄神様がやらかしている証拠集めを行う端末体だそうで。ちょうど眷属が近いアローライズ魔王国に降臨できたそうなのですが、さすがに自力でここまで来るのは大変らしく、妹神様よりロゼッタさんに迎えに行かせるよう神託がございました」


 さっき言えばいいのに。あ、そうか。上だと兄神が聞いてるからここで告げるしかないのか。

 面倒だねぇ全く。


「あと、妹神様からまもなくだと思うからとにかく生存して時間を稼ぐように、だそうよ」


 どゆこと?

 私の疑問に、アルマティエはさぁ? と小首をかしげるだけだった。

 まもなくって何の話よ?

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