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177話・ロゼッタ、私への客が多いんだよ? その3

「……気のせいかの? 妨害して来た商会の方が、潰れる?」


「え? だって、商人といっても平民でしょう? 貴族の所有物に何かするというのならソレ相応の負担は背負っていただかないと。とりあえず、商会長は死刑確定かしら」


「……ん? 貴族?」


 お爺ちゃん素で理解できてないようだ。小首傾げてる姿、可愛い。

 なんというか、マスコット的な可愛さがあるね。


「ん? なんだ爺さん、知らなかったのか? こいつはロゼッタ・ベルングシュタット。侯爵家の御令嬢様だぞ?」


「……侯爵、令嬢?」


「つまり、まぁ、ちょっかい掛けた商会の方が潰れるのは必然だわな。可哀想に。知らずに高位貴族に喧嘩売ることになるんだからなぁ。商店燃やしたりしようものなら一族郎党処刑だし」


「そうじゃのう。ロゼッタ嬢にちょっかい掛けようとするなら婚約者のリオネル王子を伝って王族も動くやもしれんのぅ」


「え? 王……族?」


 冒険者ギルド側と魔術師ギルド側から私が取り巻く状況を教えられた商業ギルドの主はただただ呆然と眼を見開く。

 これは、驚き過ぎて理解しきれてない顔だね。


「まぁ、その辺りは良いとして、他にお話はございまして?」


 あ、だめだ。お爺ちゃん思考停止中。


「えー。その、ロゼッタ様はこの商店をどのように経営して行くつもりなのです? 我がギルドとしてはトラブルを起こす商店に補助を行うのはあまりよろしくないのです。自分からトラブルを起こすような方だった場合、粛清対象になる可能性があるのですが……」


「それはおかしなことをおっしゃりますわ。私の商店は挨拶周りを行い競合店から手酷い扱いを受けないようにと細心の注意を計らせていただきましたし、冒険者を雇い犯罪率も減らしておりますでしょう? 店員についても自分で見て雇う者を決めておりますし、店員たちにはトラブルを自分から起こさないように徹底しておりますわ。ついでに人攫い等もされないよう目印も付けております。これでトラブルを起こす相手がいるというのならば、それは商店云々より私に対する敵対でしかありません。ええ、侯爵令嬢ロゼッタの所有物に対する敵意、それに関しては侯爵家全力を以て対処いたしますわ」


「くひひ、さすが嬢ちゃんじゃのー。店員たちに目印、のぅ、それ貴族の所有物宣言メダルのことじゃないかの。つまり、この者に危害を加えることは侯爵家への敵対を意味する、じゃろ」


「まぁゲルタお婆様ったら。良くおわかりですわ」


 私とゲルタお婆ちゃんがうふふふふ、おほほほとさわやかに笑いだす。


「なんというか、恐ろしい商会じゃな。ではロゼッタ嬢、このこと、大店に伝えても問題はないかの?」


「別に私の出生については隠してないんだよ? ちょっと調べればすぐわかるし、でも、無用なトラブルが減るならむしろ喜ばしいんだよ」


「了解しました。で、では、我が商業ギルドは基本放置で、用事があった時は通常は使いのモノを寄越しますが、私が向った方がよろしいですかな?」


「あー、貴族だからかしら? そこは普通にオーナー相手と同義でいいですわ。使いの方が来て下されば私か店長のエルフレッドがお伺致します」


「了解しました、そうなると、貴族としては敵対者や犯罪者にのみ適用、通常は他の商店のオーナーと同じ扱いを望まれる、と思ってよろしいですかな?」


「ええ。別に好きこのんで敵対したい訳でも貴族として商業に幅を利かせたい訳でもありませんの。目指すは自分で自由にできる資金の確保、街からの浮浪者の削減、子供たちの識字率、就職の向上、今はまだですが、その内誼の出来た大店おおだなに子供達を研修に行かせられたらと思っておりますの。他の店の働きを見て学べたら、と思っていますのよ」


「それは、さすがに技術流出などの危険があるのでやってくれんのでは?」


「ですから考えているだけ、ですわ。安心して送り込める場所が見付かるまでは妄想の類ですわね」


「無理強いはせん、ということか。もしそれが行われるようになればギルドを通してほしいところじゃの。さすがに何が起こるか分からんので監視役を付けさせてもらわねば」


 まぁ、それも可能性の話だし、まだまだ先の話でしょう。


「ギルド長さんも復帰したようですし、他にお話はありまして?」


「ギルドとしてはプライダル商店の立ち位置が分かればよいのでの、これでしまいじゃ。しかし、今日だけで驚きの連続じゃったわい。もう一生分驚いたんじゃないかの?」


「いやー、さすがにそれはねぇな。まだ驚くだろ」


「この嬢ちゃんちょっとオカシイからのぅ」


 ちょっと、8歳の女の子相手にちょっとオカシイってどうなのよ。

 あ、もうすぐ9歳になるんだよ。誕生日楽しみだな。


「んじゃー、次は俺の方から報告かな」


「そうですね。では折角ですし商業ギルドと場所代わりましょうか。さぁさぁ御二人はこちらに、ロゼッタさんの対面で話させてください」


 何か知んないけど商業ギルドと冒険者ギルドが場所交換しました。わざわざ動くのって面倒じゃない?

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― 新着の感想 ―
[一言] 情報に疎いものが大成できない商業ギルドの長が情報もマトモに持ってないとか大丈夫なん?(笑)
2022/01/06 19:09 退会済み
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