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1634/1986

1620話、とある少女、私でもできますか?

SIDE:???


 その日、私たちは空地に集合していた。

 本日から部隊訓練を行うということで、ここに来るよう言われたから来ました。

 私設騎士団への入隊。お給料が出るって聞いたから、お母さんの薬代が稼げるだろうと思ってダメもとで面接受けたら受かっちゃった。


 私なんかでも務まるのかな?

 年は関係なく、やる気があることが第一だって言われたし、大丈夫、だよね?

 広場に集まってる人はオジサンが多い。けど女の人も一定数いるし、私と同じような子供、ソレに見るからに浮浪者だって人も見える。

 

 知り合いはいないので不安気に開始時間を待っていると、私の元に男の子が三人やって来た。

 ちょっとにたにたしてるからあまり話しかけたくない人だ。


「よー、お前も訓練受けるの?」


「あ……はい」


 それでも話しかけられたので反応しない訳にもいかない。

 少し警戒しながらなんとか声を絞り出す。


「ふーん。なんか弱そうだけど大丈夫かー?」


「はは、そう言ってやんなよー。まぁアレだ。ついていけなくてもしゃーねぇし、俺らが守ってやんよ」


「そうそう、女は黙って守られてろっての」


 なんなのこの三人。

 私のこと知らないくせに、いきなりついていけないとか、弱そうとか。

 むぅぅ、なんかこの三人には負けたくないっ。


「こぉら少年共、女の子をイジメないっ」


「なっ、いじめてねぇし!?」


「ちょっとフレンドリーに話しかけてただけだろ!」


「うっさいんだよぶーす! あ、いひゃいいひゃいっ」


「ほほぅ、女の子酷いこというのはどの口だぁ? あーん?」


 三人に声を掛けられ不機嫌になっていると、近くに居た女の人が助けに来てくれた。

 十代後半くらいのお姉さんは、ぶーす、と言ってきた少年のほっぺたをつねって仕返し。


「お、おいやめろよぉ!」


「暴力反対!」


「ちくしょー。覚えてろオーガ女!」


 なんか捨て台詞残して逃げてった。


「まったくもう、ちょっかい掛けるんじゃないよー」


 お姉さんは私に振り返り、困ったように息を吐く。


「全く、あいつらなんなんだろーね?」


「そうですね」


「私、シュクネ、貴女は?」


「あ、はい。テテといいます」


 変な名前、と自分の名前を思ったことは何度もある。けどお母さんとお父さんが付けた名前らしいから、変えることはできないんだって。


「どう、せっかくだし一緒に頑張らない?」


「えっと、いいんですか?」


「私も記念に程度で受けただけだからさ。続くか不安なんだよね。同じ女の子が頑張ってるなら私も頑張ろうかなって」


 そっか、知り合いがいれば辛くてやめたくなってももうちょっと頑張ろうって気になるよね。

 よし、一緒に頑張ってみよう。


「あの、足引っ張っちゃうかもだけど、それでもよければ」


「いいよいいよ。私も運動とかあんまし得意じゃないし」


 私は幸運だったかも。一緒に頑張れる相手が早々に見つかったのは嬉しい誤算だ。

 頑張って訓練して、お金貰って、お母さんのお薬買うんだ。

 

「はーい、皆ご機嫌如何ー? 本日はお集まりいただきありがとうございまーす」


 あ、面接のところにいたお姉さんだ。

 目元がきついから睨まれてるような感じがしたんだけど、実はアレで普通の顔なんだって。

 怒ってないし気分を害してもいないんだって。


 なのに普通の顔で座ってるだけで圧迫面接になっちゃうからできるだけ気にしないようにしてね、って面接の時に笑いながら言ってくれた。

 でもその笑いも冷笑に見えたからちょっと怖かったんだ。内緒だよ。


「さて、本日の訓練ですが、軽くストレッチをして周囲を走って貰います。まずは準備運動から始めていきましょう。最初なのでここの敷地大回りで一周を目標にしましょう」


 まずはストレッチ、といいながら、自分の動きを真似るように告げてくるロゼッタさん。

 あ、貴族だそうだからロゼッタ様と呼んだ方がいいのかな?


「そこの浮浪者。ストレッチも出来ないくらいフラフラじゃん。これをお食べー」


 ふらふらの浮浪者を目ざとく見つけたロゼッタ様はすぐさま彼の元へと向かい口に何かを押し込んだ。

 すぐに戻ってくると、土魔法で高台を作ってストレッチを始める。

 まずは両足を前後に開いて腰を落とす。

 うわ。これ結構大変かも、意外と足が痛いです。


「あまり力を入れ過ぎないように、アキレス腱を伸ばす運動だけど、伸ばし過ぎて切れたらダメなんだよー」


 キレるの!? 怖いよ。

 このちょっと足が延ばされて痛い感じのがアキレス腱かな。これ切れちゃうの!?


「はい今度はこれー」


 ストレッチをいくつか行い全身をほぐす。

 なんだか結構痛かった。

 でも痛かったおかげかちょっと身が軽くなった気がする。


「それじゃー二人ずつくらいを目安に走ってこうか。ここを一周、行ってみよう」


 大人に混じって子供や浮浪者、お爺さんお婆さんが走り出す。

 お爺ちゃん杖つきながら小走りしてるけど、ちょっと怖い、こけたら大惨事になりそうだよ?

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― 新着の感想 ―
テテちゃん、お母さんが病気ならロゼッタに一言言えば良いだけだよ、エリクサーとネクタルなんて有り余りすぎて使い道がなくて困ってるくらいなんだからむしろ良い使い道になったと感謝されるくらいだよ
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