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150話・ロゼッタ、悪役令嬢式従業員育成法4

「ここが、トイレ?」


 皆、一階にあるトイレの前にやって来るとやや戸惑った顔になる。

 トイレというもの自体が分からないのだろう。


「排泄だよ。わかるかな?」


「俺は分かるが、トイレなんて貴族邸じゃないとお目にかかれないだろ。いや、この国には公衆トイレがあったな。俺らは利用すらできないけど」


 ストリートチルドレンはいくつも自分たちのテリトリーを持っており、公園回りは大人どもが陣取っているので下手に向かうと襲われるらしい。

 何その弱者の中での弱肉強食は。貧民に落ちるとそこまで危険なのか。

 ちなみに、浮浪者たちは市民には襲いかかったりしない。

 その判断は身綺麗かどうか。普通の服着てる人襲ったら衛兵が大挙して襲いかかって来るからね。まして貴族に襲いかかったらその場で殺されても文句言えないし。


 トイレの使い方を説明して、実際にレコール君に使って貰う。

 出て来る少し前にうひゃぁっと女の子みたいな声出てたけど、うん。きっと小宇宙が展開する程新感覚だったんだよ。

 ウォッシュレットは文明の利器なのさ。


「こ、これは凄いね。あっちは、男性用?」


「よくわかったね。ここの押しボタン押したら水が流れるんだよ。ちなみにトイレの掃除も自分たちでやることになってるから、明日からの作業に入るって覚えておいてね」


 残念ながらロールペーパーは再現出来なかったんだよ。仕方ないので適当な葉っぱちぎって持って来た。これで拭くが良い。

 紙の作り方、分かんないんだよね。さすがにそこまで私も網羅してないんだよ。ぷりんの作り方とプッチンモドキの作り方は料理サイト回って覚えたけどね。寒天用意しなきゃ。


 トイレの使い方は皆一度体験してもらう。

 こういうのって一回教えただけじゃ覚えないんだよ。まずは説明。次に自分がやって見せる。そして実践させる。これが効率の良い教え方なのだ。

 なのにあの課長。非効率だとか、時間の無駄だとか私の方針に口出しするんだよ。あんたが肝入りで育てようとした奴結局どうしたらいいのか分からないまま数カ月放置されてこんな奴の元でやってられるかって愚痴垂れてたじゃん。あんたが居なくなってから私がきっちり教えといてやったわよ。今じゃ奥さん貰ってあんたより上の部長になっちまったけどねぇ。


 とりあえず振りだけだったんだけど、皆普通にパンツとか脱いで実戦しようとするからウォッシャーの餌食になってるんだよ。まぁ、皆楽しそうだからいっか。

 キリハなんか猫のフレーメン反応みたいな顔してたし。可愛かったからいいけども。

 やり方は教えたし、後はレコール君にお任せしよう。


 んじゃ、次は部屋の案内だね。

 はい、右と左で人数が違います。

 右は個室。一人部屋。左の部屋は四人部屋なんだよ。


「へ、部屋? え? ここ、一人部屋って、私一人で使える、の?」


「一人部屋は一人きりの時間が欲しい人が取るといいんだよ。部屋はまだ一杯あるから今日は四人部屋三つ使うのがいいかな?」


「部屋か、うぅ、涙でそうだ。これ、夢じゃないんだよな? また、ベッドで寝られる、んだよな?」


 部屋に一番喰い付いたのはレコール君。部屋割りは明日以降に落ち付いてからってことで、今回は女子四人で一部屋。男共は三人づつに分かれて休んで貰うことにした。

 夕食はいらないらしい。というか、残った昼食食べるんだって。

 んじゃ、私達は今日は帰ることにするんだよ。

 よかったねリオネッタ。夕食作らなくて。え? 作ってたらどうなってたか? 今日はここで一晩過ごすんだよ、リオネッタが。あはは、そんな絶望的な顔しなくても良いじゃん。良い所よ、ここも? あ、洗いモノは流しに置いといて良いんだよ。明日来た時リオネッタが洗うから、うん、リオネッタが、洗うから。慈悲はないんだよ。


「あ、あの、それって、この寮、俺達だけって、こと?」


「ええ、この寮を使うのは、基本貴方たちと、店長となるエルフレッドさんになるわよ。あとはその内来る寮長さん。寝泊まりするかどうかはまだわかんないけど。ああ従業員としてもう少し雇うつもりだからまだまだ増えるけど私達は通いになるわ。食事時に居ないとお父様が寂しがるし」


 ほんと、お父様たちが泣き付いて来るから日帰りすら躊躇モノなんだよ。朝昼夜の食事時には必ず出席してくれって言われてるし。

 ま、まぁそれだけ大切にされてるって思うと嬉しいんだけどね。

 よっぽどの時はブッチしちゃうんだよ。慈悲はないんだよ。


「べ、ベッド? こ、これ、ふかふかだよ? これで寝るの? 寝れちゃうの!?」


「ふぁっ、ふあぁっ」


 やばい、マーシャちゃんが言語退化しとる。

 目を輝かせてベッドをぺたぺた触るマーシャとセーリア。二人して意を決したようにベッドに飛び込む。

 うん、ごめんね、ちょっと硬いんだ。さすがに羽毛とかスプリングベッド作るのは難しいんだよ。

 イ草っぽいのを纏めて作ったベッドと、布に羊毛丸洗いして天日干ししてから詰め込んだものが布団だし。


「わっ、なんか凄い!」


「ふわふわぁ」


 この程度でふわふわだと思うとは、くぅ、二人に現代ベッドを紹介してあげたい。

 その内作るぞふわふわベッド。というか、ウォーターベッド作っちゃうかな。そっちの方が良い気がして来た。

 あと鳥の羽毛毟りまくって来よう。慈悲は不要なんだよ。

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