1269話、クエリス、自由行動
注意:今回の話に出てくるクエリスという名称は三人称ではなく一人称です。
SIDE:クエリス
「安い!?」
クエリスは本日、ライオネル王国で自由行動を得た。
クエリス自由行動大好きだ。
最近はあまり一人で行動することがなかったので、本日はうきうき、出店でついつい焼き串を買い込んだり、焼きそばやたこ焼きチョコバナナ。皆美味しくてクエリスここ気に入った。
いろんな食べ物買ってたらふと、そこを見つけた。
クエリスよく行く場所だからすぐわかった。武器売ってるとこ。
いろんな武器売ってて見るの楽しい。
クエリスの武器は基本弓、だけど接近されたら剣も使う。
他の武器もいろいろ形状あって見るだけでも楽しい。
できれば一日だって武器屋で武具を見ていたい。
でも冒険しないと腹が減ったら食事食べれない。金がいるから冒険にでる。
武具を買うのも金が要る。
世の中金、金。
クエリスが生まれた場所は物々交換が主だった。
武器だって自分や家族が作る。
秘伝の毒液に鏃を浸して獲物を狩る。
狩った獲物が大きいととても嬉しいなった。
でも、物心ついた時。クエリスは捕まった。
よくわからない人間たちに同じ人間なのに捕まった。
奴隷商とか言う場所に売るために捕獲されたらしい。
でも、クエリスがそこに行くことはなかった。
捕まった馬車が途中で魔物に襲撃され、御者もクエリスを捕まえた奴も死んだから。
その後、散り散りに逃げる奴隷候補たちの中で、一人の女が死体漁ってた。
何してるか聞いたら先立つものを入手してるんだって。
そいつにいろいろ聞いた。
外の世界を知ったのもそいつのおかげ。
クエリスはそいつについて行って冒険者なった。
そいつとは方向性の違いで別れてそのままだけど、クエリスはレッド達に出会えた。
だから、感謝している。いつか、また会えると嬉しい。
「だからよぉ嬢ちゃん。ここは武器屋じゃなくて鍛冶屋な?」
「どうでもいい、これ、凄くいい、買う!」
「凄く良いって、そりゃ見習い共が試し打ちした弓矢だぞ? 正直はした金でしか売れねぇし、硬いばっかで使える奴を選ぶ」
「弦張り替えればクエリスでも使える」
「そりゃまぁそうだが……どうせならもっといいもん買えよ。鍛冶屋だしオーダーメイドも受付てっぞ?」
「うん?」
よくわからないことを言う武器屋だ。客が商品を買いたいというんだから売ればいいだろうに。
「というか嬢ちゃんは弓使いか?」
「接近されたら剣も使う」
「あー。まぁだそんなことやってる冒険者か。ライオネル式冒険者講座の弓使い編受けてこい嬢ちゃん。多分それ受けた方が今より強くなるぞ」
「らいおねるしきぼうけんしゃこうざ? 弓使い編」
「おぅ。それと、そいつじゃさすがに可哀想だ。これをくれてやるよ嬢ちゃん」
「ひゃぅ!? わ、軽い!? え、凄い!? なにこれ、さっきまで持ってた弓霞む!?」
手にした弓はとても軽く丈夫、それでいて今まで使っていた弓よりもグレードがあまりにも高い。
「できれば鍛冶屋としちゃ最高級品を提供してやりたいんだがな。今は兵士の装備揃えるので手一杯でよ。そいつは天竜の鱗で作った自慢の一品だ。適正レベルは1から1200くらいまで、だな。左右に爪着いてんだろ。とっさの近接戦で使えるぞ。名は天竜の名を冠して竜弓バハムティオン」
バハムティオン……
凄い、まるで手に吸い付くみたいにクエリスにぴったり!
「つっても今じゃ完全な型落ち品でよぉ、武器屋もあんまり売れねぇってんで引き取り拒否されちまってな。そいつより断然デスワワーム製やらヒヒイロカネ製のが……って聞いてねぇな」
クエリスは至高の一品を手に入れた。
まるで昔からクエリスのために作られ手に取られるのを待っていたかのように馴染む。
これ、いい。クエリスのモノ、クエリス絶対手に入れる!
「いくら!?」
「いや、だから嬢ちゃんにくれてやるって言っただろ。ほれ、そいつ用の天竜の鱗製鏃も100本だがつけてやる。こいつはさすがに数がねぇから回収して使えよ。あと、こっちは一本1000サクレだがそいつなら十分射れるミノタウロスホーンの矢だ。威力は落ちるが使い勝手はいいぞ?」
クエリスは当然買った。
むしろ予定していた弓矢の値段より数段安い。
ライオネル王国、素晴らしい。あとミノタウロスホーンの矢? 1000本束で二つ買う。
前の武装は買い取ってもらう。
結構使い込んでいたから弦もそろそろ切れそうだったし、ちょうどいい。
そういえばこれの弦、どうやって変える?
「おぅ、そうだった。ほれ、こいつがケガイルの弦だ。めちゃくちゃ強靭だが柔らかくて張もある。まさに弓の弦に最適な弦って奴だ。ただ、気をつけろよ。多分嬢ちゃんだと一人じゃ付け替えできねぇ。メンテナンスはしてやるから俺ンとこに来な」
「ん。でも一応一本貰う。自分で応急処置できるようにしたい」
「必要ないと思うがねぇ。ま、一本80000000サクレだ」
「ぶふっ!?」
弦だけ異様に高かった。どんな素材使ったんだ!? 仕方ないので応急処置用の弦はグレードの低いものを買うことにした。




