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126話・ロゼッタ、魔法登録に来たんだよー

 それはリオネル様を助け出してから、次の日のことだった。

 ボーエン先生に事と次第を告げると、では早速魔法登録しに行こうか。早めにしとかないとまたやらかしそうだから早急に手綱付けとこう。と言われてしまった。

 当然、ボーエン先生の軽口なんだが、イケメン先生に手綱を付けておこうとか言われてしまうとちょっとドキッとしてしまうから気を付けてほしい。アレはヤバかった。リオネル様という婚約者がいなければ、好きっとか叫んでしまうところだった。


 馬車に揺られて私とボーエン先生、ついでにリオネル様とキーリが魔術師ギルドへとやってきたのである。

 なんでリオネル様もかっていうと、私が行くところに行ってみたいってことだったので。キーリに護衛頼んじゃえば問題無いかなって、リオネル様には一応私が物理障壁と魔法障壁10枚張っといたし。ボーエン先生もこれなら大丈夫って呆れながら太鼓判押してくれたしね。


 魔術師ギルドは魔法が使える人のギルドってこともあり、国には二カ所存在する。

 そう、貴族街と平民街の二カ所である。

 今回来たのは貴族街の魔術師ギルドで、理由としては平民街の魔術師ギルドは馬糞臭いからリオネル様連れてけないってのと、貴族街の方が魔術師ギルドは規模がデカいってことが理由である。


 ギルド会員の殆どが貴族ってこともあって馬車を止める場所もかなり大きい。そしてなにより臭くない。

 理由は魔法で馬糞を除去してるらしい。

 結構凄い魔法使ってるんだよ。

 馬糞が落下したらころころころっと風魔法で転がって、馬糞を集める場所に入り込む。一定量溜まると火魔法で完全燃焼。臭いは風魔法で上空まで巻き上げるので……うん、まぁそこは深く考えないようにするんだよ。


 魔術師ギルドだからかけっこうローブに身を包んだ人が多いな。

 え? 違う? ああ、身分バレしないためのフードか。

 それで私達もフード被せられたのね。

 索敵で悪意持つ存在だけはしっかり調べとこう。前みたいにリオネル様に刃が到達しないように、ね。


「魔術師ギルドにようこそ」


 受付嬢さんは普通ににこやかだった。冒険者ギルドとそこまで変わりないね。

 こちらは新規登録用の受け付け。

 それなりに人は並んでたけど、他のカウンターに比べるとかなり人は少なかった。


 すぐに私達の番になり、私、キーリ、ついでになぜかリオネル様も登録を行う。

 登録自体は名前とか書くだけで冒険者ギルドの時と一緒だった。

 ただ、家柄とか家がやってる稼業とか書くようになってたんだけど、あ、これは別に書かなくていいの? あと得意魔法? これも必須じゃない? というか私は書くな? なんでさーっ。

 キーリなんて闇魔法とか書いちゃってるよ? 職業も邪神とか書いちゃってるし。

 どうせ信じないから問題ない? ボーエン先生キーリに優しくない?


 リオネル様の経歴見た受付嬢さんが叫びそうになったから先んじてボーエン先生が口元に人差し指持って来てしーっと言うことで押し留めていた。

 さすがにサテラみたいに残念な娘じゃないので受付嬢さんも気付いて慌てて口を噤む。

 しかし、なんかもうギルド長に伝えに行っちゃってるんだけど。これ、大丈夫?


「あー、うん、多分駄目だね」


 あ、駄目なんだ?


「何が駄目なのだ?」


「えー、と、そうですね。おそらく、ギルド長の正気度?」


「ちょっとボーエン先生、私達の方の駄目じゃなくてそっち!?」


 しばらくして、私達はギルド長室へとお呼ばれした。

 なんでこうギルドはお偉方の元にいくんだろうね?

 しかもこっちが貴族だって気付いたら向こうが土下座してくるの。

 いや、貴族相手の魔術師ギルドだから侯爵令嬢相手でも問題ではなかったらしいんだよ? ただ、王族居ちゃった事で焦って呼びこんでしまったそうだ。


 よし、今回は私じゃなくリオネル様案件だったんだよ!

 震えながら土下座してるのは真っ白い髭のお爺さん。禿げた頭に毛が一本。凄くわかりやすいお爺ちゃんである。

 眉毛も濃くて目が見えません。魔術師ってよりも仙人って言われた方がしっくり来るんだよ。


「これが、次の犠牲者か……」


 ちょっとボーエン先生、小声でしみじみ呟かないでくれません?

 というか冒険者ギルドのギルド長さんみたいにこのお爺ちゃんがなっちゃったらそのままポックリいっちゃうんだよ?


「気にしてはいない。突然王族が来るとも思うまいしな」


「そう言っていただけると私としましても荷が降りますな。どうぞどうぞ、無礼を働いてわざわざこんな場所に呼び出してしまい申し訳ございません」


 ソファに促されたのでリオネル様、私、キーリの順で座る。

 対面には魔術ギルドのギルド長さんとなぜかボーエン先生。座る場所がなかったからってなぜそっち側に座るかな?


「それで、本日の御来訪は何用ですかな?」


「え? あ、ああ。僕じゃなくロゼッタの用事で、僕は付き添い、かな?」


「話は私からでよろしいですかなギルド長殿?」


 さぁーって、ようやく魔法の登録なんだよ。

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