1238話、ロゼッタ、新学期に向けて、前世持ち会議
「これで全員揃ったかしら?」
クラムサージュがなぜか上座に座り、ゲン〇ウスタイルで私たちを出迎えた。
エヴァン〇リオンは発進したりしないんだよ?
ラミネリアなんか、私の言葉に何とかスタイル? ってなんですか? と素で反応してきて私とクラムサージュの心をざっくり抉ってきたんだよ。
「えーっと、それでロゼッタ。緊急会議とか聞いたけど何かあったの?」
「まぁいろいろあるんだけど、順番に一つづつ行きましょ。とりあえず最初の議題として、新しい年度が始まるけど、どう思う?」
私はさーっとメンバーを見回す。
とりあえず暇そうに店番していたクラムサージュ、右側に私、ミリア、ジームベルク。
左にラミネリア、エレイン、マリアネージュ。
そしてクラムサージュの対面にカルシェットと市松ちゃん。
ついでにキーリとリオネル様が観客みたいな感じで椅子だけ部屋の端っこに置いて座っていらっしゃる。
「どうって……ああ、ラミネリアみたいにまた新しいゲーム始まるかもってことね」
「ライオネルの姫巫女3とか?」
「ありそうなのが怖いよね。でも前回がアペンドディスクだし、3じゃなく2の方かな」
「アペンドのアペンドとかでてそう」
そっちの方が可能性は高そうか。
「まぁこればっかりは新入生次第よね。ロゼッタなら大体転生者とかわかるでしょ」
「まぁ、大体は?」
「なら問題ないでしょ。分不相応なやらかししてるようなら矯正すればいいし、普通に過ごすつもりなら放置、引っ込み思案そうなら手伝えばいいのよ」
それもそうか。
まぁそう考えれば新しいキャラが出てきても問題はなさそう、いや、イベント次第でバッドエンドになるならその情報手に入れときたいんだよ?
「そもそもその転生者がいたとして、ゲームを知ってるかどうかも不明、今年のイベントがアペンド以外にあるかどうかも不明でしょ。カルシェット、今年のイベントは?」
「ロゼッタお姉様とすでに把握済み。でもメインメンバーほとんど結婚してるし、今年の二年組もイベント起こしそうなメンツはいないと思うけど?」
「セリエールやモーリー君はどう?」
「あの、セリエールさんは兄と戦闘訓練みたいなのばっかりやってます。モーリー君はよく私たちと遊んでますよ」
とりあえず、これに関してはなるようにしかならないってことか。
「んじゃ次の議題ね。えっと転生者と思しき二人組が私を目指してるらしいんだけど」
「それについては僕から説明します」
私の言葉に反応したのはジームベルク。彼とミリアはファーガレアに転移してわざわざ連れて来た。
当事者なのでお話聞いておきたいと思ったからなんだけど、普通に乗り気だったのには驚いたよ。
「転生者は二人ですけどパーティーは四人です。魔法使いと弓使い、でいいのかな。それと戦隊ヒーローが二人」
「戦隊ヒーロー?」
「ええ、私たちとは別世界からこっちに来た異世界転移組らしいわよ。正直別世界から転移してきたと分かった時は驚いたわね」
はぁっと溜息を吐くミリア。
こいつホント変わったなぁ。
最近までゲーム攻略をーとか逆ハーライフとか言いまくってたのに、最近じゃファーガレアの国政の話とかし始めてるし、私相手に政治の話とかしてくるんだよ、いっちょ前に。
現実に根を下ろした証拠っぽいけど、なんか逆に違和感しかないのはなんでだろうね。
二人組の戦隊ヒーローとやらについて二人から説明を受ける。
改めて聞くと、なんというか、対照的な二人みたいだね。
熱血タイプのレッドとクールタイプのブルー。
他のメンバーも見てみたいところだけど、今回はこの二人に出会う感じで考えておけばいいだろう。
一応、出会い頭に攻撃されることも考えておいた方がよさそうである。
「あと転生関係で気になるのは、アルカエスオロゥの聖女さんかな」
「そいつも転生者なの?」
「昔のミリア、かな」
皆、その一言であぁ、と納得する。
ミリアだけはなんで納得するのよ、っと凄く不満そうにしているが、自分で思い返した行動が凄く恥ずかしかったようで、何とも言えない顔になる。
それからもいくつかの議題を提出し、私たちは会議を躍らせた。
正直、どうでもいい議題とかもあったけど、おおむね喫緊の情報は皆に理解できたように思う。
気になることと言えば、最近身に覚えのないことをやり終えてたりするんだけど、そういうの誰か知らない? あ、知らない、そっすかー。
私からの議題は大体終わった。
なのでここからは他のメンバーが気になっている議題などがあればそれを聞いていくことにする。
誰か何か問題あるかな?
私が解決できる問題ならいいんだけどなぁ。
キーリはどう、なんかない?
メテオラが太り過ぎて子豚になってるからダイエット法? 私が面倒みるから大丈夫だってばー。




