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1224話、ロゼッタ、近衛兵たちの面談開始

 ライオネル王国に戻った私は、一日だけゆっくりと休日を取り、キーリとアルマティエを引き連れ近衛兵たちの元へと向かった。

 キーリと二人だけで行こうかと思ったんだけど、相談とくればやっぱり聖女いた方がいいよね。ってことでとりあえずアルマティエに相談してみたのだ。

 すると、いろいろと抱えている可能性も高いし、自分でよければ、とすぐさま一緒に来てくれたのである。


 最初はエルデンクロイツに向かってヒキコさんを引っ張り出そうと思ったんだけど、まだエルデンクロイツ帝が自国に戻ってないのにお邪魔しても迷惑だろうとリオネル様に言われたので自重しました。

 そういえばウチは転移で即日戻れるけど、他の国々は数日、あるいは数か月かけて自国に戻るんだった。

 なんで皆転移とか飛行魔法覚えようとしないんだろうね。歩くより断然早いのに。


 一昨日の去り際にラインバッハに伝えておいたから、近衛兵全員がこれから何をする予定なのか、呼び出された理由は何かを理解できてるだろう。

 あとは一人一人呼び出してお悩み相談していけばいい。

 オスカーに伝えていないのはオスカーが下手に悩み相談とか聞いてしまうと自分が悩んでることに対して行動を起こしたんだと思いかねないからますます悩みそうなんだよね。

 なのでオスカーには内密で話を進めることにした。ま、バレたらバレたでサプライズ予定でした、とでもいえばショックは少なかろう。


 最後にはオスカーの相談も聞こうとは思ってるわけだし、それまでに何を話すか決めさせないように黙っておかないとね。オスカーに気付かれずに隊員の相談とか、できるかなぁ? 無理かも?

 陛下に一室お借りして、私たちはお悩み相談を開始するのだった。

 というわけでキーリ、最初の一人を呼んできてー。


 しばらくアルマティエと歓談していると、キーリと共にやってくる最初の一人目。

 ケリー・レイズナーである。

 ミルクがドアの合間から見えてたから声聞かれるかもしれないな。音声遮断しておこう。


「お嬢、またおかしなことをし始めたみたいですね」

 

「失敬な。ラインバッハやオスカーが悩んでたみたいだからこの際皆のお悩みも聞いて解消できるならやってしまおう、って思ったんだよ」


「お悩み、ですか。私は無いですね。前ならミルクの病弱さが悩みでしたが、今は元気が有り余ってますし。あー。お嬢に言うべきではないと思う悩みはありますが、言わないとダメですかね?」


「ダメではないけど相談事があるなら教えてくれると嬉しいんだよ?」


「臨時出張の懺悔室でもあります。神の前で貴方の悩みを打ち明けてください」


 私とアルマティエがにこやかに微笑む。

 ケリーは少し気恥ずかしそうにしながら、しかし告げることにしたらしい。


「実は妹が性欲が強くて、毎日誘われてしまい、今後も応じた方がいいのか不安で」


 なんつー質問してくるんだこのエロ男はっ!?


「ええ、兄妹で!? え、え?」


「ライオネル王国では貴族家の近親婚は禁止されていないのですよアルマティエ様」


「そ、そうなの!? た、爛れて、いえ、国として推奨されているのであれば私から何か言うことは……」


「いえいえ、推奨はされてませんよ。レイズナー家が特殊なだけなので」


「な、なるほど、参考になります」


 参考にするものではない気がするんだけど。


「好き合ってる者同士なんだから好きにしたらいいと思うわよ。貴方が嫌だったり、今日は本気で疲れてる、相手にしたくない、と思ったときには断ることも勇気だと思うわ」


「さすがに嫌ではないですよ、ですが……いえ、そうですね。私の心持次第、ですね」


 アルマティエが何か言うより先に自分で納得したケリーは立ち上がる。


「すいません、参考になりました。あとは自分とミルクで相談していこうと思います」


「ええ、それがいいわ。じっくりしっかり話し合って、お互いに負担にならない日々を送りなさい」


 満足したらしいケリーが部屋を出ていき、入れ替わるようにミルクがやってくる。

 ケリーの妹であり病弱だった妹ちゃん。

 今では誰かさんのせいで元気が有り余る状態となり、愛しい兄を寝取るようなドロボウネコが存在していないので、彼女にとっては最高の日々が送られている状態だ。

 そんな彼女に悩みなどありそうもないのだが……


「最近兄が何かを隠してる気がします」


 入ってくるなりバンッと机に両手をついて告げるミルク。

 アルマティエが突然の一撃にびくっと驚いてたんだよ。


「へー、何を隠してるのかしらね」


「わからないのです、夜の営みの際に、何か言いたそうにする時が何度か、でもそこまで大したことがないのか、その後は普通で……私が不満だったりするのでしょうか?」


 うるせぇこのバカップルが。っと、危ない危ない。喉元まで出かけたんだよ。


「それに関してはさっき相談として聞かせて貰ったわね。問題というほどではないけど、ミルク、求めるばかりになってない? ケリーの求めるものを考えたり、譲ったりはしてる?」


「え? それは……」


「ケリーには一度あなたとしっかり話し合うように伝えたから、二人でちゃんと向き合って話をしなさい。ただし、ちゃんと相手の主張を受け止め、折衷案を考えるのよ。自分の思いだけを押し付けるのはカップルとしては最悪の相方だからね」


「うぐ、き、肝に銘じますお嬢」


 ふむ、まぁこんな感じで釘差しとけば暴走することはないでしょ。


「あれ、私聖女なのに、何もアドバイスできてない、ような……」


 隣でアルマティエが何かブツブツ呟いてたけど、気のせいだと思っておこう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そういえば、海外派遣されてたガレフ達はどうなったのかな?今何やってますか? 確か新しい職に就けるっていってそのままになっているような…今回呼ばれますか?笑 [一言] とうとう近親相姦しち…
[良い点] 年の功の差がね…… [一言] なんか無性に懐かしくなって1話からも読み直してます(ㆁωㆁ*)
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