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119話・ロゼッタ、最後の裏切り者が発覚したんだよ! お前かぁっ!!

 仕事の成否が良く分からないのでギルドに戻ってギルド長とペレーラさん、ついでに買い取り所にたむろっているおっちゃんを前に御報告してきた。

 何でもペレーラさんの夫らしく、ジーパン? ジーニン? ああ、ジーニアス。辞任しちゃだめなんだよ。

 ギルド長がおかしくなったら蘇生させるために本日は御一緒するそうだ。


 なんで皆して私が話しだしたら正気度削れるみたいな行動するのかな?

 違うんだよ。私は普通にしてるのに皆が盛大に騒いでるだけなんだよ。

 今回の報告も普通に告げるだけなんだよ?


「さて、一応聞いておこうかな? 王族の護衛で地方巡業に向かった君が何故一日と立たずにここにいるのかね?」


「護衛依頼が終わったからなんだよ? 何を訳の分からないことを言ってるのかしら?」


「訳が分からないのは君なんだがね、はは、ペレーラ、私はまだ正気かな?」


「ええ。まだ大丈夫です。続けてください」


 何が大丈夫か分からないんだよ。でもギルド長の瞳孔が開いちゃってるんだけど、そっちが大丈夫?


「えっと、D級として変装したまま護衛依頼を受けました。途中で盗賊が出現。リオネル様が確認しようとしたところ代わりに執事が向かうと言いだし、リオネル様に近づくように言いだしました。違和感はあったんですけどリオネル様は言われるままに近づいてしまって、その、心臓を一突き」


「王族死んだぁーっ!?」


「あ、いえ。事前にプレゼントしてた身代わりのペンタグラムが仕事してくださったのでギリ生きてました」


「ギリ、じゃないだろっ!? ンなもん護衛失敗じゃねーか!?」


「でも、ほら、まさか護衛全員が裏切るとか想定外なんだよ? ちゃんとリオネル様生還させたってことで結果オーライ?」


「ペレーラ、この非常識娘は何を言っているのかな? それとも、私は既に狂っているのだろうか? 護衛全員が裏切る? 王子死んだけど生き返った? え? 意味分かんない」


「それで、リオネル様は今どうなってます?」


 ペレーラさんの問いにはちゃんと答えられるんだよ。


「私の実家に匿うことに成りました」


「なんでだよ!?」


「え? だって婚約者だし?」


「初めて聞いたよナリキンガール!!」


 ギルド長は言葉遣いがおかしくなりだしたんだよ?


「え? ロゼッタさん、リオネル王子の婚約者、なんですか?」


「ええ。それがどうしまして?」


「あ、あは、あはは……あばばばばば」


「せいっ」


 ギルド長が痙攣始めたのに気付いたジーニアスさんが背中にひざ蹴り叩き込んだ。

 思いっきり行ったぞ今の!?


「っ!? 意識が飛んでたか!?」


「ロゼッタさん続きを、ギルド長が壊れる前に最後までお願いします」


「え? あ、はい。えっと、全員が暗殺者だったのでキーリが殲滅しました。死体はそのままにしてます。リオネル様は一度戻って国王陛下と謁見、城内は危険だってことで私の家に連れ帰ることになりました。以上。成功ですか? 失敗ですか!?」


「そう、ですね……」


「失敗だろ失敗。リオネル様死んでんじゃねーか」


「でも、今は無傷なのでしょう? なら護衛は出来たと仮定してもいいんじゃないかしら?」


 ギルド長放置でペレーラさんとジーニアスが言い争いを始める。


「えへへ。ぶーんっ」


 ギルド長はそんな二人の注意がそれたことで、立ち上がり。両手を広げて真横に掲げ、自身をT字、いや、この場合十字に開いて走りだす。

 ちょ、ギルド長気を確かに!?


「大きなおっそらをとっびたっいなー。あはははははっ」


 うわー、ギルド長が壊れた!?


「ぎ、ギルドの方で報酬については考えておきます。報告が以上ならここで終わりですっ」


 と、まぁこんな感じでギルドを後にした私はキーリと共に自宅に帰ってきた。

 帰り際にギルド長が暴走してたけど、まぁペレーラさん達居れば問題ないんだよ。


「やぁ、お帰りロゼッタ」


 自室に帰れば、ずっと待っていたリオネル様が出迎えてくれた。

 なんか自分の家というか城みたいに凄くゆったりした寛ぎ具合でお父様とティータイムしてた。

 うん、私の部屋でわざわざ男二人で飲んでたんだよ。なんでさ?


「さて、いろいろ聞かせて貰おうか、ロゼ? 今日はお父さん仕事終わらせたから時間は充分あるからね?」


「ロゼッタには僕も聞きたいことがあるんだ。僕の暗殺、知ってたでしょ。どうやって知ったのか、しっかり教えて貰うから、この、暗号のことも含めて」


 ってぇ!? そ、そそそ、それは、私の日記帳!?

 じゃっぽにかんな暗殺帳とかじゃないけど恥ずかしい秘密が書かれてるから見ちゃだめなんだよ。というか二重底作って隠してたのになんで持ってるの!? それの取り出し方知ってるのはキーリとリオネッタだ……リィオネッタァ?


「ひぃっ!? す、すいませんお嬢様ッ、お嬢様の様子がおかしいのでリオネル様にいろいろと情報提供をっ」


 う、裏切り暴露、既にしちゃってたぁ!?

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