1119話、グランザム、魔改造の薦め・3
SIDE:グランザム
恐れていたことがついに現実になってしまった。
ライオネル城ロゼッタ化。
ふふ、ははは。この城もついにロゼッタ嬢の手が入ってしまうのか。
一体どんな魔改造が行われてしまうのか。はは、楽しみだなぁーっクソッ!
改造計画書はすでに国土交通大臣から宰相、そして儂の元へと来てしまっている。
あとは採決にハンコを押すだけだ。
押してしまえばもう後戻りはできない。
この歴史あるライオネル城はもう二度と……別に感慨はないのぅ。
「んじゃま、ぽんっとな」
儂は迷うことなく一気に押した。
どうせ後悔するとわかっていながら、押してしまった。
さぁ、許可した以上は引っ越し作業を始めるかのぅ。
とはいえ、書類関連は全てロゼッタ嬢がアイテムボックスにしまって新しい城の新しい部署に取り出す予定なのでそこまで引っ越しで持ち出すものはない。
国庫の中身すらロゼッタ嬢に一時預けるのだから彼女に裏切られたら国が終わるのぅ。
でも宰相も儂も彼女に任せると決定したからとやかく言えん、というかむしろ王命として指示しちゃったからのぅ。
そうせねば財宝やらなにやらに一侯爵令嬢が手を触れることすら死罪確定じゃし。
つまり、儂ら王城内で生活しとる者たちが持ち運ぶのは自分の身一つだけなのである。
いや。儂らに隠れて悪行三昧の阿呆はこの話を聞いて慌てて隠し財産に手を付けておるじゃろうが……
いるかのぅ。まだ悪行に手を染めとる奴。
大体の貴族は粛清されとるはずなんじゃが、阿呆とルーキフィガは知らぬ間に増えるというし、いるじゃろうなぁ、処刑される大臣。
何しろ、施行一瞬じゃからいつでもできるし、城建て替える宣言を本日全大臣級に報告して、明日の午前中で城内の荷物全てを回収、さらに建て替え、午後には新しい城で荷解きじゃ。
宰相は城内の在庫等がちゃんと戻っておるかを書類とにらめっこする作業あるのじゃが、儂はないからの。
謁見の間でいつも通り座っとくだけじゃ。
ロゼッタ嬢曰く、謁見の間にもいろいろ改造してみるというとったし、どんな状態になるか楽しみでもあるんじゃ。
あとは、謁見終わったら新しい城内探索してみるのもよかろうな。
荷解き作業で忙しいだろう各所を見学していくのも良きである。
書類仕事を終えた儂は、大臣たちを事前に集めてある部屋へと向かう。
すでに勢ぞろいしていた大臣たちを前に、明日、城の建て替えを行うと告げると、一日で城が建て替えられるわけがないとか紋章官のジジイが叫びだした。
まぁ、いつものことなので無視したのじゃが、数人、青い顔をしたものがおったな。
影たちが彼らをマークするじゃろうから問題はなさそうじゃが……
やっぱりおったのー。
その日は儂はいつも通りに過ごし、キングサイズベッドですやーっと眠ったのじゃった。
いやー、ほんと快眠じゃて。
妻がおらんと五月蠅くもないからぐっすり眠れてよいわい。
たまに遅くまで寝とるとクリスに起こされるけども。
王じゃからってそんな早く起きんでもよかろうに、のぅ?
とはいえ、翌日、つまり今日はちゃんと自分で起きれたわい。
というよりは、ワクワクしすぎて眠れんかった。
いやー、城が一日で生まれ変わるとかどんなとんでも能力が披露されるのか楽しみじゃろう。
起きて早々、影たちから大臣四人が更迭されたことを教えられる。
まったく阿呆どもめ、城の中に不正に得た金や財宝を隠しておるとか何やっとるんじゃ。
メイドたちによる着替えが終り、近衛兵たちと共に謁見の間に向かうと、ロゼッタ嬢がすでに到着しておった。なんじゃエリオットもおるのか? なんでお前が、ああ、儂が来るまで謁見代行やっとったんか。
「ロゼッタ嬢。どうしたんじゃ?」
「陛下を待っておりました。朝から城内の物品をアイテムボックスに入れているのですが、地下施設を発見しまして、下手に弄るのも不味いかと陛下のご判断を仰ぎにまいりました」
地下施設? なんじゃそれ? 儂知らんよ?
「どうやら昔の王が入り口を塞いだようで、封印処置がされておりました。墓所だとは思うのですが、一度見ていただいてもよろしいでしょうか?」
「ふむ。確かに儂が判断せねばならんか。ああ、エリオット、付いてまいれ」
「私もですか父上?」
次期王じゃしな。
さて、昔の王が隠したものとやらはなんじゃろなーっと。
「ロゼッタ嬢、城内の残っているモノは?」
「陛下の私室以外はすでに終わっております。少々お待ちいただければ回収してまいりますが?」
「では先に回収しておいてくれ。それで墓所とやらを確認し終えれば解体して建て直しじゃな?」
「はい、書類の滞りも早めに解消したいですし、昼までには終わらせたく思います」
すぐにロゼッタ嬢が儂の私物を回収に向かう。
それが終ると、儂とロゼッタ嬢、エリオットで地下施設を見に行くのじゃった。




