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1033話、???、会議終わりて4

SIDE:プライジャコリャ


 レーベンス・プライジャコリャは憤慨していた。

 ようやく親が死んでくれたというのに、新たな目の上のタンコブができたのだ。

 彼にとって自分の思い通りにならない人物は絶対に存在してはならない。

 例え他国の誰かであろうとも、例え魔族の王であろうとも。


 腹に据えかねる怒りを抑えるために自国に帰りつくなり料理長に食事を作らせひたすらに貪って行く。

 彼の頭を占めるのは、邪神? ライオネルの総司令官?

 そんなモノはもはやどうでもいいのである。


「あの魔王め、いつか、いつか目にモノを見せてやるッ」


 そう、レーベンスの最高の思い付きで始まるはずだった魔族との商売。

 その商売を隠れ蓑にして魔族の阿呆共を口八丁丸めこんで奴隷として自国で販売。あるいは必要とする国に高価で売り払えば、まさにぼろ儲けだったはずである。


「ええい、忌々しいっ。あの腐れ淫乱魔族めッ、どうしてくれよう……」


 怒りのまま食事をしているせいだろうか? なんとなく美味いはずの食事もそこまで美味しいとは思えない。


「ええい、マズいっ!! 料理長め、まさかワザとマズい料理を出しているのではなかろうな!!」


「へ、陛下、そのようなことは……」


「黙れ宰相ッ! 料理長の首を斬れ! クソマズい飯など作りおって!!」


「そんなバカな?」


「黙れと言ったぞ! 次は貴様の首も斬るからなっ」


「っ!?」


 思わず何かを言いかけて、宰相は咄嗟に口を噤んだ。

 今は意見すら言えない状態のようだ。

 聞く耳持たないこの王は、下手に讒言すれば確実に宰相を殺すだろう。

 それこそ、前王を砒素で毒殺したように、だ。


「そうだ、あの魔王を攫って奴隷にしてしまおう。ぶひぶひ、これから忙しくなるぞぉぉぉ。ぶひぃーっ」


 宰相は呆れた顔をしていたが、レーベンスは全く気にも留めてはいなかった。


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SIDE:新生ファーガレア


 さて、とジームベルクは自国の玉座で気持を整える。

 今のところ順調だ。

 正直に言えばミリアを迎えるための準備は既に終わったと言ってもいい。


 王族になった。

 正室は空けてある。

 金もある。

 いくら贅沢しても尽きないようにかなり税収を増やして国庫を満たしている。

 それでも民意はかなり高い。

 ミリアが言っていた条件は既にクリアしているのだ。

 

 それでも、しがらみというか、急速に力を付けたせいか、大臣やら何やらの不正を調べないといけないし、他国の動向にも気を配らないといけない。

 さらに降した武将たちのケアや民衆への治安維持活動も必要だ。

 シミュレーションって結構難しいな。


 基本は降した武将を任命して治安維持やら治水工事やらやって貰えばいいだけだ。

 そういった仕事を割り振った武将は何もしなくても忠誠度が上がっていくし、女性武将は恋愛度も上がっていく。

 降した武将の能力値はなぜかファーガレアの玉座に着いてから見えるようになったし、これはマリアの言っていたシミュレーションゲームの能力じみて来たな。

 それに、玉座で目を閉じればこの世界の地図と思われる全体図が脳裏に浮かぶ。

 今どの国がどんなことをしているのか、各国の能力値の増減は、等を調べることが出来る。


 ジームベルクは思わず苦笑する。

 ライオネルだけ兵力がおかし過ぎる。

 平均レベル5000とか意味が分からない。

 新兵のレベルを合わせればもっと低くなるけど、それでも兵力と練度が意味不明だ。

 これは完全にバランスブレイカ―。相手にしたら即座に国が滅ぶだろう。


 まぁ、そこはいい。

 ライオネルと敵対する気はないのだから。

 ミリアを手に入れるためには、あの国と友好的である方が苦労無く会えるのだから。


 周辺国は自国のダンジョンを調べ始めている者たちが多い。

 多いのだが、一部の国は何故か他国に軍を派遣している。

 それは秘密裏に他国に入り、ダンジョンクリアを目指しているのだ。

 おそらく、他国のダンジョン核を手に入れ、テイムすることで魔物という兵力確保が目的だろう。


 モンスターパレードを意図的に起こしてその対応に追われる国に攻め入るという酷い侵略行為である。

 余程運が無いとその目的は達成できないのだろうが、それでもやり切る国は出てくるだろう。

 その後、国々の勢力図が激変することだろう。

 その辺りが、狙い目か。


 今は国政で地盤を固め、新たな勢力図になった頃合いで侵略を再開するべきか。

 あるいは早々にミリアを迎えに行き、結婚を行った後で敵対的な国のみ侵略して行くか。

 どの道しばらくは内政を行わざるをえないだろう。


 可能であればミリアに再告白するために国を空けたいが、その場合はペルグリッドも連れて行かないと乗っ取られる可能性が高い。

 彼女はあくまでナッシュさんを手に入れるために協力しているにすぎないのだから。

 ただ、必要なら自分の身体を使って男性武将を籠絡して来るのはいつか誰かに刺されそうな気がする。


 ジームベルクにとっては彼女の生死はそこまで気にならないので放置しているのだが。

 今のところ彼女が殺されるなどのイベントは全く起こる気配がなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 精神の成果ピュアショタみたいな位置だったのに変わりすぎぃ!
[一言] ジームベルク君、闇堕ちしててわろた
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