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1012話、ロゼッタ、サイエンスフィア

「はい到着~」


 皆揃ったので転移で一瞬後にはサイエンスフィアなのです。

 転移初参加のパステルちゃんが何が起こったのか理解できずに周囲をしきりに見回して頭上にハテナマーク付けてるけど、転移したから此処はライオネル王国じゃなくサイエンスフィアだからね。


 サイエンスフィアはなんというか、鉄臭い町とでもいえばいいんだろうか。

 かなり発展はしているのでスチームパンク世界とも言える国だ。

 魔法もそれなりに日常に使われているので、マジックスチームパンク王国、って言うのが正しいのかもしれない。


 此処は町門の手前。

 さすがに国の中にこの面子が一気に現れたら大問題だしね。

 その辺りはスグニマケイル転移事件で懲りたから基本陛下を送ったりするときは国の手前に転移することにしているのである。


「やはり便利じゃの、転移魔法」


「ロゼッタ嬢が居なくなったら使えないのが辛いとこですが、下手に使い手がいると世界的な危険人物扱いされますからな」


 ちょっと宰相閣下、転移魔法だって使いようなんだよ。

 私は悪い悪役令嬢じゃないよ? ぷるぷる。


「キーリ様、こ、ここ、本当にライオネルではない、のか? 転移魔法?」


「ほれ、頬つねったるわ。ここはサイエンスフィアやで」


 むにっとパステルちゃんのやわらかホッペを掴むキーリ、うっわモチモチしてそう。


「サイエンスフィアは魔法ではなく機械とやらを使う国と聞いてますが、実際に見ると壮観ですね」


 外壁を見てもよく分かる。

 錆始めたでっかいボルトで締めた鉄板が町門の壁に張り巡らされ、上には鉄条網。

 監視塔から覗くのは恐らくゼンマイ式か何かのクロスボウ。

 町の外へと向けられているので大きな魔物を退治するためか、他国からの侵略者に向けて打ち込むためか。なんにしろ番えられた矢がゴツい。


「さぁ、いきなり団体が現れて皆さんあっけに取られている内に並びましょうか陛下。貴族系はあちらの門のようですよ」


「うむ、では行こうかの。近衛兵、ぼさっとしとらんと歩きだせ。全く、今日はオスカーやラインバッハ、ケリー、サロックがおらんからと気が抜け過ぎではないか?」


 今回、近衛兵にもそれなりの即応力を見せて貰おうと主要な面子を抜かして王族の警護をして貰うことにした。

 まぁ最悪でも私とキーリがなんとかすればいいかな、と思ったしだいです。

 影兵たちもいるし、新人たちでも問題は無いでしょ。

 古参近衛兵全員残して来たから皆不安そうだし、緊張しっぱなしだ。

 まぁさっきはいきなりサイエンスフィアに来たせいで唖然としてたけど、うん。そんな近衛兵の中でも二人ほど良い反応してたのが居たんだよ。


 あの二人は近衛兵長役も充分務まる実力はありそうだ。

 最近の近衛兵もちょっと警護能力に不安が出て来たからここらで引き締めた方がいいからね、頑張れ若人。


「と、止まれ! 国外の貴族かもしれんがまずは身分証の提示を頼む」


「わ、我々はライオネル王国である、え、えっと、陛下をお連れして世界会議におごぅっ!?」


 はいダメーっ。

 頭を叩いて台詞を止める。

 ちゃんとピコピコハンマーで殴ったから痛くないんだよ。

 全力で殴ったってぴこっていうだけなんだよ。


「今、凄い音がしたような……」


「気のせいですわ。失敬サイエンスフィアの警護兵様方。我々はこういうモノです」


 と、王国の紋章を見せる。

 下手に王族来てますよとか言っちゃダメでしょ近衛兵。

 一応王族が来てても、暗殺を防ぐためにも此処に王族いますよとか叫んだりしないんだよ。

 まぁ、バレても問題は無いけど一応これからの形式として覚えて貰うために、あえてピコッと指摘するんだよ。


「これは……確認しました。どうぞ、我が国を楽しんでくださいませ」


 王族と認識されれば丁重なおもてなしが確約される。

 ついでに王宮とかそれっぽいところに連絡がいって歓待の準備とかしておくのだ。

 もうすぐライオネルの番になるし、覚えておいて損は無いからね。


「ところでお嬢……」


「ん? 何かねオリールくん」


「俺、なんで連れて来られてんです? 参加しないっていいましたよね!?」


「警護はネクサスとプルータリスにお任せなんだよ? なんか一緒に近くに居たから参加はするのかと……」


「帰るタイミングなくしてただけっす……」


 それはごめん。確信犯です。


「な、なんだここは!?」


 ん? パステルちゃんがサイエンスフィア内部を見た瞬間、唖然として言葉を洩らしてしまったようだ。


「ふぉっふぉっふぉ、魔族の王はまず見ることは無い国であろう。あそこに見えるのが蒸気機関といってのぅ、石炭を燃やすことででるエネルギーを使って機械を動かしておるんじゃ」


「なんと!? しかし、効率が悪いのでは? 魔法を使った方が楽に出来ると思うが……」


「ふっふっふ。そうじゃの。しかしのパステル女王、あれはの、魔法が使えない者でも楽に扱えるのじゃ」


「なんと!? 魔力を使わず誰でもか!? ぬぬぬ、人族はこのような文化を持っておるのか」


 私からするとこの蒸気王国も前時代国家なんだけどね。

 せめてネットワークは普及してほしいんだよ。蒸気機関車とかいつの時代かな?

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― 新着の感想 ―
[一言] クロックパンク(ゼンマイ)→スチームパンク(蒸気)→ディーゼルパンク(軽油)
[一言] 前時代的、意外だと、アナログとかオールド、ストレートに古い、古臭い、遅れてる、とかですかね。
[良い点] パステルちゃんかわいい。 [気になる点] オスカーさんの見せ場が無くなって悲し。 [一言] 先代国家…前時代的のことかな?
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