夢望
夢を見ていた。私はずっと夢見ている。
目覚める日は来るのだろうか。孤独な夢から覚めるときはいつになるだろうか
物語はいつも夢から始まっていた
作品に触れるときは世界を作っていた
言葉に触れる、満たすために必死でかき集めていく
頭の中を埋め尽くすように、集め続ける
現実からは何も入れたくない
目を背けるように逃げ出すように動き出す
走り出せと叫ぶ心、そんな力はないと怠惰な体
心が割れたようにまとまらない
考えは常に矛盾している
落ちたい引き裂きたい穴をあけたい
そんなことは嫌だと思いながらも求める
消える自分を想像して考えに酔う
ぐちゃぐちゃの思考
明日に怯え震えそうになる
布団にくるまり、夢想する
もしもあの時、世界が違えば、死んでいれば
意味もなく考え眠りにつく
夢見た世界はどこにもなかった。