二度目の月曜日が始まる。
また短いです……。
さあ、今日こそ、彼女に友達を作ってもらおう。
そう思って登校した僕は、エントランスで、件の彼女、春山小春に遭遇した。
「あ、遠山くん、おはよう」
「ああ、おはよう」
「あれ? アカリちゃんたちは一緒じゃないんだ」
「ああ、幼馴染とは言っても、僕とあの二人は、けっこう生態が違うから。二人は朝練だよ」
「へえ、そうなんだ……。じゃあ、教室まで一緒に行こうよ」
「ん? もちろんいいよ。ってか、ここから別れる方が難しいよな」
「あはは、そうだね……。そういえばさ、いつも、朝行くと本読んでるよね、何読んでるの?」
「ああ、あれは辞書だよ。僕、部活の時は図書館にいくらでも行けるからラノベ読んでるけど、それ以外の時は、図書館に行くこともできないから、できるだけ読むのに時間のかかるの読んでるんだ」
「ああ、読むのめちゃ速いもんね」
「ああ。試験の時には役に立つんだけど、それ以外の時には、けっこう邪魔ではあるよね」
「そっか。読むの遅くても困るけど、速いのも考えものなんだね」
「そうだな」
「え? 辞書って言った?」
「ああ。辞書って言ったよ」
「辞書読むの?」
「ああ。けっこう面白いぞ? 文章の勉強にもなるし、語句の意味もわかる。勉強も兼ねられるんだから、辞書ってのは優秀だよ」
「いや、辞書って、普通、読むものじゃなくて、引くものなんだよね……」
「いや、普通に読んでも面白いぞ? 引くだけだと、読破できないし」
「普通、読破しようとは思わないんだよね……」
「いやいや、それが、読んでみると面白いんだって……!」
そうやって話しているのが、けっこう楽しい。
やっぱり、春山と話すのは楽しい。