春山小春と新しい友達。
というわけで、今回の語り部は私なわけだけれど、実は、席替え以来、私にはクラスに遠山くん以外の友達がいるのです。
今回はそのさっちゃんという友達のお話。
「おはよう」
学校に来た私は、教室に入った時に遠山くんにしたものと同じ挨拶を彼女にした。
「おはよう、こはちゃん」
むこうも返してくる。
まあ、挨拶というのは返すものだし、当然と言えば当然のこと。
けれど、その挨拶をする相手も、私にはこれまで一人しかいなかった。
そのうち教室中からおはようが返ってくるくらいに交友関係を広げたいとおもう。
まあ、そんな私の密かな野望は今は置いておいて、今回はさっちゃんのお話。
さっちゃんというのは、私の後ろの席の可愛い女の子だ。
どちらかというと内気な私に対して、彼女は元気な感じの子だ。
「テストどうだった?」
そう、先週はテストだったのだ。遠山くんが急に倒れたりしてだいぶびっくりした。さっき話した感じだと、大丈夫そうだけれど。安心だ。
今日は、そのテストたちが返却される。
「う~ん。どうかな……」
正直、自信はあまりない。
「自信のほどは?」
「そんなにかな~。さっちゃんはどう?」
聞き返してみる。
「私も似たような感じだな~。そういえば遠山くん、大丈夫だった?」
「うん。さっきあいさつした感じじゃ大丈夫そうだったよ。なんか、一夜漬けを全力で敢行してたらしいよ。それで寝てなかったとか」
「うわ~、危ないことするね。それでテスト中に寝てたんだ」
「そうみたいだね。そこまでしなくてもいいと思うんだけどな~」
「それで、点数はどうなんだろね?」
「自信はありそうだったから、そんなに悪くはないと思うよ?」
「そっか~。彼は勉強できるの?」
「できるはずだよ? なんか、受験の時に一つ下の学校を選んだって言ってたから、結構好順位じゃないかな。それに、ノートも綺麗だったし」
「そうなんだ。私も教えてもらおっかな~」
「え?」
「いいじゃない。学力向上が学生の本分だよ!」
「まあ、聞いてみてからだね……」
「じゃあよろしく!」
「いいじゃん。合法的にしゃべれるよ?」
「そんなことしなくても喋れるけどね?」
「あはは、まあ、よろしく頼むよ~」
「わかった。聞いてみる」
今日から部活が再開するはず。
その時にでも聞いてみよう。
「どうだって?」
翌日、おはようを言うなり、さっちゃんはそう聞いてきた。
「聞くのはまたあとにしようかなって」
「順位出てからのほうがいいもんね~」
「そう思って」
というわけで後日。
「いよいよ返却だね」
「順位がね」
というわけで順位が教えられた。
このご時世、張り出されるなんてことはされない。
個票が配られるだけだ。
それを見せ合うから、上位層の名前は広まるのだが。
どうやら、私の名前は広がりそうにはない。
「まあ、狙ってたあたりには入れたかな」
「私も~」
「じゃ、後で遠山くんに聞いてみるね」
「うん。よろしく~。次で順位が上がるかどうかはこはちゃんにかかってるからね!」
「そんなに期待はしないでほしいな~」
こんな感じで、この新しい友人とは、仲良くやっている。
てか、すでに二人ともボッチじゃないですよね……。




