視線
夏のホラー大賞ということで、今回初応募させて頂きました!
ぜひ、読んで下さい。
始まり
~昼間~
「きゃ!」
20代の若い看護師が、後ろに倒れた。
「大丈夫か!」「またか・・・」看護師を心配する声と、あきれたような声が聞こえた。
「またぁ~!なんで、こんなことになってんのよ・・・」
かげに隠れていた、看護師。美鈴は、独り言を言い、廊下を歩いて事務室へ入っていった。
しかし、「また出たの?」「うぁぁあ。」と言い、事務室にいた人間がドアの方に目を向けた。
―そうだ・・・私は、嫌われてるんだ・・・
結局、美鈴は巡回へと戻った。
「・・・あれ、こんなに人いたっけ?」
美鈴の目の前には、一人部屋なのに数十人ベットを囲んで大人がいた。
「失礼しました。」
美鈴は、邪魔をしてはいけないと思い巡回に戻った。
~夜~
巡回が終わり6時になったころ、どんどん看護師さんが帰っていくのを4階の窓から美鈴はみていた。
「私は、夜もちゃんと巡回してないと!夜がみんな出てくるって話してたし!みんなの為に頑張ろう!!」
美鈴は、病院に残り夜間担当の医師や看護師を確認して、今日もよく”出る”という噂が多い、三階を重視することにした。
笹原病院には、関係者しか入れないという地下1階、フロアや診察室がある1階、リハビリや入院している人用の診察室がある2階、入院している患者さんの病室がある3階。がある。
―やっぱり、3階に”出る”って病室で亡くなった人が成仏できてないのかな?
美鈴は、しばらく3階を回った。
しばらくしたころ、一人の少女を見つけた。7歳くらいだろうか。ひらひらを身に着け病室から出てきた。
「!?。ちょっと・・・」
小声で話しかけた。
しかし、少女はそのままどこかへと行ってしまった。
―な、なんだったの!さっきの子・・・。もしかして、三階に現れる幽霊!?お化け!?・・・そうだ!さっきの子が出てきた病室を覗くことにした。
美鈴は、病室を覗いた・・・そこには、”誰もいなかった”。
美鈴がびっくりしていると「何してるの?」と後ろから、小さな声が聞こえた。
美鈴が後ろを振り向くと、さっきの少女がいた。
「!?。ど、どうしたの?」
「お姉さんキラキラしてる。」
「え?」
美鈴は、後ろを振り向いた。
後ろは、窓が開いてあり綺麗な満月が見えた。
「ああ、満月が後ろにあるからね。」
美鈴が、少女を見ると寒気がした。
少女は、美鈴をずっと見て居た・・・
「ど、どうしたの?」
「お姉さん・・・。友達になって。」
少女は、目に満月を照らし、お願いをしてきた。
「・・・いいよ。」
少女は、笑って「ありがとう」と言ってきた。
少女は病室を出てしまった。
「ちょっと・・・ここから出れないと・・・。」
美鈴が、追いかけていったが、そこに少女はいなかった。
「い、いない。」小さな声でボソッと言った後、美鈴は崩れ落ちた。
そして、足音がしただけなのに、なぜか、隠れてしまっていた。
しかし、隠れるといってもさっきの病室の窓の前に移動しただけだった。
「は~!なんで、私が見回りをしなくちゃいけないんですか~?」
どうやら、歩いてきたのは夜間担当の若い看護師だったようだ。
美鈴は、安心して腰を落とした。
その衝撃で、美鈴が持ってたボールペンを落としてしまった。
「あっ・・・」ボソッと言った後拾おうとした。
しかし、さっきの若い看護師が「きゃー!!」と叫び、美鈴は驚き看護師の顔を見た。
「・・・大丈夫?」
美鈴が一言看護師に声をかけるとなぜだか、看護師は安心した顔をしながら震えていた。
「あ、あの。あなたは、な、なんですか?」
震え交じりの声で看護師は、聞いてきた。
「・・・私?・・・私は、小名 美鈴。あなたは?」
一拍おきに美鈴が答えると、看護師は安心した顔で話し始めた。
「すみません。幽霊を見たかのように驚いてしまって。私の名前は、鈴原 奈々未です。・・・小名さん、綺麗ですね。あ、あの、小名さんっていつも、夜にここにいますか?」
看護師 奈々未は、安心したとたん話し始めた。
急で、美鈴は戸惑ったが「うん」と返事し、夜に会うことになった。
奈々未の輝く目の中には綺麗な満月とキラキラする光が映ってた。
奈々未は「巡回しなくちゃだから、また!」と言って帰っていった。
―・・・奈々未さんは、本当に聞いたのかな?
聞いたとしても何で?同じ職場なのに。
「・・・ま、まぁいいか。」
美鈴は、奈々未の事をおいといて、巡回することにした。
―あ~あ、何で今日はこんなに人に会うのかな?最近は、話もかけられないのに。
それに、さっきの友達になった女の子。なんだったんだろう?
もしかして、あの子がみんなの言ってる”幽霊”!?
・・・そんなわけない・・よ・ね。
~朝~
美鈴が、考え事をしているうちに朝になっていく。
美鈴は外を見、朝日に見とれていた。
「・・・朝か~」小声で言った。
「・・・朝!?し、仕事仕事!」
美鈴は、慌てながら言った。
美鈴は病室を出て、職場(1階)へ戻っていった。
エレベーターを出ると、奈々未が青白い顔で同僚にはなしかけているのを見えた。
美鈴は、何があったか聞きたいが、話している同僚が苦手だったので聞き耳を立てることにした。
「え・・・。・・・・って。亡・な・て・・・。」
聞き耳のせいか重要そうな部分が聞こえなかった。
なので、美鈴は夜聞くことにした。
―大丈夫かな?奈々未ちゃん。でも、ちょっとあの子怖いんだよな・・・
そんな、美鈴の心配とは裏腹に、奈々未はその日のうちにやめていった。
美鈴は、びっくりしたが少し安心もあった。
「…なんで、やめたか聞かなかったや。」
ボソッと言い、美鈴は仕事に戻った。
〜夜〜
ーああ、もう夜か…。
今日は、時間が早く感じたなぁ〜。
美鈴は、昨日と同じ病室で、ベットに腰を掛けていた。
「…ん。今日はちゃんと巡回しよ。」
美鈴は、誰が当番が見て、2階を周り始めた。
2階は、診察医がまだいるから明るい。
「お疲れ様です。」美鈴は、診察医に対して、ボソッと言い、別なところに回った。
ー2階は異常なし、か。
美鈴は、安全を確認し、関係者以外立ち入り禁止の地下1階に行くことにした。
美鈴は階段を使い、地下一階まで歩いた。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
美鈴は息を整えながら、ある室内の前に立った。
そこは、看護師でも入れない人がいる危険な部屋と言われていた。
―ん~・・・ここってなんなんだろう・・・。
美鈴は、謎めいた部屋の前でしばらく悩んでいた。
しかし、美鈴がしばらく立っていると、中から悲鳴のような声がしたので、勢いで入ってしまった。
「…えっ?」
美鈴の、目の前にいたのは自分だった。
美鈴は一瞬ぼーとしてしまったが、直ぐに意志を取り戻した。
ーなんなの?これ?
私?でも、私はここに居るし…
怖い。
美鈴の頭の中には、怖いという感情しか無かった。
そして、美鈴は思い出した。
自分は死んでいるということ。
理由は、過労死だということ。
そして、美鈴は気づいた。
美鈴の死体がある場所は、手術室ということに。
医師達は、美鈴は死に、墓に入っていると表上言い、ここ、000室にあることを隠蔽していたのだ。
ー私を使って、何か実験でもしようとしてたの?
今いる私は、幽霊でだから、みんなに無視されてたの?
その時、後ろにある扉が開いた。
「やぁ、久しぶりだね。まさか、こんな形で会うことになるとはw」
美鈴が、後ろを振り向くとそこには、医院長がいた。
「医院長…なんで…」
「イヤ〜、新薬を作ったから実験しようと思ってたんだけど、君が邪魔すぎる。今すぐ出てってくれないか?」
美鈴は、怒りに身を任せ、医院長の首を締めようとした。が、美鈴の手は、医院長の首を通り抜けた。
「残念だったなw。さあ、殺せないことが分かったところで、出て行ってくれないか?」
美鈴は、その場にあった、メスを持ち医院長の腹に刺した。
結果、医院長は倒れた。
美鈴は、その場に倒れ込み泣いた。
美鈴が、目を開けると、顔を塞いでいた手がどんどん消えていった。
美鈴はしばらくすると消えていった。
その後、笹原病院は心霊病院ではなくなったものの、医院長行方不明となり廃病院になっていた。。。
どうでしたか?
ヒヤッとなりましたか?
美鈴は、幽霊だったんですね。。。
感想等も待ってます。。。
よろしくお願いします。。。