異世界にて、第一王国騎士団・団長となる
やっと異世界につきました。
エイジがやってきた(落ちている)世界は、とても美しかった。
延々とつづき澄み渡る青空、高々と燃える太陽、眼下に生い茂る山や森、深く透き通った海、
そのすべてが美しく、ついには、エイジの目から涙がこぼれ落ちた。
そう、この涙はこの世界が美しいから感動しただけだ。決して落下がこわいわけではない。断じてない。
「やばい」
エイジが焦りをこめた声でつぶやく。
何がやばいかって?決まっているだろ・・・
着地だよ!
「ど、どうしよう」
迷うエイジ
「そうだ、能力!」
エイジは能力の存在を思いつく
「パラシュート!」
イメージをするとできるらしい
「パラシュート、パラシュート、パラシュート!」
ボフッ!「開いた!」
ドゴォン!
開いたが少し遅かったらしく、エイジは何かに突っ込んだ。
「いってぇ」
むにゅ
「むにゅ?」
もみもみ
「きゃっ!」
「きゃっ?」
エイジは現在、左手と顔に幸せな感触がある。
「なんだこれ?」
エイジが顔を上げるとそこには、、顔を真っ赤にした女の人がいた
そう、エイジに伝わってきた幸せな感触は胸だったのだ
「あんた、だれ」もみもみ
「や、っやめ」
そのとき後ろから女の声が聞こえた。
「姫様!無事ですか?!」
「姫さ・・・ま」
エイジの顔がみるみるうちに青くなる。
エイジはバッと起き上がりそのまま10mほど下がる。
そして、助走をつけ、走りジャンプ!
空中で3回転ひねりをしたあと全力で土下座した。
血が出るほど頭をこすりつけ許しを請う。
「すいませんでした!姫様とはつゆ知らず無礼なまねを」
「貴様!姫様になにをした」
「い、いや、あのー・・・胸を」
「むっ、胸だと!貴様叩き斬ってやる!」
「騎士さん、もういいです・・・事故ですから」
「し、しかし姫様」
「騎士さん、この方を謁見の間へ」
「はっ!承知いたしました!」
そして、エイジは土下座の体制のまま引きづられ謁見の間についた。
そこは、なかなかの広さで豪華な装飾がしてある部屋だった。
「貴様が、空から落ちてきたという男か」
このじじい、おそらく王様だろう、失礼の無いようにしなければ。
「は、はい!」声が裏返った。恥ずい
「貴様!我が娘の胸はどうだった?」
「たいへん、おいしゅうございました!」
その言葉に騎士たちは目を見開き、姫様は赤面し、王女は「あらあら、まー」とニヤニヤしている。
そして、エイジは心の中で「やらかしたー」とさけんでいた。肝心な王は・・・
「ふっはっはっはっはっ!なかなかに面白い男よ!」
なぜか喜んでいた
「気に入ったー!貴様を第一王国騎士団・団長に任命する!」
あまりの唐突な任命に誰もが絶句した。そして、姫様は少し嬉しそうに顔を赤らめている。
「ふぇ?」
エイジはやはりマヌケな声を漏らすのだった。
エイジはよくマヌケな声を漏らす